令和２年４月９日 統 合 幕 僚 監 部

令和元年度の緊急発進実施状況について

１ 全般 令和元年度の緊急発進回数は９４７回であり、前年度と比べ５２回減少し、１９５８年に対領空侵犯措置を開始して以来、過去３番目の多さとなりました。 推定を含め、緊急発進回数の対象国・地域別の割合は、中国機約７１％、ロシア機約２８％、その他約１％未満でした。

２ 方面隊別の状況 令和元年度の方面隊別の状況については、北部航空方面隊が１９８回、中部航

空方面隊が３５回、西部航空方面隊が１３３回、南西航空方面隊が５８１回の緊急発進を実施しました。

前年度と比べて、西部航空方面隊については緊急発進回数が増加し、北部航空方面隊、中部航空方面隊及び南西航空方面隊については減少しました。

３ 令和元年度の特徴 中国機に対する緊急発進回数は６７５回であり、前年度と比べて３７回増加し

ました。令和元年度としては、Ｈ－６爆撃機等による沖縄本島・宮古島間の通過飛行、新たなＹ－９早期警戒機（※）の初目視確認等を特異な飛行として公表しました。 ロシア機に対する緊急発進回数は２６８回であり、前年度と比べて７５回減少し

ました。令和元年度としては、Ｔｕ－９５爆撃機及びＡ－５０早期警戒管制機による領空侵犯事案のほか、Ｓｕ－３４戦闘爆撃機の初目視確認等を特異な飛行として公表しました。 令和元年度として、東シナ海及び日本海における中国Ｈ－６爆撃機及びロシアＴ

ｕ－９５爆撃機の共同飛行等を含め、計１９回公表しました。 推定を含め、中国機の中では戦闘機、ロシア機の中では情報収集機に対して多

く緊急発進を実施しました。 対象期間は、平成３１年４月１日～令和２年３月３１日です。

（※）公表当初、Y-8早期警戒機としていたものを訂正。

添付資料：１ 年度緊急発進回数の推移

２ 航空方面隊別緊急発進回数の推移（過去５年間） ３ 国・地域別緊急発進回数（過去５年間）

４ 四半期毎の緊急発進回数の推移（令和元年度） ５ 緊急発進の対象となったロシア機及び中国機の飛行パターン例 ６ 領空侵犯の公表事例

７ 令和元年度における領空侵犯公表事例一覧

８ 令和元年度における特異飛行公表事例一覧

統合幕僚監部 報道発表資料

JOINT STAFF PRESS RELEASEhttps://www.mod.go.jp/js/

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500

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900

1000

1100

1200

回数

年度

年度緊急発進回数の推移

１

33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 R1S

令和2年3月31日現在

北空 中空 西空 南西空 合計

平成27年度 205 50 87 531 873平成28年度 265 34 66 803 1168平成29年度 330 56 41 477 904平成30年度 277 52 74 596 999令和元年度 198 35 133 581 947

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

航空方面隊別緊急発進回数の推移（過去5年間）回数

２

令和2年3月31日現在

国・地域別緊急発進回数（過去5年間）

国･地域

年度

ロシア 中国 台湾 北朝鮮 その他 合計

平成２７年度 288 571 2 0 12 873

平成２８年度 301 851 8 0 8 1168

平成２９年度 390 500 3 0 11 904

平成３０年度 343 638 0 0 18 999

令和元年度 268 675 0 0 4 947

※ 国・地域は、推定を含む。

３

令和2年3月31日現在

北空 中空 西空 南西空 合計

１／四半期 41 10 33 162 246２／四半期 52 9 29 134 224３／四半期 63 7 37 165 272４／四半期 42 9 34 120 205

合計 198 35 133 581 947

四半期毎の緊急発進回数の推移（令和元年度）

ロシア 中国 台湾 北朝鮮 その他 合計

１／四半期 65 179 0 0 2 246２／四半期 70 153 0 0 1 224３／四半期 81 191 0 0 0 272４／四半期 52 152 0 0 1 205

合計 268 675 0 0 4 947

１ 航空方面隊別

２ 国・地域別

４

令和2年3月31日現在

緊急発進の対象となったロシア機及び中国機の飛行パターン例

：ロシア機の経路：中国機の経路

５

NO 年月日 領 侵 地 点 国・地域 機種×機数

1 42. 8.19 北海道礼文島上空 ソ連 不明×１

２ 49. 2. 7 北海道礼文島上空 ソ連 不明×１

３ 50. 9.24 伊豆諸島の式根島及び神津島間の領海上空 ソ連 TU-95×２

４ 51. 9. 6北海道茂津田岬の沖合上空～函館空港までの間（MIG-25事件）

ソ連 MIG-25×１

５ 52. 9. 7 五島列島西方の白瀬島北西領海上空 ソ連 TU-95×２

６ 53. 3.17 対馬東方領海上空 ソ連 TU-95×１

７ 53.12. 5 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 不明×１

８ 54.11.15 尖閣諸島大正島南方領海上空 ソ連 TU-95×２

９ 55. 6.29 能登半島北方舳倉島北東領海上空 ソ連 IL-38×２

10 55. 8.18 五島列島南東領海上空 ソ連 IL-62×１

11 56. 6. 6 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 IL-14×１

12 56. 7.24 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 不明×１

13 57. 4. 3 長崎県男女群島鳥島西方領海上空 ソ連 IL-62×１

14 58.10.15 北海道知床岬北東領海上空 ソ連 不明×２

15 58.11.15 福岡県沖ノ島北西領海上空 ソ連 TU-16/95×各１

16 59.11.12 福岡県沖ノ島北西領海上空 ソ連 TU-16×１

17 59.11.23 福岡県沖ノ島北西領海上空 ソ連 TU-95/142×各１

18 61. 2. 6 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 不明×１

19 62. 8.27 北海道礼文島西方領海上空 ソ連 不明×１

20 62.12. 9 沖縄本島上空及び徳之島･沖永良部島間の領海上空 ソ連 TU-16×１

21 1. 4.21 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 不明×１

22 3. 7. 6 北海道根室半島南方領海上空 ソ連 AN-30×１

23 3. 8.15 北海道礼文島北方領海上空 ソ連 TU-95×２

24 4. 4.10 北海道礼文島上空及び稚内北西領海上空 ﾛｼｱ AN-12×１

25 4. 5. 7 北海道枝幸沖領海上空 ﾛｼｱ 不明×１

26 4. 7.28 長崎県対馬東方領海上空 ﾛｼｱ TU-154×１

27 5. 8.31 青森県久六島西方領海上空 ﾛｼｱ IL-20×１

28 6. 3.25 尖閣諸島魚釣島領海上空及び久場島領海上空 台湾 B-350×１

29 7. 3.23 北海道礼文島領海上空 ﾛｼｱ MIG-31×１

30 13.2.14 北海道礼文島領海上空 ﾛｼｱ TU-22×2、不明×2

3113. 4.11

北海道礼文島北方領海上空 ﾛｼｱ 不明×１

32 青森県久六島西方領海上空 ﾛｼｱ SU-24×１

8

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41

19

NO 年月日 領 侵 地 点 国・地域 機種×機数

33 18. 1.25 北海道礼文島北方領海上空 ﾛｼｱ AN-72×１

34 20. 2. 9 伊豆諸島南部の嬬婦岩領海上空 ﾛｼｱ TU-95×１

35 24.12.13 尖閣諸島魚釣島南部の領海上空 中国 Y-12×１

36 25. 2. 7 北海道利尻島南西領海上空 ﾛｼｱ SU-27×２

37 25. 8.22 福岡県沖ノ島北西領海上空 ﾛｼｱ TU-95×２

38 27. 9.15 北海道根室半島沖領海上空 推定ﾛｼｱ 不明×1

39 29. 5.18 尖閣諸島魚釣島西部の領海上空 中国小型無人機

×1

40R1. 6.20

沖縄県南大東島北西部領海上空 ﾛｼｱ Tu-95×2

41 伊豆諸島の八丈島北西部領海上空 ﾛｼｱ Tu-95×1

42 R1. 7.23 島根県竹島の領海上空 ﾛｼｱ A-50×1

16

42

【内訳】ロシア（ソ連含む）：３９件中国 ： ２件台湾 ： １件

領空侵犯の公表事例（計４２件）

令和元年度の公表事例：３件

６

令和元年度における領空侵犯公表事例一覧（1四半期）

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

１ 令和元年6月20日（木）

ロシア Tu-95 2機 南大東島領空内を飛行

ロシア Tu-95 1機 八丈島領空内を飛行

７

令和元年度における領空侵犯公表事例一覧（2四半期）

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

2 令和元年7月23日（火） ロシア A-50 1機 竹島領空内を飛行

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

1 平成31年4月1日（月）

中国 Y-9 1機東シナ海から太平洋を往復飛行

中国 H-6 2機

2 平成31年4月5日（金） ロシア IL-38 1機 日本海を長距離飛行

3 平成31年4月15日（月）

中国 H-6 4機太平洋から東シナ海を長距離飛行

中国 Y-8 １機

4 令和元年5月3日（金） ロシア Tu-142 2機日本海から対馬海峡を通過し東シナ海を往復飛行

5 令和元年5月29日（水）

中国 Y-8 1機東シナ海から対馬海峡付近まで飛行

中国 Y-9 1機東シナ海から太平洋を往復飛行

6 令和元年6月16日（日） 中国 Y-9 1機東シナ海から太平洋を往復飛行

８

令和元年度における特異飛行公表事例一覧（1四半期）

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

7 令和元年7月23日（火）

中国 H-6 2機日本海から対馬海峡を通過し東シナ海を共同飛行

ロシア Tu-95 2機

8 令和元年8月8日（木） ロシア Tu-142 2機日本海から対馬海峡を通過し東シナ海を往復飛行

９

令和元年度における特異飛行公表事例一覧（2四半期）

１０

令和元年度における特異飛行公表事例一覧（3四半期）

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

9 令和元年10月22日（火） ロシア Tu-95 2機日本海から対馬海峡を通過し東シナ海を往復飛行

10 令和元年10月29日（火） 中国 Y-9 1機東シナ海から対馬海峡を通過し日本海を往復飛行

11 令和元年11月27日（水） ロシア Tu-95 2機日本海から対馬海峡を通過し東シナ海を往復飛行

12 令和元年11月29日（金） 中国 Y-9 1機東シナ海から対馬海峡を通過し日本海を往復飛行

13 令和元年12月27日（金） 中国 Y-9 1機東シナ海から対馬海峡を通過し日本海を往復飛行

１１」

令和元年度における特異飛行公表事例一覧（4四半期）

公表回数 月 日 対象機の国籍等 行動概要 写真

14 令和2年1月20日（月） 中国 Tu-154 1機 東シナ海を飛行

15 令和2年2月9日（日） 中国 H-6 4機太平洋から東シナ海を長距離飛行

16 令和2年2月27日（木） ロシア Su-34 2機オホーツク海を飛行対領空侵犯措置で初確認

17 令和2年3月23日（月） 中国 Y-9 1機東シナ海を飛行新しいY-9早期警戒機（※）

を対領空侵犯措置で初確認

18 令和2年3月24日（火）

ロシア Tu-95 2機日本海から太平洋を長距離飛行

ロシア Su-35 2機 日本海を飛行

推定ロシア機 日本海を飛行

19 令和2年3月25日（水） 中国 Y-9 1機東シナ海から対馬海峡を通過し日本海を往復飛行

（※）公表当初、Y-8早期警戒機としていたものを訂正。