港区学校情報化 アクションプラン - Minato€¦ ·...

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平成30(2018)年3月 港区教育委員会 港区学校情報化 アクションプラン 平成30(2018)年度~平成32(2020)年度

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平成30(2018)年3月港区教育委員会

港区学校情報化アクションプラン平成30(2018)年度~平成32(2020)年度

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港区平和都市宣言

かけがえのない美しい地球を守り、世界の恒久平和

を願う人びとの心は一つであり、いつまでも変わるこ

とはありません。

私たちも真の平和を望みながら、文化や伝統を守り、

生きがいに満ちたまちづくりに努めています。

このふれあいのある郷土、美しい大地をこれから生

まれ育つこどもたちに伝えることは私たちの務めです。

私たちは、我が国が『非核三原則』を堅持すること

を求めるとともに、ここに広く核兵器の廃絶を訴え、

心から平和の願いをこめて港区が平和都市であること

を宣言します。

昭和60年8月15日

港 区

《元号に関する表記上の注意点》

本計画発行時点(平成 30 年3月)では、新元号が定められていないため、

平成 31 年以降の元号についても「平成」又は「H」を使用しています。

新元号が定められた際は、読替えをお願いします。

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ICTを最大限活用した港区ならではの教育の推進に向けて

ご 挨 拶

技術革新や社会システムの変化が日常生活に即時に影響を及ぼす現代において、子どもた

ちが自立して生き抜いていく力を育むために、人間形成の基礎を培う、幼児期からの教育に

対する期待がますます大きくなっています。こうした中、平成 29(2017)年3月に告示され

た学習指導要領では、「どのように学ぶか」という学びの質を高める視点が重要視されたこと

に加えて、情報活用能力を言語能力等と同様に「学習の基盤となる資質・能力」の一つとし

て位置づけ、小学校では、論理的思考力を身に付けるための学習活動として、各教科等の特

質に応じてプログラミング教育を計画的に実施することとなっています。ICTを身近に活

用することが当たり前の世の中となっている中で、子どもたちが社会で生きていくために必

要な資質・能力を育むためにも、学校の生活や学習において日常的にICTを活用できる環

境を整備していくことが求められています。

港区では、これまでも学校の情報化推進を喫緊の課題と捉え、ICT機器の導入や学校間

ネットワークの構築等に取り組んでまいりました。しかしながら、並行して世の中はICT

化が加速度的に進化し、子どもたちが日常的にインターネットを利用する時代となっており、

学校教育においても、ICTの利点を生かした教育に積極的に取り組むことで、子どもたち

の可能性を広げることが重要であると考えています。また、働き方改革の観点からも、IC

Tを活用することで、教員が子どもと向き合う時間を確保し、子どもたちの学びを一層充実

させる必要があります。

こうしたことから、港区教育委員会では、今後の社会状況や教育を取り巻く環境の変化を

見据えた学校教育の実践に向けて、平成 30(2018)年度から3年間を計画期間とする情報化

分野の行動計画「港区学校情報化アクションプラン」を策定しました。

本計画は、行動計画としての実行性を持たせるため、平成 30(2018)年度からの3年間に

区が取り組む施策について、成果を評価するための指標を掲げています。この計画を着実に

進め、「教育の港区」を実現するために、学校と教育委員会が連携し、学校の情報化を推進す

ることによる学校教育の質の向上に全力で取り組んでまいります。

策定にあたっては、幼稚園長及び小・中学校長の代表者も参加した検討会議での意見や、

教員を対象としたアンケート調査及びヒアリングの結果、区民意見募集でいただいたご意見

を最大限反映するよう努めてまいりました。ご協力をいただいた皆さんに、改めて御礼申し

上げます。

平成 30(2018)年3月

港区教育委員会

教育長 青 木 康 平

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目 次

第1章 教育における情報化の状況と本計画の位置付け ................................................................. 1

1 教育における情報化の状況 ......................................................................................................................................... 2

(1)情報化の社会的状況 ...................................................................................................................................... 2

(2)国の動向 ................................................................................................................................................................ 2

(3)東京都の動向 ...................................................................................................................................................... 3

2 アクションプランの目的及び位置付け ................................................................................................................ 4

(1)アクションプランの目的 ............................................................................................................................ 4

(2)アクションプランの位置付け .................................................................................................................. 4

(3)対象とする組織・情報システム ............................................................................................................. 5

3 アクションプランの計画期間 .................................................................................................................................... 5

第2章 港区の教育における情報化の取組と課題 ................................................................................. 7

1 港区の教育情報化におけるこれまでの取組 ...................................................................................................... 8

2 「港区学校情報化アクションプラン(平成 26(2014)年度~平成 29(2017)年度)」

施策推進状況 ....................................................................................................................................................................... 8

3 学校アンケート及びヒアリングから見える課題 ......................................................................................... 12

4 今後必要となる取組 ..................................................................................................................................................... 14

第3章 港区学校情報化アクションプランの目標及び基本方針 .............................................. 15

1 アクションプランの目標 ........................................................................................................................................... 16

2 アクションプランの基本方針 ................................................................................................................................. 17

第4章 学校情報化に向けての具体的な取組 ......................................................................................... 21

1 目標に対する施策の整理 ........................................................................................................................................... 22

2 具体的な施策内容 .......................................................................................................................................................... 23

基本方針1 「ICTを活用した授業の充実」に向けての施策 .................................................. 23

基本方針2 「ICT機器等の充実」に向けての施策 ...................................................................... 26

基本方針3 「教員のICTを活用した指導力の向上」に向けての施策 ............................. 28

基本方針4 「ICTを活用した校務の効率化」に向けての施策 ............................................. 30

基本方針5 「ICT環境の整備の推進」に向けての施策 ............................................................ 32

基本方針6 「教育情報セキュリティ体制の強化」に向けての施策 ........................................ 33

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第5章 港区学校情報化アクションプランの推進・整備に当たって ........................................ 35

1 アクションプランの推進体制 ................................................................................................................................. 36

2 推進・整備に当たっての留意事項 ....................................................................................................................... 36

3 アクションプランの進捗管理 ................................................................................................................................. 37

【資料編】 .......................................................................................................................................................................... 39

資料1 港区学校情報化アクションプラン策定方針 ......................................................................................... 40

資料2 港区学校情報化推進会議 ................................................................................................................................. 44

資料3 港区学校情報化アクションプラン策定部会 ......................................................................................... 46

資料4 学校アンケート調査結果 ................................................................................................................................. 47

資料5 小学校及び中学校ヒアリング結果 ............................................................................................................. 51

資料6 適応指導教室ヒアリング結果 ....................................................................................................................... 53

資料7 用語解説 .................................................................................................................................................................... 54

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第1章

教育における情報化の状況と本計画の位置付け

第1章

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2

第1章 教育における情報化の状況と本計画の位置付け

1 教育における情報化の状況

(1)情報化の社会的状況

総務省「通信利用動向調査(平成 27(2015)年度末時点)」によると、インターネット利

用者はこれまで以上に増加しており、年齢階層別の利用率を見ても、6~12 歳では 74.8%、

13~19 歳では 98.2%となっており、子どもたちが日常で当たり前のようにインターネット

を利用する社会になっています。その一方で、インターネットを使った犯罪やトラブル、

いじめといった問題も後を絶たない状況です。

また、近年ではビッグデータ※1やオープンデータ※2の活用が進むとともに、AIエーアイ

※3や

I o Tアイオーティー

※4などの新しい通信技術が用いられるようになり、我が国の経済成長を支える要素

の一つになっています。

(2)国の動向

文部科学省は、平成 23(2011)年4月、「教育の情報化ビジョン」を取りまとめ、平成

32(2020)年度に向けて実施する主な施策の一つとして、安全安心な環境のもと、子どもた

ち1人 1 台の学習者用コンピュータによる教育の本格展開の検討を掲げました。

また、平成 25(2013)年6月に文部科学省から提示された「第2期教育振興基本計画」で

は、教育情報化に向けた環境整備について、「①学習者用コンピュータ1台当たりの児童・

生徒数 3.6 人」「②1 学級当たり1台の電子黒板※5・実物投影機※6の整備」「③超高速インタ

ーネット接続率及び無線 LAN※7整備率 100%」「④教員1人1台の校務用コンピュータの整

備」という目標が定められています。

さらに、平成 29(2017)年 12 月に文部科学省が提示した「平成 30 年度以降の学校におけ

るICT環境の整備方針」では、これからの学習活動を支えるICT環境整備の考え方に

ついて、最終的には1人1台専用の学習者用コンピュータの配置が望ましいが、当面、全

国的な配備状況を踏まえ、3学級に1学級分程度の配置を想定することが適当とされまし

た。

平成 29(2017)年3月に文部科学省から告示された新学習指導要領では、「主体的・対話

的で深い学び」の実現が重点項目とされ、新たに小学校における「プログラミング教育※8」

※1 ビッグデータ:情報通信技術の進展により生成・収集・集積等が可能・容易となる多種多量のデータ。

※2 オープンデータ:公共データを、機械判読に適したデータ形式で、かつ2次利用が可能な利用ルールで公開されたデータ。

※3 AI(Artificial Intelligence:人工知能):様々なデータを基に、コンピュータが人間の代わりに過去の正解から次を予測

し、結果を導き出す技術。

※4 IoT(Internet of Things:モノのインターネット):機械や家電等、様々な機器をインターネットを通じてつなぐことで、

ビッグデータの収集や機器の制御等を実現する技術。

※5 電子黒板:パソコンの画面を映せる大型ディスプレー。画面に直接触れて、字や絵を描き加えることもできる。映写機から投

影するタイプもある。

※6 実物投影機:写真・絵・グラフ・表などのような紙媒体を中心に、実物を拡大投影する機器。

※7 無線LAN:ケーブル線の代わりに無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステム。LAN(Local Area Network)

とは、企業内、ビル内、事業所内等の狭い空間においてコンピュータやプリンタ等の機器を接続するネットワークのこと。

※8 プログラミング教育:コンピュータに動きを指示するために使われるプログラムを学ぶ教育。技術を学ぶだけでなく、自分が

求めることを実現するために必要な動作や記号を考え、組み合わせながら改善していく、論理的な「プログラミング的思考」

第1章

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の実施等が盛り込まれました。

平成 29(2017)年 10 月には、文部科学省から、学校現場の特徴を踏まえた情報セキュリ

ティ対策の考え方を解説した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が

公表されました。

平成 32(2020)年度に新たに導入される大学試験においては、CBT方式※9の導入が検討

されるなど、教育における情報化のさらなる促進に向けた取組が進められています。

(3)東京都の動向

東京都教育委員会が平成 28(2016)年4月に策定した「東京都教育ビジョン(第3次・一部

改訂)」では、学校の教育環境におけるICT※10機器整備のほか、SNS※11の適正利用に

向けた取組の促進や、情報モラル※12を高めるための教材作成・活用について明記されてい

ます。

また、情報教育推進校を指定し、情報モラル教育やプログラミング教育について、他校

への普及・啓発を行っています。

平成 29(2017)年5月には「高度IT利活用社会における今後の学校教育の在り方に関す

る有識者会議」を設置し、プログラミング教育をはじめとするIT人材の育成に向けた指

導方法やカリキュラムの検討を進めています。

を育むことが狙いとされている。

※9 CBT(Computer Based Testing)方式:コンピュータを利用して実施する試験方式で、受験者はコンピュータに表示された

試験問題に対し、マウスやキーボードを用いて解答する。

※10 ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術。コンピュータやネットワークに関連する技術・産業・

設備・サービス等の総称。従来用いられてきた「IT」(Information Technology:情報技術)とほぼ同義語で、国際的には

「ICT」が一般的に用いられる。ICT機器はタブレット端末、電子黒板、無線 LAN 等の総称。

※11 SNS(Social Networking Service): インターネット上で友人を紹介しあって、個人間の交流を支援するサービス。

※12 情報モラル:情報社会における正しい判断や、望ましい態度。また、情報社会で安全に生活するための危機回避の方法や技術。

出典:総務省「通信利用動向調査(平成 27(2015)年度末時点)」

年齢階層別インターネットの利用状況の推移(個人)

全体 6~12歳 13~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳以上

平成23年末(n=41,900) 79.1 61.6 96.4 97.7 95.8 94.9 86.1 68.7 42.6 14.3

平成24年末(n=49,563) 79.5 69.0 97.2 97.2 95.3 94.9 85.4 68.0 48.7 25.7

平成25年末(n=38,144) 82.8 73.3 97.9 98.5 97.4 96.6 91.4 73.1 48.9 22.3

平成26年末(n=38,110) 82.8 71.6 97.8 99.2 97.8 96.6 91.3 75.2 50.2 21.2

平成27年末(n=33,525) 83.0 74.8 98.2 99.0 97.8 96.5 91.4 76.6 53.5 20.2

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

第1章

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2 アクションプランの目的及び位置付け

(1)アクションプランの目的

本アクションプランは、学校における主体的・対話的で深い学びの実現や、子どもたち

の情報活用能力の育成、校務の効率化による教員の子どもたちに向きあう時間の確保のた

め、学校のICT環境を整備するとともに、安全に使用するための情報セキュリティを確

保し、それらICTを効果的に活用することで「学校教育の質の向上」を図ることを目的

とします。

(2)アクションプランの位置付け

本アクションプランは、「港区基本計画(平成 27(2015)年度~平成 32(2020)年度)」や

「港区教育ビジョン(港区教育大綱)」などに示された区の将来像を実現するための教育に

おける情報化分野の行動計画とします。なお、「港区学校情報化アクションプラン(平成

26(2014)年度~平成 29(2017)年度)」の施策を引き継ぐとともに、「港区情報化計画(平成

27(2015)年度~平成 32(2020)年度)」などの関連する諸計画の内容等と整合性を図ります。

※港区は、平成 27(2015)年7月、港区総合教育会議での協議を踏まえ、「港区教育ビジョン」を「地方教育行政の組

織及び運営に関する法律」に規定する「港区の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱(港区教育

大綱)」として位置付けています。

第1章

調 整

港区基本構想(平成 14(2002)年~)

港区教育ビジョン(平成 27(2015)年度~平成 36(2024)年度)

(港区教育大綱)

港区基本計画

港区実施計画

情報化分野の行動計画

教育行政の個別計画

港区学校教育推進計画

(後期計画:平成 30(2018)年度~平成 32(2020)年度)

港区学校情報化アクションプラン

(平成 30(2018)年度~平成 32(2020)年度)

港区情報化計画 (後期計画:平成 30(2018)年度~平成 32(2020)年度)

整合性

基 本 理 念 すべての人の学びを 支え つなぎ 生かす

目指す人間像 生涯を通じて夢と生きがいをもち、自ら学び、

考え、行動し、未来を創造する人

基本的方向性 (1)「徳」「知」「体」を育む学び

(2) 生き抜く力を育む学び

(3) 生涯を通じた学び

(4) 地域社会で支えあう学び

(5) つながり、伝え、循環する学び

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(3)対象とする組織・情報システム

本アクションプランの対象とする組織は、港区立幼稚園、小学校及び中学校並びに教育

委員会事務局(教育センター、適応指導教室※13を含む)とします。

また、本アクションプランで対象とする情報システムは、児童・生徒及び教員、事務職

員等が使用するICT端末及びそれらに関係する機器類(パソコン、プリンタ、サーバ、

電子黒板、プロジェクタ、実物投影機等)、これら機器が接続しているネットワーク及び利

用しているソフトウェア環境とします。

3 アクションプランの計画期間

港区基本計画等の関連する諸計画が6年間を計画期間とし、中間年となる3年目で見直し

を行っていることを考慮するとともに、情報通信技術の進歩が速いことや、国がめざす教育

情報化の最新の動向を的確にとらえて迅速に施策に反映できるよう、本アクションプランの

計画期間は平成 30(2018)年度から平成 32(2020)年度までの3年間とします。

※13 適応指導教室:不登校の児童・生徒に対し、学校復帰のための指導・援助を行うため、教育委員会が学校以外の場所に設置す

る施設。

平成26 平成27 平成28 平成29 平成30 平成31 平成32(2014)年度 (2015)年度 (2016)年度 (2017)年度 (2018)年度 (2019)年度 (2020)年度

港区基本計画(平成27年度~平成32年度)

港区基本計画(前期3年)(平成27年度~平成29年度)

港区基本計画(後期3年)(平成30年度~平成32年度)

港区教育ビジョン(平成27年度~平成36年度)(港区教育大綱)

港区学校教育推進計画(前期3年)(平成27年度~平成29年度)

港区学校教育推進計画(後期3年)(平成30年度~平成32年度)

港区学校情報化アクションプラン(4年)(平成26年度~平成29年度)

港区学校情報化アクションプラン(3年)

(平成30年度~平成32年度)

関係する計画(港区情報化計画等)

第1章

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第2章

港区の教育における情報化の取組と課題

第2章

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第2章 港区の教育における情報化の取組と課題

1 港区の教育情報化におけるこれまでの取組

港区教育委員会では、これまで「港区学校情報化アクションプラン(平成 26(2014)年度~

平成 29(2017)年度)」に基づき、小・中学校へのタブレット端末※14の配備や小学校全普通教

室への電子黒板の配備、各学校間のネットワークの構築や校務支援システム※15の整備等を計

画的に実施してきました。また、教員向け研修の実施やICT支援員※16の配置等の取組を進

めてきましたが、ICT機器の活用は、学校や教員ごとに差がある状況です。

2 「港区学校情報化アクションプラン(平成 26(2014)年度~平成

29(2017)年度)」施策推進状況

「港区学校情報化アクションプラン(平成 26(2014)年度~平成 29(2017)年度)」(以下「前

アクションプラン」という。)では、国の動向や港区の当時の現状に照らして以下の三つの目

標と、それらの目標を実現するために、国の打ち出す方針や港区の地域特性を考慮した五つ

の基本方針を提示しています。

【目標】

①ICTを活用した理解を深める授業の実現

②学校間ネットワークの確立と校務情報化の推進

③ICT環境の安全安心の確保

【基本方針】

①児童・生徒の情報活用能力の育成

②教科指導におけるICTの活用と活用能力の向上

③校務の情報化の推進

④地域の拠点として災害に強い学校づくり

⑤運用管理体制の強化

上記の目標及び基本方針に基づき、19 の施策を提示し、平成 26(2014)年度から平成

29(2017)年度の4年間にわたり実施してきました。

本アクションプランを策定するに当たり、前アクションプランに掲げられた施策に関し、

この4年間の進捗状況を以下の3段階評価により振り返りました。

※14 タブレット端末:無線LAN(Wi-Fi)あるいは携帯電話回線によって、通信やインターネットの利用ができる軽量パソ

コンの一種。液晶の画面に指先をあてながら操作する「タッチパネル」が採用され、バッテリーが内蔵で持ち運びに向いて

いる。

※15 校務支援システム:学籍・出欠・成績・保健など児童・生徒情報の共有による教育指導の質的向上と、校務の効率化を目的と

したシステム。

※16 ICT支援員:教員がICTを利用した授業や校務を行う際にサポートしてくれる支援要員。

第2章

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【評価基準】 A:実現済(計画どおり実施した)

B:取り組み中(一部未実施や課題等あり)

C:未実施(実施手法の見直しが必要になった)

【前アクションプランの評価一覧】

№ 施策 現状 評価

1 新教育用パソコンの配備 小学校に計 1,350 台・中学校に計 400 台

のハイブリッド型パソコン※17を配備。

2 インターネット接続環境の改善 幼稚園、小・中学校、教育センター、つば

さ教室に、プロキシ※18/Webフィルタリ

ング※19サーバを設置し、教職員や児童生

徒が利用するパソコンから、利用者に応じ

たWebフィルタリングで、高速で安定し

たインターネット接続が行えるよう環境

を整備したが、回線速度や複数端末による

同時接続に一部課題が残る。

3 電子黒板の追加配備 小学校の全普通教室にプロジェクタ型の

電子黒板を配備。また、中学校の理科室に

液晶画面一体型電子黒板(各校 1 台)を

配備。中学校の普通教室への配備は未完。

4 教科指導で利用する電子教材の充実 授業支援ソフト※20を新教育用パソコンに

導入。

5 教職員向けのICT研修の充実 ICTを活用した教育活動に関する研修、

ホームページ管理ツール操作研修を年間

に複数回実施。

6 ICT支援員の活用 教育活動に関する支援を目的としたIC

T支援員を配置し、小学校・中学校で定期

的な訪問を実施。

7 情報共有のためのセンターサーバ設置 学校データセンター※21に各サービスを集

約したセンターサーバ※22を設置。センタ

ーサーバ内はファイルサーバを、校務支援

システム内にグループウェア※23機能を整

備。

※17 ハイブリッド型パソコン:液晶の着脱やスライド、回転等が行え、ノートパソコンとしてもタブレットとしても利用できるパ

ソコン。

※18 プロキシ:組織の内部ネットワークとインターネットとの境で、代理で通信を行うコンピュータやサーバ。セキュリティの向

上や通信応答速度の向上のために使用される。

※19 Web フィルタリング:インターネット上で閲覧にふさわしくない(有害情報やウイルス等)と判断された Web サイトについて、

アクセスを遮断するソフトウェアやサービス。また、その機能を提供するサーバのことを Web フィルタリングサーバと呼ぶ。

※20 授業支援ソフト:教員用パソコンから児童生徒パソコンの画面を一度に確認したり、逆に教員用パソコンの画面を児童生徒用

パソコンに一斉配信できるソフトウェア。画面配信の他にも一斉操作や教材作成等の機能を持つソフトもある。

※21 データセンター:データやサーバを預かり管理・運用などを行う拠点。

※22 センターサーバ:データセンター等に設置し、各拠点から共通利用できるサーバ。運用や維持管理を一元化できる。

※23 グループウェア:ネットワーク環境を利用し、情報共有やコミュニケーションをはかるためのソフトウェア。電子メール、電

子掲示板、スケジューラ、文書共有、ワークフロー等の機能を持つ。

第2章

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10

8 庁内ネットワークとの連携 庁内ネットワーク※24と教育ネットワーク

※25の連携を行い、庁内ネットワークに接

続している文書作成用パソコンから、教育

用ネットワークに接続している教務用フ

ァイルサーバ※26の利用を可能とした。

9 教育ネットワークの整備 各種教育拠点と学校データセンターを接

続するネットワークをVPN回線※27で新

たに整備。その後は、無線LAN機器の規

格が古くなった小学校・中学校の機器の更

新を実施。

10 新校務用パソコンの配備 教務用・研究用の機能を統合した新校務用

パソコンを全ての教職員(用務職除く)に

配備。

11 センター型の校務支援システムの導入 全小・中学校共通のセンター型校務支援シ

ステムを導入し、学籍・出欠・成績・保健

など児童・生徒の情報の一元管理を可能と

したが、活用促進に一部課題あり。

12 学校ホームページ管理ツールの導入 容易に更新が実施できるCMS※28を導

入。

13 プリンタの追加配備 48 台(幼稚園 12 台、小学校 15 台、中学

校 21 台)のカラープリンタを追加配備。

また、購入後5年以上経過した 38 台(小

学校 27 台、中学校 11 台)のカラープリ

ンタの機器更新を実施。

14 信頼性の高い学校データセンターでの

サーバ統合管理

耐震性・耐火性に優れ、災害対策や高度な

セキュリティ対策の施されたデータセン

ターにサーバ等を設置し運用管理を一元

化。

15 運用管理のアウトソーシング※29 安定した利用環境を維持するため、専門知

識を有した業者に運用管理を委託。

16 学校ヘルプデスクの設置 情報機器に関する問い合わせを一括で受

け付けるヘルプデスク※30を設置。

※24 庁内ネットワーク:グループウェアや財務会計システム等、区が整備したシステムを利用するためのネットワーク。

※25 教育ネットワーク:区内の幼稚園、小・中学校、教育用施設、学校データセンターを対象とした教育用途のネットワーク全体

の総称。

※26 教務用ファイルサーバ:ネットワーク上で、校務処理に関するファイル共有を行うためのサーバ。個人情報を取り扱うため、

インターネット接続不可。

※27 VPN(Virtual Private Network)回線:公衆回線の上に暗号化された伝送路を作成し、あたかも専用回線のように利用で

きるサービス。専用線よりも低コストで実現でき、拠点間の接続に利用されることが多い。

※28 CMS(Contents Management System):Web コンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・

管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと。

※29 アウトソーシング:業務や機能の一部又は全部を、専門会社など外部に委託すること。

※30 ヘルプデスク:質問、相談や障害対応等、利用者からの様々な問い合わせを受け付ける窓口。

第2章

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11

17 統一された学校情報化の推進体制 港区教育情報化推進会議のもとに「学校情

報化システム構築部会」を設置し、学校情

報化を推進。また、システムアセスメント

※31をとおして全庁的な連携を行う体制と

した。

18 港区学校情報安全対策基準に基づく

運用

教職員対象のセキュリティアンケートを

毎年実施。また、セキュリティ監査を毎年

複数校対象に実施。

19 校外からの安全な情報アクセス環境

整備

教育ネットワークがつながっている港区

立の学校間であれば、他校からでもデータ

センターに安全にアクセスできる体制と

した。他校以外の校外からアクセスできる

体制の整備に課題あり。

前アクションプランに計上した施策はおおむね計画通り実施していますが、配備や導入後に

新たな課題が生じたものもあります。

目標①「ICTを活用した理解を深める授業の実現」については、「電子黒板の追加配備」で

区内の全小学校の普通教室にプロジェクタ型の電子黒板を配備しましたが、中学校の普通教室

への配備が未実施となっています。また、「インターネット接続環境の改善」において、複数台

のタブレット端末で同時に接続すると、通信速度が遅くなってしまうという状況があります。

目標②「学校間ネットワークの確立と校務情報化の推進」については、校務支援システム導

入から間もないため操作に慣れていないことや、使い勝手の面で課題があります。

目標③「ICT環境の安全安心の確保」については、教員が校外から業務データにアクセス

できる体制整備について、より柔軟な働き方の実現に向け、さらなる検討が必要となります。

※31 システムアセスメント:システムの導入等に当たり、事前に評価や査定を行う制度。

第2章

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12

3 学校アンケート及びヒアリングから見える課題

<学校アンケート実施概要>

実施期間 : 平成 29(2017)年1月~2月

対象校 : 区立小・中学校全校

対象者及び回答数 : ①小学校教員向け(回答数:342 件)

②中学校教員向け(回答数:126 件)

③管理職向け(回答数:41 件)

※内訳:小学校 26 件、中学校 15 件

<学校ヒアリング実施概要>

実施期間 : 平成 29(2017)年8月

対象校 : 青山小学校、港南小学校、赤坂中学校、港南中学校

対象者 : 校長、副校長、教員 29 人

(特別支援学級※32の教員4人を含む)

(1)授業面

学校アンケートの結果によると、各学校の教員のICT機器利用頻度が 50%を下回ってい

ることから、ICT機器利用の定着に課題が見られます。また、学校ヒアリングの結果から

は、中学校での電子黒板の全普通教室への配備について要望があがるほか、タブレット端末

についても、身近にありいつでも使用できる環境を望む声が多くあります。

(2)校務面

学校アンケート及び学校ヒアリングの結果から、校務支援システムにおける成績処理機能

やメール機能といった、個々の機能に対する操作の面に課題が見られます。また、校務支援

システムをあまり活用していない教員もいるため、活用推進もあわせて検討していく必要が

あります。

(3)環境面

学校アンケートの自由意見や学校ヒアリングにおいて、タブレット端末の複数台同時接続

による帯域不足を早急に改善してほしいという声が多くあります。

※32 特別支援学級:障害があることにより、通常の学級における指導だけでは、その能力を十分に伸ばすことが困難な児童・生徒

に対して、きめ細かな指導を行うため、特別に設置している少人数の学級。

第2章

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13

■<学校アンケート>【小学校】学年別のICT利用率

※ICT利用率:週当たりのICTを利用した授業数/週当たりの全持ち授業数

■<学校アンケート>【中学校】教科別のICT利用率

※ICT利用率:週当たりのICTを利用した授業数(教科別)/週当たりの教科別授業数

■<学校アンケート>今後ICT機器の一層の利用のために有効と思うこと(複数回答)

※ポイント:1 位→3pt、2 位→2pt、3 位→1pt として計算

36.3%

25.9% 23.1%

35.6% 34.6%

32.4% 31.1%

44.9%

39.4% 36.1% 36.4% 42.1% 40.5% 37.0%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 全体

平成27年度 平成28年度

8.6%

40.9%

7.9%

71.1%

27.8%

75.7%

18.2%

52.3%

26.5%

14.4%

24.1%

13.7%

38.0%

28.6%

9.0%

51.4%

17.2%

57.8%

23.6%

74.1%

14.5%

71.4%

31.5%

15.1%

43.3%

17.3% 23.1%

30.6%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

国語

社会

数学

理科

音楽

美術

保健体育

技術・家庭

外国語

道徳

総合的な

学習の時間

特別活動

その他

全体

平成27年度 平成28年度

323

438374

353

94

411

103136 135 131

25

185

050

100150200250300350400450500

ICT機器操作方法

に関する研修・マ

ニュアルの充実

ICT機器を利用し

た授業に関する情報

交換・研修

デジタル教材作成の

ための素材提供、教

材の共有

ICT支援員による

教材作成支援、授業

支援のさらなる充実

ICT機器利用に関

して中心となる教員

の養成

ICT機器の性能向

上(ネットワーク改

善含む)

小学校 中学校

第2章

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14

■<学校ヒアリング>主な意見(授業面の課題)

■<学校ヒアリング>主な意見(校務面の課題)

4 今後必要となる取組

前アクションプランの進捗状況や学校アンケート及びヒアリング結果から見える課題等を踏

まえ、今後はこれまで導入したICT機器や環境を学校現場でどのように有効に活用していく

かという視点での取組が課題となります。具体的には、新学習指導要領を踏まえた授業の充実

に向け、教員のICT活用能力のさらなる向上とともに、校務支援システムの活用を促進する

など、教員の負担軽減が重要となります。また、数年後の人口増加を見据えたICT機器の追

加配備、配備されたICT機器を円滑に使用するための通信環境のさらなる整備等が、引き続

き必要となります。

教師自身の活用スキルに自信がないため、ICT支援員のサポートがないと授業で使用

が難しい。

タブレットの活用効果がわからないため、活用の方法がわからない。

どの児童・生徒も操作支援を受けずにタブレットを使用できるとは限らないので、教師

が望む使い方ができない。

授業で急に取り入れることで、生徒が学習内容ではなく操作に集中してしまうと考えて

おり、タブレットを授業で導入しにくい。

使用したい台数での同時接続が難しく、使用できる台数が限られる。

特別教室に機器が配備されていないため、使用していないクラスから借りることになる

が、借りたクラスの使用に間に合うようにすぐに返却しなければならない。

システムに慣れないため、最低限の機能しか使用できない。

システムが職員室での利用に限られるため、様々な機能があっても活用できない。校内

であればどこでもシステムを使用できるようにしてほしい。

システムの機能が小学校向けであり、進路関係の機能が不十分。

欠席処理が当日にしか行えないため、終業式当日については出席したものとして事前に

印刷している。

通知表を印刷する際に word 連携を行う必要があるが、打ち出しまでに時間がかかる。

家でも仕事ができるようにしてほしい。

第2章

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15

第3章

港区学校情報化アクションプランの目標及び基本方針

第3章

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第3章 港区学校情報化アクションプランの目標及び基本方針

1 アクションプランの目標

港区基本計画等の関連する諸計画と整合性を図るとともに、新学習指導要領を踏まえ、港

区学校教育推進計画に掲げる目指すべき子どもの姿「夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、

行動し、未来を創造する子ども」の実現に向け、「児童・生徒」、「教員」、「インフラ・セキュ

リティ」の視点から以下の三つの目標を掲げ、学校の情報化を推進します。

【児童・生徒の視点】

【教員の視点】

【インフラ・セキュリティの視点】

目標1 新しい時代に必要となる資質・能力を育む、ICTを活用した

「主体的・対話的で深い学び」の実現

目標2 教員のICTを活用した指導力の向上と、校務の効率化による

児童・生徒と向き合う時間の創出

目標3 日常的に活用できるICT環境の整備と教育情報セキュリティ

の確保

第3章

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17

2 アクションプランの基本方針

本アクションプランにおける計画目標を実現するために、国や東京都の方針、港区の教育情

報化の現状、働き方改革に向けた取組等を踏まえ、三つの目標の下に六つの基本方針を定め、

具体的な取組を推進します。

なお、推進に当たっては、授業や校務等の内容に応じて、ICT活用の必要性や期待できる

効果を十分に見極め、より有効な活用方法を検討します。

基本方針1 ICTを活用した授業の充実

新学習指導要領に記載されている「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けては、教育

の質の向上のため、各教科でICTを有効に活用し、児童・生徒の関心や理解を深めながら、

分かる授業を実施することが求められています。

港区においても、これまでの取組をより一層推進していくため、発達段階に応じた情報活

用能力の育成や、教科指導におけるICTの積極的活用のほか、情報モラル教育や、今後小

学校で必修化されるプログラミング教育の充実に取り組みます。また、特別支援学級や適応

指導教室等において、ICTの効果的な活用を推進し、個に応じた指導を充実します。

基本方針2 ICT機器等の充実

各学校には現在も一定数のICT機器が配備されていますが、機器数の不足から準備に時間

がかかるといった意見や、より充実した機能の機器配備を望む声が教員から上がっています。

ICTを活用した授業の充実に向けて、児童・生徒数の増加の状況も踏まえ、タブレット

端末や電子黒板等のICT機器や教科指導用電子教材の計画的な配備、更新を行います。

基本方針3 教員のICTを活用した指導力の向上

ICTを活用した授業を充実するためには、機器配備はもとより、それを活用する教員の

指導力育成が不可欠です。

教員向け研修の充実や優良事例の共有により、教員の指導力向上に取り組むとともに、授

業でICTを活用する仕組みづくりに取り組みます。また、ICT支援員の派遣やヘルプデ

スクの設置等、教員の授業を支援する取組を引き続き継続し、ICT機器の導入により教員

の負担が増えることがないよう、教員のICT活用をサポートします。

基本方針4 ICTを活用した校務の効率化

教員の長時間労働が社会的に問題視されており、教員の業務負担軽減が喫緊の課題となっ

ていますが、その有効な手段の一つとして、ICTの積極的活用が求められています。

「みなとワークスタイル宣言※33」の実現に向け、働きやすい職場づくりを推進し、教員が

児童・生徒と向き合う時間を確保する観点から、校務支援システムの活用を促進するととも

に、最新のICTを活用した新たな働き方の導入について検討します。

※33 みなとワークスタイル宣言:平成 29(2017)年7月、区が全庁を挙げて働きやすい職場づくりを推進することを目的に行った 3

つの宣言。「①職員一人ひとりが時間管理意識を持ち、超過勤務を縮減します」、「②勤務時間終了後は、原則定時退庁し、遅

くとも、午後 8時には全員退庁します」、「③年次有給休暇 16 日以上を計画的に取得します」。

第3章

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18

基本方針5 ICT環境の整備の推進

現在、小・中学校では無線LANの接続環境に課題があり、今後のICT活用を促進する

ためにも、環境向上に向けた対応が求められています。

配備されたICT機器を授業の中で効果的かつストレスなく使用できるよう、無線LAN

環境を再整備するなど、教員の意見を反映したより使いやすいICT環境づくりに取り組み

ます。

基本方針6 教育情報セキュリティ体制の強化

学校におけるICTの積極的な活用を推進していくためには、児童・生徒の個人情報漏え

いを防ぐための教育情報セキュリティの確保が不可欠です。

これまでもハード面における情報セキュリティ対策を実施していますが、平成 29(2017)年

度に文部科学省から公表された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を

踏まえ、今後も情報セキュリティ確保のための必要な整備を継続的に行っていきます。また、

教員の意識向上を目的とした研修・訓練の機会を設けるなど、教員や児童・生徒が安全安心

にICTを利用するための情報セキュリティ対策を推進します。

第3章

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夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、行動し、未来を創造する子ども

(目指すべき子どもの姿)

【児童・生徒の視点】目標1 新しい時代に必要となる資質・能力を育む、ICT

を活用した「主体的・対話的で深い学び」の実現

方針1 ICTを活用した授業の充実

方針2 ICT機器等の充実

【教員の視点】目標2 教員のICTを活用した指導力の向上と、校務の効率

化による児童・生徒と向き合う時間の創出

【インフラ・セキュリティの視点】目標3 日常的に活用できるICT環境の整備と教育情報

セキュリティの確保

方針3

教員のICTを活用した指導力の向上

方針4

ICTを活用した校務の効率化

方針5 ICT環境の整備の推進 方針6 教育情報セキュリティ体制の強化

アクションプランの目的 : 「学校教育の質の向上」

19

○ 目標と方針のイメージ図

第3章

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第4章

学校情報化に向けての具体的な取組

第4章

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第4章 学校情報化に向けての具体的な取組

1 目標に対する施策の整理

目標 基本方針 具体的施策

目標1

新しい時代に必要

となる資質・能力を育

む、ICTを活用した

「主体的・対話的で深

い学び」の実現

(1)ICTを活用した

授業の充実

施策① 児童・生徒の情報活用能力の育成

施策② 教科指導におけるICT活用の実

施策③ プログラミング教育の推進

施策④ 情報モラル教育の充実

施策⑤ 個に応じたICT活用の推進

(2)ICT機器等の充

施策⑥ タブレット端末の追加配備

施策⑦ 電子黒板の追加配備

施策⑧ 教科指導用電子教材の充実

目標2

教員のICTを活

用した指導力の向上

と、校務の効率化によ

る児童・生徒と向き合

う時間の創出

(3)教員のICTを活

用した指導力の向上

施策⑨ ICTを活用した公開授業の実施

施策⑩ ICT活用事例の収集・共有

施策⑪ 教員向けICT研修の充実

施策⑫ ICT支援員の活用

施策⑬ ヘルプデスクの運用

(4)ICTを活用した

校務の効率化

施策⑭ 校務支援システムの活用促進

施策⑮ テレビ会議システム等の導入

施策⑯ ICTを活用したさらなる業務効

率化等の検討

目標3

日常的に活用でき

るICT環境の整備

と教育情報セキュリ

ティの確保

(5)ICT環境の整備

の推進 施策⑰ ネットワーク環境の強化

(6)教育情報セキュリ

ティ体制の強化 施策⑱ 教育情報セキュリティ体制の強化

第4章

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23

2 具体的な施策内容

【成果指標】

指標 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

ICTを活用した授業により

わかりやすくなったと回答す

る児童・生徒の割合

65% 70% 75%

※ 全小・中学校で行う児童・生徒からの授業評価の結果による。

基本方針1 「ICTを活用した授業の充実」に向けての施策

施策① 児童・生徒の情報活用能力の育成【レベルアップ】

文部科学省は平成 23(2011)年4月に取りまとめた「教育の情報化ビジョン」の中で、児

童・生徒の情報活用能力の育成に当たり、以下の3点が重要であるとしています。

ア 情報活用の実践力

課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に

収集・判断・処理・編集・創造・表現し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達でき

る能力

イ 情報の科学的な理解

情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱い、自らの情報活用

を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

ウ 情報社会に参画する態度

社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情

報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画し

ようとする態度

上記3つの観点を相互に関連付けてバランスよく習得させるため、義務教育期間における

児童・生徒の発達段階に応じた情報教育に関する指導指針を作成し、小・中学校で実践しま

す。

目標1 新しい時代に必要となる資質・能力を育む、ICTを活用した

「主体的・対話的で深い学び」の実現

第4章

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施策② 教科指導におけるICT活用の実践【レベルアップ】

教科指導におけるICTの活用は、児童・生徒の学習への興味関心を高めるとともに、拡

大、動画配信や音声朗読等の機能を活用することにより、学習内容を分かりやすく説明でき

る効果が期待できます。また、子どもたちが教え合い学び合うなどの協働学習での有効活用

も期待できます。

そのため、小・中学校における各教科指導において、学習目標の達成やねらいに沿った授

業を実践することを目的に、ICT活用を積極的に推進します。

また、ICTを活用した授業の実践を促進し、その効果を検証するために、区研究奨励校

のうち小・中学校及び小中一貫教育校各1校について、重点的にICTを活用した授業を実

施するモデル校と位置付け、学識者を招いた指導研修等を通じて授業内容の充実を図るとと

もに、その内容を検証し、研究成果を他校に還元します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

ICT活用授業の実

モデル校の指定

【小学校】

モデル校の指定

【中学校】 ―

モデル校の指定

【小中一貫教育校】 ― ―

【ICTを活用した授業実践例】

● 国語

・古典等の朗読見本として、デジタル教科書の音声を聞かせ、読むテンポや発音について確

認させる。

・漢字の文字を拡大掲示し、筆順や、とめ・はらいのポイントを解説する。

● 算数

・図形の面積を学習する際、デジタル教科書で図形を分解して、組合せのシミュレーション

を行う。

● 理科

・生物分野において、写真や動画を用いて、成長の過程を観察する。

● 社会

・課外学習でタブレット端末を用いて写真や動画を撮影し、持ち寄ったものを資料に整理し

て、グループ発表を行う。

● 英語

・正確な発音や会話を音声で聞かせるとともに、タブレット端末を用いて児童・生徒同士で

発音の様子を撮影し、振り返りを行う。

● 体育

・特に動きをイメージしづらいハードル走や器械体操等の授業において、自分の動きを客観

的に映像で確認し、修正する。

指定(1校)

推進

実践発表 検証・成果共有・展開

指定(1校) 実践発表

指定(1校)

第4章

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25

施策③ プログラミング教育の推進【新規】

新学習指導要領において、児童の論理的思考力や創造性、問題解決能力といった資質・能

力を育むことを目的に、平成 32(2020)年度から小学校におけるプログラミング教育が必修化

されます。

今後各小学校が円滑にプログラミング教育を開始できるよう教育委員会として支援してい

くため、現在一部の学校で実施しているプログラミング教育の内容を周知するとともに、教

員向け研修をとおして、国語・算数・理科・総合的な学習など、各教科の特質に応じた実践

方法の例示等を行っていきます。

施策④ 情報モラル教育の充実【レベルアップ】

パソコンや携帯電話などを通じたインターネット利用が急速に進み、違法・有害情報に起

因する問題が多発する中で、児童・生徒が情報内容を適切に判断できる能力が必要となって

います。

適切な情報モラル指導を行うため、教員を対象とした研修の実施等により教員自身の情報

モラルの意識を高めるとともに、文部科学省が提示する「情報モラル指導カリキュラム」等

に基づき、児童・生徒の発達段階に応じた指導を行います。

また、児童・生徒が有害情報に接したり、トラブルに巻き込まれたりすることがないよう、

家庭への情報提供やSNSに関するルールづくり等の働きかけを行っていきます。

施策⑤ 個に応じたICT活用の推進【新規】

特別支援学級では、障害特性の異なる様々な子どもたち一人ひとりの持てる力を高め、生

活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うことが求めら

れています。そのため、個別の障害特性や発達段階を考慮した学習、小集団での学習、それ

ぞれにICTの効果的な活用を研究するとともに、教科の補充指導に役に立つ学習用ソフト

の導入を検討します。

また、特別支援教室や日本語学級、難聴・言語障害通級指導学級のほか、通常の学級において

特別な配慮が必要な児童に対しても、ICTの効果的な活用を推進し、個に応じた指導を充実し

ます。

併せて、適応指導教室においては、タブレット端末を配備することで個々の学習スタイル

に応じた学習環境を整えるとともに、小集団での調べ学習の実施やメール機能を用いた在籍

校担任教員とのコミュニケーションツールとして活用します。

第4章

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基本方針2 「ICT機器等の充実」に向けての施策

施策⑥ タブレット端末の追加配備【レベルアップ】

新学習指導要領に提示されている「主体的・対話的で深い学び」の実現のため、ペア学習

やグループ学習の充実を図ることから、現状の各校に整備されているタブレット端末の配備

数を増やす必要があります。

施策②で示したモデル校において、1人1台のタブレット端末を配備し、その活用実態や

効果を検証し、将来的な全小・中学校における児童・生徒のタブレット端末1人1台環境の

実現に向け、他校への展開を検討します。

また、特別支援学級において1人1台のタブレット端末を配備するとともに、適応指導教

室にもタブレット端末を配備し、個に応じた指導の充実を図ります。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

タブレット端末

1人1台配備

施策⑦ 電子黒板の追加配備【レベルアップ】

電子黒板を教室間で移動させる手間などをなくし、ICT機器や電子教材

をより身近に、効率的に利用できる環境を実現するため、普通教室全てに電

子黒板を配備します。

また、初期に導入した電子黒板について、導入後相当年数を経過している

ことから機器を更新することとし、特別教室で使用することを目的として、

新たに小・中学校各フロアに1台を目安に可動式電子黒板を配備します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

電子黒板の追加配備

【電子黒板の今後の機器更新について】

メーカーの保守期間を鑑み原則として5年を目途としつつ、機器の老朽化の状況や財政負

担などを総合的に勘案し、機器を更新します。

配備

全中学校普通教室

更新

小・中学校特別教室運用

配備

小学校1校

配備

中学校1校

配備

小中一貫教育校1校

第4章

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施策⑧ 教科指導用電子教材の充実【レベルアップ】

デジタル教科書※34を引き続き導入するとともに、基礎的・ 基本的な内容を繰り返し学習で

きるよう、デジタルドリル教材を新たに導入し、授業におけるICT活用を促進します。

※34 デジタル教科書:電子書籍として配信・提供され、音声や映像等マルチメディアコンテンツとの連携が可能な教科書。

第4章

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28

【成果指標】

指標 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

① 週当たりのICTを活用した授

業実施率 40% 50% 60%

前年度と比較し、児童・生徒と向

き合う時間が増えたと感じる教

員の割合

20% 30% 40%

※ ①・②ともに、全小・中学校教員に対するアンケート結果による。

※ ①は、「週当たりのICTを利用した授業数/週当たりの全持ち授業数」で算出

基本方針3 「教員のICTを活用した指導力の向上」に向けての施策

施策⑨ ICTを活用した公開授業の実施【新規】

学校公開週間やアカデミーの研究授業等において、ICTを活用した公開授業を実施する

ことで、保護者を始めとした区民や校種が異なる教員にICTを活用した授業への関心を高

めてもらうとともに、教員のICTの積極的な活用を促します。

公開授業におけるICTの活用は、普通教室への電子黒板の配備が済んでいる小学校から

拡大していくこととし、中学校においても、平成 31(2019)年度にインフラ等整備が整い次第、

本格的に活用を拡大します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

公開授業における

ICTの積極的活用

【小学校】

公開授業における

ICTの積極的活用

【中学校】

施策⑩ ICT活用事例の収集・共有【新規】

各校におけるICT を活用した優良な指導事例や教材等を収集し、各校で活用できるよう

に整理します。

優良事例等の収集に当たっては、各校のICT教育担当者が中心となり、それぞれが実践

した指導事例や教材等を担当者会で共有、研究します。

収集した事例等については、グループウェア上に共有フォルダを設けるなど教員が閲覧で

きるようにすることで、教員の授業支援につなげます。

目標2 教員のICTを活用した指導力の向上と、校務の効率化による

児童・生徒と向き合う時間の創出

実施(小学校全校)

実施(中学校全校)

第4章

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29

施策⑪ 教員向けICT研修の充実【レベルアップ】

教員のICT活用能力に応じたICT実技研修会(初級編、中級編)、ICT教育担当者

会における研修を引き続き実施するほか、初任者研修においてICT活用の指導方法を学ぶ

機会を設けるなど、授業実践能力の向上を図ります。

施策⑫ ICT支援員の活用【継続】

日常の授業の支援、ICT機器操作の支援、教材作成等の支援を目的にICT支援員を派

遣し、授業におけるICTの活用を促進します。

月1回程度巡回するICT支援員の授業支援を継続するに加え、施策②に示すモデル校に

は週1回派遣するほか、支援状況や教員からの意見に基づき、ICT支援員の追加派遣や効

果的な運用を検討します。

施策⑬ ヘルプデスクの運用【継続】

ICT機器に関する問合せを一括で受け付けるICTに関するヘルプデスクを引き続き設

置します。ヘルプデスクは、教育用ネットワークのソフトウェア保守事業者、ハードウェア

保守事業者、ICT支援員等の関係者と連携し、機器の不具合や操作方法の確認等への対処

を行います。

≪ヘルプデスクの運用イメージ≫

第4章

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30

基本方針4 「ICTを活用した校務の効率化」に向けての施策

施策⑭ 校務支援システムの活用促進【レベルアップ】

現在導入している校務支援システムにおいて、教員へのヒアリングやアンケート結果から

課題の洗い出しを行い、学校現場の実態に合わせた運用及び機能面の改善の検討を行うとと

もに、各校で校務支援システムの操作研修を行い、システムの活用を促進します。

また、幼稚園校務のシステム化について、小・中学校同様に効率化が期待できる業務があ

るか、児童情報を小学校に円滑に引き継ぐ観点から有用性があるか等、教員の意見を聴きな

がら必要性を検討します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

校務支援システムの

機能改善

各校での操作研修

※[ ]表示は検討結果により対応する事項

施策⑮ テレビ会議システム等の導入【新規】

教育委員会事務局と学校、又は学校間の会議等で活用できるテレビ会議システムを導入す

ることで、集合型の会議や打合せを効率的に実施し、教員の移動時間や負担を軽減すること

で、児童・生徒と向き合う時間を創出します。

具体的には、インターネットを使用したテレビ電話の利用や区長部局で導入しているテレ

ビ会議システムの学校への利用拡大等の検討を行うとともに、活用ルールや使用する会議の

種類等を整理します。

また、小規模の幼稚園や小・中学校では、教員が出張により不在となることの負担が大き

いことを踏まえ、研修や説明会の映像を動画配信する等の環境整備を検討します。

機能改善検討 [機能改善実施・運用] [運用]

実施

第4章

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31

施策⑯ ICTを活用したさらなる業務効率化等の検討【新規】

現在、民間事業者を中心に、行政機関においても、ICTを活用した「働き方改革」への

取組が進められており、特にAI(人工知能)、事務処理のロボット化(RPA※35)が、人が

行っていた仕事を自動化・効率化するツールとして急速に注目を浴び、様々な形で導入が進

められています。

また、子育てや介護等で時間的制約がある人がライフスタイルに応じた働きやすい環境を

自ら選択できるよう、セキュリティの担保されたICT機器により、職場のみではなく、自

宅等から業務を行える環境を整備する動きもあります。

今後、教育現場においても、ICTの活用により定型的で反復的な業務に要していた時間

を削減するなど、教職員のさらなる負担軽減と働きやすい職場づくりの推進に向け、区長部

局と連携し、様々な課題を整理しながら、最新技術等の活用を積極的に検討します。

【AIやRPAの活用可能性】

・ AIが教員の行う答案分析や理解度別復習教材の作成等を補助することで、教員が指導

を行う時間を確保する。

・ これまで教職員が行っていた定型的で反復的な作業をソフトウェアが代行するRPAを

導入することで、事務処理の効率化を図る。

≪RPAの活用イメージ≫

※35 RPA(Robotic Process Automation):ルールエンジン・機械学習・人工知能などの認知技術を活用したソフトウェアロボ

ットにより、ビジネスプロセスにおいてこれまで人間のみが対応可能とされていた作業、業務を自動化・効率化する取組の

こと。

第4章

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32

【成果指標】

指標 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

① ICT機器利用時の通信環境

の満足度 40% 70% 90%

② 情報セキュリティに関するe-

ラーニング※36研修の受講率 ― 100% 100%

※ ①は、全小・中学校教員に対するアンケート結果による。

※ ②は、全小・中学校教員を対象に行うe-ラーニング研修の受講結果による。

基本方針5 「ICT環境の整備の推進」に向けての施策

施策⑰ ネットワーク環境の強化【レベルアップ】

小・中学校では、タブレット端末 10 台程度の同時使用を前提に無線LANが整備されてい

ることから、授業の中で児童・生徒がタブレット端末を1人1台使うとデータ通信に支障が

出ている状況です。

そのため、1学級において1人1台のタブレット端末使用時に、データ容量の多い動画を

同時再生できる無線LAN環境を整備します。

また、タブレット端末等ICT機器の活用状況に合わせた、より有用なネットワーク環境

の構築について継続的に調査・研究します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

無線LAN環境の

強化

※36 e-ラーニング:パソコンや携帯端末、コンピュータネットワーク等を用いて学習、教育を行うこと。

目標3 日常的に活用できるICT環境の整備と教育情報セキュリティ

の確保

整備

小学校4校

中学校2校

整備

小学校 12 校

中学校1校

小中一貫教育校2校

整備

中学校5校

第4章

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33

基本方針6 「教育情報セキュリティ体制の強化」に向けての施策

施策⑱ 教育情報セキュリティ体制の強化【レベルアップ】

文部科学省が平成29(2017)年度に提示した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイド

ライン」及び港区学校情報安全対策基準に即した情報セキュリティ体制を確保するため、常に

情報セキュリティ体制を検証し、ハード面、ソフト面における必要な対策を行っていきます。

また、教育委員会に情報セキュリティに関するインシデント※37が発生した際に対応する組

織(CSIRT※38)を設置し、区長部局のCSIRTとの連携を図りながら、インシデント

発生時の窓口機能や情報の共有、分析、対処機能を強化します。

あわせて、教員向けにe-ラーニングを用いた研修を導入し、情報セキュリティに関する理解

を促進するとともに、教員向けに標的型メール※39訓練を実施し、教員の危機意識を啓発します。

取組内容 平成 30(2018)年度 平成 31(2019)年度 平成 32(2020)年度

e-ラーニング研修の

実施

メール訓練の実施

≪情報セキュリティ推進の組織体制例≫

※37 インシデント:出来事、事件。ITの分野においては、情報管理やシステム運用において脅威となる現象や事案を指すことが多い。

※38 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):企業や行政機関などの組織内に設置され、コンピュータシステ

ムやインターネットなどのネットワークに保安上の問題や事故(インシデント)が生じた際に対応する専門チーム。

※39 標的型メール:サイバー攻撃の一種で、攻撃や機密情報漏洩などを目的として、特定企業や個人を対象に送りつけられる電子

メールのこと。

導入内容検討 導入、実施 実施

実施

教育⻑、副教育⻑⼜は教育委員会に所属するCIO補佐官等(統括教育情報セキュリティ責任者)

情報システム担当課室⻑(責任者)

教育情報システム管理者 教育情報セキュリティ責任者

情報システムの管理体制が確⽴されている場合、学校に教育情報システム管理者を置くことも考えられる。

情報システム担当課室職員(教育情報システム担当者)

校⻑(教育情報セキュリティ管理者)

教職員(学校教育情報セキュリティ・システム担当)

教育委員会

学校

副市⻑等(CISO)

最高情報統括責任者(CIO)

※教育委員会が導⼊する教育情報システムのうち、学校に設置される端末等の物理的管理は、教育委員会の情報システム担当課室の指示に従い、学校の教育情報セキュリティ・システム担当の教職員が担うこととなる。

情報セキュリティ面・セキュリティポリシー遵守徹底・情報資産の管理ルールの策定・インシデント発生時の対応などの情報資産管理、⼈的セキュリティを主に対応

システム面・ログイン時のパスワード設定・端末の管理などの技術的・物理的セキュリティを主に担当

出典:文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成 29(2017)年 10 月)」

第4章

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第5章

港区学校情報化アクションプランの推進・整備に当たって

第5章

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第5章 港区学校情報化アクションプランの推進・整備に当たって

1 アクションプランの推進体制

港区教育情報化推進会議のもとに教育情報システム推進部会を設置し、部会での意見を踏ま

えながら具体的な整備等を進めていきます。なお、この部会には、必要に応じて学校現場等関

係者の参加を得て実効性を担保し、組織横断的に施策を推進します。

また、教育委員会事務局指導室(平成 30(2018)年度からは教育指導課)内にシステム構築、

機器の調達、教員への研修等を推進する体制を整備するとともに、学校データセンターを中心

とする教育ネットワークの運用管理業務について、専門知識を有する事業者にアウトソーシン

グすることで、支援体制を構築し、各施策を推進します。

2 推進・整備に当たっての留意事項

学校情報化の実施は、幼稚園、小・中学校における教育内容、校務の処理方法などに影響す

ることから、学校に勤務する教職員の理解がなければ、実現することはできません。そのため、

本アクションプランの推進に当たっては、学校管理職及び教員、学校事務職員など学校関係者

へ適宜必要な情報提供を行い、理解と協力が十分に得られるように進めていきます。

また、情報通信技術は急速に進歩していくため、社会の情報化や国がめざす教育情報化等の

最新の動向を的確にとらえて迅速に施策に反映していくとともに、幼稚園の教育活動における

ICTの有効活用等、新たな視点についても研究していきます。

学校情報化の機器整備に当たっては、メーカーの保守期間や機器の老朽化、財政負担などを

総合的に勘案し、計画的な機器の更新を行っていきます。

第5章

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3 アクションプランの進捗管理

本アクションプランでは、目標の達成をめざして各施策を着実に実施し、また、その内容等

を継続して評価・検証することで、事業の効果をより向上させていきます。

各施策の進捗管理は、各年度の実績を毎年確認し、その改善を図るため、計画【Plan】実行【Do】

点検・評価【Check】見直し・改善【Action】のサイクルで着実に行っていくこととし、各施策

の進捗状況や評価を毎年教育委員会に報告します。

第5章

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資料編

資料編

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【資料編】

資料1 港区学校情報化アクションプラン策定方針

港区学校情報化アクションプラン策定方針

1 教育における情報化の状況

(1)情報化の社会的状況

インターネット利用者はこれまで以上に増加しており、総務省「通信利用動向調査(平成 27 年度

末時点)」による年齢階層別の利用率を見ても、6~12 歳では 74.8%、13~19 歳では 98.2%となっ

ており、子どもたちが日常で当たり前のようにインターネットを利用する社会になっています。その一方

で、インターネットを使った犯罪やトラブル、いじめといった問題も後を絶たない状況です。

また、近年ではビッグデータやオープンデータの活用が進むとともに、 A Iエーアイ

(人工知能)や I o Tアイオーティー

どの新しい通信技術が用いられるようになり、我が国の経済成長を支える要素の1つになっていま

す。

(2)国の動向

文部科学省は、平成 23 年4月、「教育の情報化ビジョン」を取りまとめ、2020 年度に向けて実施

する主な施策の1つとして、「安全安心な環境のもと、子どもたち 1 人 1 台の情報端末による教育の

本格展開の検討」を掲げました。

また、平成 25 年6月に文部科学省から提示された「第2期教育振興基本計画」では、教育情報

化に向けた環境整備について、「①教育用コンピュータ1台当たりの児童・生徒数 3.6 人」「②1 学級

当たり1台の電子黒板・実物投影機の整備」「③超高速インターネット接続率及び無線 LAN 整備率

100%」「④教員1人1台の校務用コンピュータの整備」といった目標が定められています。

平成29 年3月に文部科学省から告示された新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」

の実現が重点項目とされ、新たに「プログラミング教育」の実施等が盛り込まれました。

2020 年度に新たに導入される大学試験においては、CBT方式の導入が検討されるなど、教育

における情報化のさらなる促進に向けた取組が進められています。

(3)東京都の動向

東京都教育委員会が平成 28 年4月に策定した「東京都教育ビジョン(第3次・一部改訂)」では、

学校の教育環境におけるICT機器整備のほか、SNSの適正利用に向けた取組の促進や、情報モラ

ルを高めるための教材作成・活用について明記されています。

また、情報教育推進校を指定し、情報モラル教育やプログラミング教育について、他校への普及・

啓発を行っています。

平成 29 年5月には「高度IT利活用社会における今後の学校教育の在り方に関する有識者会議」

を設置し、プログラミング教育をはじめとするIT人材の育成に向けた指導方法やカリキュラムの検討

を進めています。

資料編

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2 港区学校情報化アクションプランの目的及び位置付け

(1)アクションプランの目的

本アクションプランは、学校における主体的・対話的で深い学びの実現や、子どもたちの情報活用

能力の育成、校務の効率化による教員の子どもたちに向きあう時間の確保のため、学校のICT環境

を整備するとともに、安全に使用するための情報セキュリティを確保し、それらICTを効果的に活用

することで「学校教育の質の向上」を図ることを目的とします。

(2)アクションプランの位置付け

本アクションプランは、「港区基本計画(平成 27 年度~平成 32 年度)」や「港区教育ビジョン(平

成 27 年度~平成 36 年度)」などに示された区の将来像を実現するための教育における情報化分

野の行動計画とします。なお、「港区学校情報化アクションプラン(平成 26 年度~平成 29 年度)」

の施策を引き継ぐとともに、「港区情報化計画(平成 27 年度~平成 32 年度)」などの関連する諸計

画の内容等と整合性を図ります。

(3)対象とする組織・情報システム

本アクションプランの対象とする組織は、港区立幼稚園、小学校及び中学校並びに教育委員会

事務局(教育センター、つばさ教室を含む)とします。

また、本アクションプランで対象とする情報システムは、児童・生徒及び教員、事務職員等が使用

するICT端末及びそれらに関係する機器類(パソコン、プリンタ、サーバ、電子黒板、プロジェクタ、実

物投影機等)、これら機器が接続しているネットワーク及び利用しているソフトウェア環境とします。

3 港区学校情報化アクションプランの計画期間

港区基本計画等の関連する諸計画が6年間を計画期間とし、中間年となる3年目で見直しを行って

いることを考慮するとともに、情報通信技術の進歩が速いことや、国が目指す教育情報化の最新の動

向を的確にとらえて迅速に施策に反映できるよう、本アクションプランの計画期間は平成 30 年度

(2018 年度)から平成 32 年度(2020 年度)までの3年間とします。

4 これまでの取組と今後の課題

港区教育委員会では、これまで「港区学校情報化アクションプラン(平成 26 年度~平成 29 年度)」

に基づき、小中学校へのタブレット端末の配備や小学校全普通教室への電子黒板の配備、各学校間

のネットワークの構築や校務支援システムの整備等を計画的に実施してきました。また、教員向け研修

の実施やICT支援員の配置等の取組を進めてきましたが、ICT機器の活用は、学校や教員ごとに差が

ある状況です。

今後は、これまで導入したICT機器や環境を学校現場でどのように有効に活用していくかという視点

での取組が必要となってきており、新学習指導要領を踏まえた授業の充実に向け、教員のICT活用能

力のさらなる向上が課題となるとともに、校務支援システムの活用を促進するなど、ICTを有効活用し

た教員の負担軽減が重要となります。また、中学校普通教室への電子黒板の配備や人口増加を見据

えたICT機器の追加配備、配備されたICT機器を円滑に使用するための通信環境のさらなる整備等

が、引き続き学校情報化推進のための課題となっています。

資料編

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5 港区学校情報化アクションプラン策定の方向性

港区基本計画等の関連する諸計画と整合性を図るとともに、新学習指導要領を踏まえ、港区学校

教育推進計画に掲げる目指すべき子どもの姿「夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、行動し、未来を

創造する子ども」の実現に向け、以下の基本的な目標を定め、平成 30 年度からの新たな「港区学校

情報化アクションプラン」を策定します。

なお、本アクションプランには、達成状況を検証できるよう、成果指標を設けることとします。

○デジタル教科書等、デジタル教材を有効活用することで、学習に対する児童・生徒の興味・関心を

高め、主体的な学びを促すとともに、授業支援ソフトを活用し、他者と意見交換するペア学習やグル

ープ学習を促進することで対話的で深い学びを実現します。

○新学習指導要領において小学校で必修化されるプログラミング教育や、ICTを活用した個々の習熟

度に応じた学習の提供等、時代の変化に応じた新たな学びの姿に対し、効果的な導入を調査研究

します。

○ICTを活用した授業を効果的に実施するため、年少人口増加等の状況も踏まえ、タブレット端末や

電子黒板、実物投影機等ICT機器の計画的な配備、更新を行います。

○適応指導教室や特別支援学級のほか、通常の学級において特別な配慮が必要な児童に対するIC

Tの効果的な活用を推進し、個に応じた指導を充実します。

○子ども自身が情報を正しく安全に活用できるよう、情報モラル教育のさらなる充実に取り組みます。

○ICT機器活用の教員研修の充実に加え、ICT支援員による授業支援を継続するなど、教員のICT活

用能力の向上を図り、整備されたICT機器やシステムをより有効に活用することで、授業内容の充

実を図ります。

○効果的な運用方法の検討、実技研修の実施等により、校務支援システムの活用を促進し、校務作

業時間を削減するとともに、校務におけるICTのさらなる有効活用を検討し、教員の負担軽減と児

童・生徒と向き合う時間の創出を目指します。

○配備されたICT機器を効果的かつストレスなく使用できるよう、LAN環境等のインフラ基盤を整備す

るとともに、先進事例等も参考にしながら、セキュリティ確保とICT活用の利便性を両立できる、より

有効なネットワーク等の整備について検討します。

○平成29年度中に文部科学省から提示される予定の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラ

イン(仮称)」を踏まえ、港区学校情報安全対策基準等の必要な見直しを行い、教員や児童・生徒

が安全安心にICTを利用するためのセキュリティ体制を整備します。

(1)新しい時代に必要となる資質・能力を育む、ICTを活用した「主体的・対話的で深い学び」の実現

(2)教員のICTを活用した指導力の向上と、校務の効率化による児童・生徒と向き合う時間の創出

(3)日常的に活用できるICT環境の整備と教育情報セキュリティの確保

資料編

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6 港区学校情報化アクションプラン策定の検討体制等

(1)検討体制

教育長を委員長とし、区長部局を含めた関係職員で構成する港区教育情報化推進会議及びそ

の部会で区立小中学校長、幼稚園長を含めた港区学校情報化アクションプラン策定部会において

検討します。

(2)策定スケジュール

平成 29 年 7月 港区学校情報化アクションプラン策定方針決定

平成 29 年 7月~8月 学校教員ヒアリング・アンケート

平成 29 年 11 月 港区学校情報化アクションプラン(素案)決定

平成 29 年 11 月~12 月 区民意見募集

平成 30 年 2月 港区学校情報化アクションプラン決定

(3)アクションプランの周知方法

区ホームページにアクションプラン全文を掲載するとともに、広報みなと及び教育委員会広報紙に

策定の報告を掲載します。

資料編

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資料2 港区学校情報化推進会議

(1)港区学校情報化推進会議設置要綱

平成25年5月31日

25港教庶第567号

(設置)

第1条 区立幼稚園、区立小学校及び中学校の情報化及び教育に関する情報化についての検討を行う

ため、港区教育情報化推進会議(以下「会議」という。)を設置する。

(所掌事項)

第2条 会議は、次に掲げる事項を所掌する。

(1)教育委員会の情報化計画等の策定に関すること。

(2)適切かつ効果的な教育情報化の推進に関すること。

(3)情報機器の配備及び運用にかかる調査、調整等に関すること。

(4)国等の情報化関連施策の活用等に関すること。

(5)その他会議が必要と認める事項

(組織)

第3条 会議は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。

2 委員長は、教育長をもって充てる。

3 副委員長は、教育委員会事務局次長をもって充てる。

4 委員は、別表に掲げる者をもって充てる。

5 委員長は、必要と認めるときは、委員以外の者に委員会への出席を求め、意見を聴くことができる。

(会議)

第4条 委員長は、必要に応じて会議を招集し、これを主宰する。

2 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。

(部会)

第5条 委員長は、必要と認めるときは、部会を置くことができる。

2 部会長及び部会員は、委員長が指名する。

3 部会長は、必要に応じて部会を招集し、これを主宰する。

4 部会長は、必要と認めるときは部会員以外の者を部会に出席させ、意見を聴くことができる。

(庶務)

第6条 委員会の庶務は、教育委員会事務局庶務課が担当する。

(委任)

第7条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、委員長が定める。

付 則

この要綱は、平成25年6月1日から施行する。

付 則

この要綱は、平成26年4月1日から施行する。

付 則

この要綱は、平成28年4月1日から施行する。

付 則

この要綱は、平成29年4月1日から施行する。

資料編

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別表(第3条関係)

総務部情報政策課長

教育委員会事務局庶務課長

教育委員会事務局教育政策担当課長

教育委員会事務局学務課長

教育委員会事務局指導室長

(2)検討経過

開催日程 主な議事

平成 29(2017)年5月 31 日

第1回 ○学校情報化アクションプラン策定部会の設置について

平成 29(2017)年6月 15 日

第2回 ○学校情報化アクションプラン策定方針(案)について

平成 29(2017)年9月 27 日

第3回 ○学校情報化アクションプラン(素案)について

平成 30(2018)年1月 25 日

第4回

○パブリックコメント等の実施結果について

○学校情報化アクションプラン(案)について

(3)委員名簿

所属等 氏名

教育長 ◎ 青木 康平

教育委員会事務局次長 ○ 新宮 弘章

教育委員会事務局庶務課長 中島 博子

教育委員会事務局教育政策担当 藤原 仙昌

教育委員会事務局学務課長 山本 隆司

教育委員会事務局指導室長 松田 芳明

総務部情報政策課長 若杉 健次

◎委員長 ○副委員長

資料編

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資料3 港区学校情報化アクションプラン策定部会

※ 港区教育情報化推進会議設置要綱第5条の規定に基づく部会

(1)検討経過

開催日程 主な議事

平成 29(2017)年5月 31 日

第1回 ○学校情報化アクションプラン策定方針(案)について

平成 29(2017)年9月1日

第2回 ○学校情報化アクションプラン(素案)について

平成 29(2017)年9月 15 日

第3回 ○学校情報化アクションプラン(素案)について

平成 30(2018)年1月 17 日

第4回

○パブリックコメント等の実施結果について

○学校情報化アクションプラン(案)について

(2)委員名簿

所属等 氏名

教育委員会事務局次長 ◎ 新宮 弘章

教育委員会事務局庶務課長 中島 博子

教育委員会事務局教育政策担当 藤原 仙昌

教育委員会事務局指導室長 松田 芳明

総務部情報政策課長 若杉 健次

三光幼稚園長 大橋 美都子

青山小学校長 下城 英和

赤坂中学校長 髙松 政則

◎部会長

※ 必要に応じて、港区情報政策監がオブザーバーとして出席

(第2回、第3回の策定部会に出席)

資料編

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資料4 学校アンケート調査結果

※「ICT機器導入後の効果を評価するためのアンケート調査結果報告書(H29.3.9)」抜粋

(1)実施概要

実施期間 : 平成 29(2017)年1月~2月

対象校 : 区立小・中学校全校

対象者及び回答数 : ①小学校教員向け(回答数:342 件)

②中学校教員向け(回答数:126 件)

③管理職向け(回答数:41 件)

※ 内訳:小学校 26 件、中学校 15 件

調査方法 : エクセルを用いた質問票によるアンケート調査

(2)結果概要

【小学校】教科別の ICT 利用率(年度比較)

【アンケート設問】

Q(1) :週当たりの持ちコマ数(教科別)は何コマですか。

Q(2) :そのうち、ICT を利用した授業(教科別)は、平均して週に何コマ実施していますか。

※ ICT 利用率 = (Q (2) :各教科において ICT を利用したコマ数)/(Q (1) :持ちコマ数)

34.5%

61.6%

47.7%

60.6%

24.6% 24.2%

15.1%18.6%

5.6%

13.8%20.4%

34.1%

5.0%

31.2%

43.8%

67.4%

57.0% 51.7%

36.9% 28.5%

19.5%

42.6%

7.6%

25.1% 27.9%

58.9%

4.0%

39.5%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

国語

社会

算数

理科

生活

音楽

図画工作

家庭

体育

国際科

道徳

総合的な学習の時間

特別活動

全体

平成27年度 平成28年度

資料編

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48

【小学校】学年別のICT利用率(年度比較) ※再掲

【小学校】今後 ICT 機器の一層の利用のために有効と思うこと(ポイント値) ※再掲

36.3%

25.9%

23.1%

35.6% 34.6%

32.4%31.1%

44.9%

39.4%36.1%

36.4%42.1% 40.5%

37.0%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 全体

平成27年度 平成28年度

323

438

374353

94

411

4316

0

100

200

300

400

500

ICT機器操作方法に関

する研修・マニュアルの充実

・ICT機器を利用した授

業に関する情報交換・研修

・デジタル教材作成のため

の素材提供、教材の共有

・ICT支援員による教材

作成支援・授業充実のさらなる

充実

・ICT機器利用に関して

中心となる教員の養成

・ICT機器の性能向上

・その他

無回答

【アンケート設問】

属性 :担当学年

Q(1) :週当たりの持ちコマ数(教科別)は何コマですか。

Q(2) :そのうち、ICT を利用した授業(教科別)は、平均して週に何コマ実施していますか。

※ ICT 利用率 = (Q (2) :各教科において ICT を利用したコマ数)/(Q (1) :持ちコマ数の合計)

【アンケート設問】

Q :今後 ICT 機器の一層の利用をはかるためにはどのようなことが有効でしょうか。

(ポイント:1位→3pt、2位→2pt、3位→1pt として計算。)

縦軸(ポイント)

資料編

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49

【中学校】教科別のICT利用率(年度比較) ※再掲

【中学校】今後ICT機器の一層利用のために有効だと思うこと(ポイント値) ※再掲

8.6%

40.9%

7.9%

71.1%

27.8%

75.7%

18.2%

52.3%

26.5%

14.4%

24.1%

13.7%

38.0%

28.6%

9.0%

51.4%

17.2%

57.8%

23.6%

74.1%

14.5%

71.4%

31.5%

15.1%

43.3%

17.3% 23.1%

30.6%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

国語

社会

数学

理科

音楽

美術

保健体育

技術・家庭

外国語

道徳

総合的な

学習の時間

特別活動

その他

全体

平成27年度 平成28年度

103

136 135 131

25

185

41

0

50

100

150

200

ICT機器操作方

法に関する研修・マニュア

ルの充実

・ICT機器を利用

した授業に関する情報交

換・研修

・デジタル教材作成

のための素材提供、教材

の共有

・ICT支援員によ

る教材作成支援・授業充

実のさらなる充実

・ICT機器利用に

関して中心となる教員の

養成

ICT機器の性能

向上

・その他

【アンケート設問】

属性 :担当教科

Q(1) :週当たりの持ちコマ数は何コマですか。

Q(2) :そのうち、ICT を利用した授業の教科別平均内訳を御記入ください。

※ ICT 利用率 = (Q (2) :各教科において ICT を利用したコマ数)/(Q (1) :持ちコマ数)

【アンケート設問】

Q :今後 ICT 機器の一層の利用をはかるためにはどのようなことが有効でしょうか。

(ポイント:1位→3pt、2位→2pt、3位→1pt として計算。)

縦軸(ポイント)

資料編

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50

【管理職】校務支援システム導入後の校務の効率化

2.4%

3.8%

0.0%

48.8%

57.7%

33.3%

26.8%

26.9%

26.7%

7.3%

3.8%

13.3%

14.6%

7.7%

26.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

小学校

中学校

a.大きく向上した b.向上した c.変わらない d.低下した e.わからない

【アンケート設問】

Q:校務支援システム導入により、校務の事務効率は向上したと思いますか。

資料編

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51

資料5 小学校及び中学校ヒアリング結果

(1)実施概要

目的 :次期アクションプランの施策設計に向けて、実態の把握、課題の抽出を行う。

実施方法 :①各学年、教科担任の教員へのインタビューを中心とした座談会形式

②特別支援学級を受け持つ教員へのインタビューを中心とした座談会形式

ヒアリング内容 :・授業におけるICTの活用例、活用における課題

・校務支援システム導入における校務の負担の変化

・特別支援学級におけるICT活用の実態

実施期間 :平成 29(2017)年8月

対象校 :青山小学校、港南小学校、赤坂中学校、港南中学校

対象者 :校長、副校長、教員 29 名

(特別支援学級の教員4名を含む)

(2)結果概要

ア 授業におけるICT活用例 ※再掲

(国語)

・古典等の朗読見本として、デジタル教科書の音声を聞かせ、読むテンポや発音について確認させ

る。

・漢字の文字を拡大掲示し、筆順や、とめ・はらいのポイントを解説する。

(算数)

・図形の面積を学習する際、デジタル教科書で図形を分解して、組合せのシミュレーションを行う。

(理科)

・生物分野において、写真や動画を用いて、成長の過程を観察する。

(社会)

・課外学習でタブレット端末を用いて写真や動画を撮影し、持ち寄ったものを資料に整理して、グル

ープ発表を行う。

(英語)

・正確な発音や会話を音声で聞かせるとともに、タブレット端末を用いて児童・生徒同士で発音の様

子を撮影し、振り返りを行う。

(体育)

・特に動きをイメージしづらいハードル走や器械体操等の授業において、自分の動きを客観的に映像

で確認し、修正する。

イ 授業におけるICT活用の課題 ※再掲

・教師自身の活用スキルに自信がないため、ICT 支援員のサポートがないと授業で使用が難しい。

・タブレットの活用効果がわからないため、活用の方法がわからない。

・どの児童・生徒も操作支援を受けずにタブレットを使用できるとは限らないので、教師が望む使い方

ができない。

・授業で急に取り入れることで、生徒が学習内容ではなく操作に集中してしまうと考えており、タブレッ

トを授業で導入しにくい。

資料編

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52

・使用したい台数での同時接続が難しく、使用できる台数が限られる。

・特別教室に機器が配備されていないため、使用していないクラスから借りることになるが、借りたク

ラスの使用に間に合うようにすぐに返却しなければならない。

ウ 校務におけるICT活用の課題 ※再掲

・システムに慣れないため、最低限の機能しか使用できない。

・システムが職員室での利用に限られるため、様々な機能があっても活用できない。校内であればど

こでもシステムを使用できるようにしてほしい。

・システムの機能が小学校向けであり、進路関係の機能が不十分。

・欠席処理が当日にしか行えないため、終業式当日については出席したものとして事前に印刷してい

る。

・通知表を印刷する際に word 連携を行う必要があるが、打ち出しまでに時間がかかる。

・家でも仕事ができるようにしてほしい。

エ 特別支援学級におけるICT活用状況、課題等

・児童が漢字を書くときに、教員が実物投影機で拡大し書く手本を見せることで、話言葉からだけでは

なく、児童に視覚的に理解させるために活用している。

・児童の動きや表情を撮影し、児童に自分の表情や声の出し方を確認させながら、意識するポイント

の指導を行うために活用している。

・タイピング練習やインターネットを用いた調べ学習は、児童・生徒の将来的な自立支援につながると

考えている。

・個々の特性に応じた学習ソフトやアプリ等を使用できたらよいが、セキュリティ等の関係もあり規制が

厳しいため、なかなか自由に活用できない。

資料編

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53

資料6 適応指導教室ヒアリング結果

(1)実施概要

目的 :次期アクションプランの施策設計に向けて、適応指導教室におけるICT活用の実態の把

握、課題の抽出を行う。

実施方法 :指導員へのヒアリング

ヒアリング内容 :・現状のICTの活用状況

・今後のICT活用に向けた課題等

実施期間 :平成 29(2017)年8月

対象校 :つばさ教室

対象者 :指導員1名

(2)結果概要

ア 現状のICTの活用状況

・外部講師の来校時に、映像資料の使用のためにテレビを使用。

・保護者への説明時に、プロジェクター・スクリーンを使用。

イ 今後のICT活用に向けた課題等

・指導員のICT活用スキルの向上、機器の活用の仕方をサポートできればよい。

・普段から個別に学習を行うことから、個のペースに応じて学習を補完できたり、学習のサポートでき

たりするものがあるとよい。

・児童・生徒の交流の機会をつくるために、調べ学習や掲示物の作成に必要なツールを整備できる

とよい。

・通室している子どもの保護者から、つばさ教室の学習でもタブレットを使用したいという要望がある。

資料編

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54

資料7 用語解説

AI(Artificial Intelligence:人工知能)

様々なデータを基に、コンピュータが人間の代わりに過去の正解から次を予測し、結果を導き出す技

術。

CBT(Computer Based Testing)方式

コンピュータを利用して実施する試験方式で、受験者はコンピュータに表示された試験問題に対し、

マウスやキーボードを用いて解答する。

CMS(Contents Management System)

Web コンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイト

を構築したり編集したりするソフトウェアのこと。

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)

企業や行政機関などの組織内に設置され、コンピュータシステムやインターネットなどのネットワー

クに保安上の問題や事故(インシデント)が生じた際に対応する専門チーム。

e-ラーニング

パソコンや携帯端末、コンピュータネットワーク等を用いて学習、教育を行うこと。

ICT(Information and Communication Technology)

情報通信技術。コンピュータやネットワークに関連する技術・産業・設備・サービス等の総称。従来

用いられてきた「IT」(Information Technology:情報技術)とほぼ同義語で、国際的には「ICT」

が一般的に用いられる。ICT機器はタブレット端末、電子黒板、無線 LAN 等の総称。

ICT支援員

教員がICTを利用した授業や校務を行う際にサポートしてくれる支援要員。

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)

機械や家電等、様々な機器をインターネットを通じてつなぐことで、ビッグデータの収集や機器の制

御等を実現する技術。

RPA(Robotic Process Automation)

ルールエンジン・機械学習・人工知能などの認知技術を活用したソフトウェアロボットにより、ビジ

ネスプロセスにおいてこれまで人間のみが対応可能とされていた作業、業務を自動化・効率化する取

組のこと。

SNS(Social Networking Service)

インターネット上で友人を紹介しあって、個人間の交流を支援するサービス。

VPN(Virtual Private Network)回線

公衆回線の上に暗号化された伝送路を作成し、あたかも専用回線のように利用できるサービス。専用

線よりも低コストで実現でき、拠点間の接続に利用されることが多い。

Web フィルタリング

インターネット上で閲覧にふさわしくない(有害情報やウイルス等)と判断された Web サイトにつ

いて、アクセスを遮断するソフトウェアやサービス。また、その機能を提供するサーバのことを Web

フィルタリングサーバと呼ぶ。

アウトソーシング

業務や機能の一部又は全部を、専門会社など外部に委託すること。

資料編

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55

インシデント

出来事、事件。ITの分野においては、情報管理やシステム運用において脅威となる現象や事案を指

すことが多い。

オープンデータ

公共データを、機械判読に適したデータ形式で、かつ二次利用が可能な利用ルールで公開されたデー

タ。

教育ネットワーク

区内の幼稚園・小中学校・教育用施設・学校データセンターを対象とした教育用途のネットワーク全

体の総称。

教務用ファイルサーバ

ネットワーク上で、校務処理に関するファイル共有を行うためのサーバ。個人情報を取り扱うため、

インターネット接続不可。

グループウェア

ネットワーク環境を利用し、情報共有やコミュニケーションをはかるためのソフトウェア。電子メー

ル、電子掲示板、スケジューラ、文書共有、ワークフロー等の機能を持つ。

校務支援システム

学籍・出欠・成績・保健など児童・生徒情報の共有による教育指導の質的向上と、校務の効率化を目

的としたシステム。

システムアセスメント

システムの導入等に当たり、事前に評価や査定を行う制度。

実物投影機

写真・絵・グラフ・表などのような紙媒体を中心に、実物を拡大投影する機器。

授業支援ソフト

教員用パソコンから児童生徒パソコンの画面を一度に確認したり、逆に教員用パソコンの画面を児童

生徒用パソコンに一斉配信できるソフトウェア。画面配信の他にも一斉操作や教材作成等の機能を持

つソフトもある。

情報モラル

情報社会における正しい判断や、望ましい態度。また、情報社会で安全に生活するための危機回避の

方法や技術。

センターサーバ

データセンター等に設置し、各拠点から共通利用できるサーバ。運用や維持管理を一元化できる。

タブレット端末

無線 LAN(Wi-Fi)あるいは携帯電話回線によって、通信やインターネットの利用ができる軽量パソ

コンの一種。液晶の画面に指先をあてながら操作する「タッチパネル」が採用され、バッテリーが内

蔵で持ち運びに向いている。

庁内ネットワーク

グループウェアや財務会計システム等、区が整備したシステムを利用するためのネットワーク。

データセンター

データやサーバを預かり管理・運用などを行う拠点。

資料編

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56

適応指導教室

不登校の児童・生徒に対し、学校復帰のための指導・援助を行うため、教育委員会が学校以外の場所

に設置する施設。

デジタル教科書

電子書籍として配信・提供され、音声や映像等マルチメディアコンテンツとの連携が可能な教科書。

電子黒板

パソコンの画面を映せる大型ディスプレー。画面に直接触れて、字や絵を描き加えることもできる。

映写機から投影するタイプもある。

特別支援学級

障害があることにより、通常の学級における指導だけでは、その能力を十分に伸ばすことが困難な児

童・生徒に対して、きめ細かな指導を行うため、特別に設置している少人数の学級。

ハイブリッド型パソコン

液晶の着脱やスライド、回転等が行え、ノートパソコンとしてもタブレットとしても利用できるパソ

コン。

ビッグデータ

情報通信技術の進展により生成・収集・集積等が可能・容易となる多種多量のデータ。

標的型メール

サイバー攻撃の一種で、攻撃や機密情報漏洩などを目的として、特定企業や個人を対象に送りつけら

れる電子メールのこと。

プロキシ

組織の内部ネットワークとインターネットとの境で、代理で通信を行うコンピュータやサーバ。セキ

ュリティの向上や通信応答速度の向上のために使用される。

プログラミング教育

コンピュータに動きを指示するために使われるプログラムを学ぶ教育。技術を学ぶだけでなく、自分

が求めることを実現するために必要な動作や記号を考え、組み合わせながら改善していく、論理的な

「プログラミング的思考」を育むのが狙いとされている。

ヘルプデスク

質問、相談や障害対応等、利用者からの様々な問い合わせを受け付ける窓口。

無線LAN

ケーブル線の代わりに無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステム。LAN(Local Area

Network)とは、企業内、ビル内、事業所内等の狭い空間においてコンピュータやプリンタ等の機器

を接続するネットワークのこと。

資料編

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港区学校情報化アクションプラン

平成30年(2018 年)3月

発行:港区教育委員会

編集:港区教育委員会事務局 庶務課

港区芝公園一丁目5番25号

電話 03-3578-2111(代表)

区の木 区の花

ハナミズキ

■ミズキ科

北米原産 外来種

落葉広葉樹

アジサイ

■ユキノシタ科

日本(関東南部)原産

落葉広葉樹 1.5~2.0m

バラ

■バラ科

日本、中国、欧州原産

常緑落葉低木つる

港区のマークは、昭和 24 年7月 30 日に制定されました。

旧芝・麻布・赤坂の三区を一丸とし、その象徴として港区の頭文字である「み」を力強く、

図案化したものです。

刊行物発行番号 29351-7511

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