Public Private Partnership PPPPPP(公民連携/Public Private...

PPP 研究センター・PPP スクール年表 2006 年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 〒 100-0004 東京都千代田区大手町 2-2-1 新大手町ビル1階 東洋大学大手町サテライト TEL 03-3231-1021 03-3945-7250(大学院教務課) FAX 03-3231-1610 ホームページ http://www.pppschool.jp お問い合わせ [email protected] 東洋大学 PPP 研究センター/東洋大学大学院公民連携専攻 2012 年 創立 125 周年 大学院経済学研究科に公民連携専攻を開設 文部科学省大学院教育改革支援プログラム(GP)採択 文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業選定 PPP 研究センター開設 アメリカ PPP 視察 GP「公民連携人材開発プログラム」報告会 アメリカ PPP 視察 ヨーロッパ PPP 視察 国連 PPP イニシアティブ認証 フィリピン PPP 調査 アジア PPP 研究所開設 東洋大学 総長 東洋大学の創始者である明治期の哲学者井上円了が、教育統制を進める官 に対抗し、独立自活の精神に基づいて自らの思想を直接人々に伝える講演の 旅をしていた大正5年(1916年)に記した書です。官の限界と民の重要性が つづられていると思います。 2006年、東洋大学は、世界に先駆けて、官だけでなく、民、市民との責 任あるパートナーシップによって経済と社会を発展させようとする PPP を専 門とする大学院公民連携専攻を開設しました。ここで学んだ自治体、民間の 多くの修了生は、今全国各地に散って PPP の最先端の仕事をしています。学 祖井上円了の思いが100年の時を経て大きく花開いたものと自負しています。 「官々となる金石の聲よりも民々と呼ふ蝉そこひしき」 塩川 正十郎 P P P P P P P 東洋大学大学院 経済学研究科 公民連携専攻 東洋大学PPP研究センター Public Private Partnership 文 部 科 学 省 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プ ログラム( G P )選 定 文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業選定 国際連合PPPイニシアティブ公認 アジアPPP研究所当初設立者

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PPP研究センター・PPPスクール年表2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

2010年度

2011年度

〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル1階東洋大学大手町サテライトTEL 03-3231-1021 03-3945-7250(大学院教務課)FAX 03-3231-1610 ホームページ http://www.pppschool.jpお問い合わせ [email protected]

東洋大学PPP研究センター/東洋大学大学院公民連携専攻

2012年 創立125周年

大学院経済学研究科に公民連携専攻を開設

文部科学省大学院教育改革支援プログラム(GP)採択

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業選定

PPP研究センター開設

アメリカPPP視察

GP「公民連携人材開発プログラム」報告会

アメリカPPP視察

ヨーロッパPPP視察

国連PPPイニシアティブ認証

フィリピンPPP調査

アジアPPP研究所開設

東洋大学 総長

 東洋大学の創始者である明治期の哲学者井上円了が、教育統制を進める官

に対抗し、独立自活の精神に基づいて自らの思想を直接人々に伝える講演の

旅をしていた大正5年(1916年)に記した書です。官の限界と民の重要性が

つづられていると思います。

 2006年、東洋大学は、世界に先駆けて、官だけでなく、民、市民との責

任あるパートナーシップによって経済と社会を発展させようとするPPPを専

門とする大学院公民連携専攻を開設しました。ここで学んだ自治体、民間の

多くの修了生は、今全国各地に散ってPPPの最先端の仕事をしています。学

祖井上円了の思いが100年の時を経て大きく花開いたものと自負しています。

「官々となる金石の聲よりも民々と呼ふ蝉そこひしき」

塩川 正十郎

PPPPPPP東洋大学大学院 経済学研究科 公民連携専攻東洋大学PPP研究センター

PublicPrivatePartnership

文部科学省大学院教育改革支援プログラム(GP)選定文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業選定

国際連合PPPイニシアティブ公認アジアPPP研究所当初設立者

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【PPPのトライアングル】

公式

政府

地域 市場

非政府

非営利営利

政府

非公式

新しい公共

狭義のPPP

何らかの政策目的を持つ事業について、社会的

な費用対効果の計測、および、官、民、市民(個人

や地域社会)による役割分担を検討すること。

広 義公共サービスの提供や、地域経済の再生など何らかの政策目的を持つ事業を実施するにあたって、官(地方自治体、国、公

的機関等)と民(民間企業、NPO、市民団体など)が目的決定、施設建設、所有、事業運営、資金調達など何らかの役割を

分担しあって行うこと。その際、①リスクとリターンの設計、②契約によるガバナンスの2つの原則が用いられていること。

狭 義

専攻主任メッセージ

 いま、日本の財政は先進国では群を抜いて悪い状態にあります。公共施設や公共サービスを次々に拡大させるとともに、それを、政府(国や自治体)だけに頼ってきた付けが回ってきています。 このままでは、子供や孫の世代には国や自治体が破たんしているかもしれません。 しかし、一方では、医療、介護、福祉、教育などさまざま公共ニーズが高まる一方です。道路や上下水道などのインフラの必要性もいささかも減っていません。 「豊かな公共」と「小さな政府」、一見矛盾する二つの要請を同時に実現する唯一の方法がPPP(Public/Private Partnership)です。PPPは、1990年代以降、欧米オセアニアの先進国を中心に、政府(行政)と民間企業、NPOが互いの特徴を認識し、責任を持って役割を分担する仕組みとして本格的に整備されてきました。 東洋大学は、2006年に大学院経済学研究科に世界に先駆けてPPPを専門とする公民連携専攻を立ち上げました。その後、経済学を用いたPPP理論の体系化とともに、国内外の自治体と連携した実践的なプログラムを展開していることが評価され、2011年度には国連PPPイニシアティブの認定教育研究機関になりました。

 いま、本格的にPPPを学べるのは東洋大学だけです。 世界最先端のPPPをマスターして、自分の所属する自治体、企業、NPO、地域そして自分自身の付加価値と競争力を高めませんか。

「豊かな公共 小さな政府    間をつなぐPPP」

東洋大学大学院 経済学研究科 公民連携専攻 主任/PPP研究センター長根本 祐二

PPPとは PPP(公民連携/Public Private Partnership)は、何らかの政策

のために行われる事業を、官、民、市民 が役割分担をして実施

する手法を幅広く示す包括的な概念です。PFIや指定管理者制

度などは特定の法律で定義しているものの、「PPP」にはこのよ

うな定義はありません。そこで、東洋大学PPP研究センターは、

世界の機関を参考に、以下のように2段階に分けて定義してい

ます。

2007年 『日米PPPフォーラム』

2008年 『インフラと自治体財政改革~民の提案で地域を変える一』

2009年 『2010年代のPPP~市民・市場・政府の役割の再起動~』

2010年 『アジアのインフラ整備とPPP』

2011年7月 『危機管理とPPP』

2011年11月 特別国際フォーラム『東洋の英知―インフラ・ものづくりPPPの展開』アジアPPP研究所設立記念

ネットワーク拡大プロジェクト

東洋大学PPPの活動について

国際PPPフォーラム 日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジアにおける先進

的な取り組み事例・情報を、広く社会に発信するために「国際PPP

フォーラム」を毎年開催しています。2011年7月には、東日本大震

災を受けて、日本の危機管理体制への提言や、PPPによる被災地

復興のあり方をテーマとした『危機管理とPPP』を開催。さらに、11

月にはアジアPPP研究所の設立を記念してフォーラムを開催しま

した。

 公民連携を取り巻く最新の話題や事例、キーワード集を掲載

する『公民連携白書』(発行元:時事通信社)を毎年発行していま

す。「PPPの教科書」として、官公庁(国の機関、地方公共団体)、

企業(建設業、サービス業など)、コンサルティング会社、金融

機関だけでなく一般の市民の方々にもご利用いただいています。

公民連携白書

2008~2009 「地域を経営する時代」 2009~2010 「政権交代とPPP」 2010~2011 「新しい公共とPPP」

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東日本大震災への取組み 公民連携専攻の各ゼミと東洋大学PPP研究センターでは、東日本大震災の発生直後から、PPPの視点から被災地の支援や復旧・復興のためにできることを研究してきました。すべての情報は公民連携専攻のウェブサイト(http://www.pppschool.jp/)に公開されています。

○震災関連リンク集

 震災後、被災者や被災地を支援したい人

にとって役立つ情報を集めたリンク集を作

成。しかし、発災後にリンクを集めるので

は、発災直後には役に立たないという反省

から、新たに「明日起きる災害に備えるサ

イト」を作成しました。

「社会資本更新投資計算ソフト/埼玉県宮代町」

 2010年、社会資本の老朽化により

発生する将来の更新投資額を計算

できるソフトを開発し無償で公開し

ました。このソフトを活用し、埼玉

県宮代町と共同して、公共施設だけ

でなく、道路や橋梁などのインフラ

も含めた町有施設の老朽化状況の把

握、将来の更新投資の予測を行いま

した。人口動態や周辺環境の調査を

始めとした社会分析も地区毎に行

「記録系プロジェクト」○1000日記録

 復旧・復興の軌跡を1000日間にわたり記

録し続けます。阪神淡路大震災とも比較し、

今後の災害対応を考える上で参考となると

期待しています。

○震度6以下の重大事象

 今回の震災では、震度6以下で津波の被

害を受けなかったにもかかわらず、公共施

設やインフラに大きな被害が生じた例が続

出しました。これらの事例収集により、施

設の老朽化や耐震補強の未実施などの問題

があらためて明らかになりました。

「提言系プロジェクト」 いくつかのゼミやPPP研究センターでは、被災地の視察、議論を

行った上でPPPを活用した震災復興・災害対応を提言する研究を進

めています。

○震災復興へのPPPの活用を進めるためのPPPリエゾン機能の設置

○被災自治体を支援する自治体間連携の推進

○復興まちづくりのためのディスカッション用テンプレートの開発

○日本版危機管理庁(JEMA)の設立―

 また、震災復興やまちづくりに関して、だれでも気軽に相談でき

るオンライン相談室を設置しています。

い、町の魅力やポテンシャルを把握。

同町の将来像を描いた上で、投資負

担額と対策のパターンを町に提示し

ました。現在も、この研究に携わっ

た修了生が同町の委員会に委員とし

て参加しています。

 なお、2011年8月には震災で被害

を受けた施設の復旧価格を簡単に計

算できる機能を追加した震災対応版

を公表しました。

東洋大学PPPについて

岩手県紫波町(2007~)

JR紫波中央駅前開発構想 

神奈川県横浜市(2007~)

新市庁舎整備構想評価

神奈川県横浜市(2007~)

横浜駅周辺大改造計画評価

東京都多摩市(2008)

学校廃校舎利用公募要項評価

千葉県木更津市(2008)

PPP基本方針レビュー

福井県あわら市(2008)

温泉街再生可能性評価

地域再生支援プログラム

紫波中央駅前公有地活用(岩手県紫波町) 「地域再生支援プログラム」第1号として、2007年4月に岩手県紫波町と協定

を締結し、同年8月に「紫波町PPP可能性調査報告書」を提出しました。

 課題は、取得後10年間、低未利用地となっているJR東北本線紫波中央駅前

の公共公益施設用地(10.7ha)の整備。東洋大学からの報告を受け、町は2009

年2月に「紫波町公民連携基本計画」を策定し、同年6月に紫波中央駅前都市整

備事業(通称、オガールプロジェクト)を推進するための第3セクター「オガー

ル紫波株式会社」を設立しました。

 地域再生支援プログラムでは、特定の地方自治体と連携して、具体的なPPPプロジェクトの基本構想策定などを行っています。これまで行ってきた全地域と調査テーマ、代表例の岩手県紫波町のプログラムを紹介します。

国内活動

全地域と調査テーマ一覧兵庫県加西市(2008~)

PPP導入可能性調査(包括民間委託)

富山県富山市(2008)

小学校廃校舎の有効活用調査

福島県喜多方市(2008)

市立図書館等指定管理者導入可能性調査第三者評価

東京都新宿区(2007~)

歌舞伎町再生支援

埼玉県宮代町(2009~)

町立図書館指定管理者導入可能性調査第三者評価

福岡県北九州市(2009~)

PPP導入可能性調査

神奈川県三浦市(2009~)

二町谷漁業団地の活用とPPP導入可能性調査

千葉県習志野市(2008~)

公共施設マネジメント白書ワークショップ

三重県津市(2009~)

白山・美杉地域経営推進事業支援

埼玉県宮代町(2010)

公共施設・インフラの更新のあり方の研究

群馬県板倉町(2011~)

東洋大学板倉キャンパスを核とした街づくり研究

 2011年4月30日、オガールプロジェクト第一号として、(財)日本サッカー協会公認岩手県フットボールセンターのオープンを記念して、元日本代表北沢豪さんを特別ゲストに迎え「がんばろういわて! キックオフプロジェクト」が開催されました。イベントには、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県沿岸部から、サッカー少年・少女約150人が招待されました。 このフットボールセンターでは、オガール紫波が、日本初の提案者インセンティブ方式による民間事業者からのアイデア募集・事業者選定を行いました。

「岩手県フットボールセンターがオープン」

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国連PPP推進局

認定、研究成果の共有、ネットワーク構築

地域開発、行財政改革、危機管理、シティマネジメント、ケーススタディ等

教育交流、共同研究、事例研究、制度手法研究、プロジェクト実施

東洋大学PPP研究センター

欧米PPP専門機関、大学等

アジア政府機関、PPP専門機関、大学等

アジアPPP研究所

国連PPP教育研究機関として認証

 2011年7月に、国連のPPP推進局から、PPPを専

門に教育・研究機関として認証を受けました。また、

2011年11月には、アジアにおけるインフラ開発やも

のづくり産業の振興にPPPを活用するための研究や

制度の標準化、教育を実施するためのアジアPPP研

究所(Asia PPP Institute、APPPI)を設立しました。

海外大学・PPP専門機関とのネットワーク拡大

 PPPに関連した各分野で先進的な研

究をしている大学や専門機関とのネッ

トワークを広げています。フロリダ・

アトランティック大学(PPP経済開

発)、フロリダ大学(バランス・バジェッ

ト)、ジョージア工科大学(自治体業務

の包括民間委託)、ジョージワシント

ン大学(危機管理)と協定を結び共同研

 東洋大学には、今後も国連のPPP研究機関の一翼を担ってもらいたい。また、世界でPPPを推進するのが私の役割であり、欧州、北米、アジア、南米、アフリカ、国連だけでは人材が足りないので、各国が分野を分担して効率的に研究やデータの蓄積を進める仕組みを構築している。その観点からも日本および東洋大学に期待している。

国連PPP推進局長 ジェフリー・ハミルトン氏

国際活動

究を進めています。アメリカやヨー

ロッパ(スペイン・フランス・イギリス)

の先進的なPPP事例を視察する調査を

2008年、2010年に実施しました。

 また、フィリピンやマレーシアの大

学と協力し、PPPの教育を実施してい

きます。

PPPに関してよくいただく質問Q 単純に公共部門を小さくすると、市民にとって必要なサー

ビスがうけられなくなってしまうのではないですか?

 「豊かな公共、小さな政府、間をつなぐPPP」とお考えください。

少子高齢化などを背景に、地域における公共的なサービスのニー

ズがますます増加する中で、すべてを官に担わせると市民の税

負担は際限なく大きくなっていきます。そこで、官は本来の役

割に集中するため小さくしていきながら、公共的な役割を民間

セクターや市民が分担していく必要があります。

Q 官と民が仲良くすることで問題が起きるのではないですか?

 PPPとは、あとから問題が生じないように、最初に、互いがパー

トナーとしての対等の立場で、リスクとリターンを分担し、契

約によって権利と義務を定めます。上意下達の官からの一方的

な発注でもなく、単なる仲良しクラブでも談合でもありません。

民間の活動はモニタリング(監視)され契約を守らないと収入が

減ってしまうので、自動的に契約が守られる仕組みです。良い

意味での官民の緊張感が問題の発生を未然に防ぎます。

Q 民間に任せて失敗した例もあると聞きます

 PPPにも失敗はあります。必要性に乏しい事業や過大投資、対

等なパートナーでない、リスク分析が不十分、契約があいまい、

契約内容を守っていなくても改善を求められないなど、ほとんど

すべては、最初の枠組みの作り方に問題のあるケースです。本

専攻では、徹底的な失敗の分析を通じて、その原因を解明し再

発を防止するノウハウを蓄積しています。

Q 公共サービスは公益的だから意味があり、効率性を追求するべきものではないと思います。

 公共的だから非効率であってよいことにはなりません。非効

率な状態が続けば、いずれ財政は破たんし、最低限のサービス

しか出来なくなってしまいます。PPPは公益性と効率性の同時実

現を目指します。

Q 公共サービスは市民が求めています。PPPには市民の理解は得られるのでしょうか?

 市民が公共サービスを求めるのは当然ですが、「サービスを受

けるのはタダ」と考えてはいませんか。PPPでは公共サービスの

費用対効果を明らかにします。図書館の例をあげましょう。図

書館が必要という意見には、皆さんが賛成するでしょう。しかし、

図書館での図書の貸し出しには1回あたり千円かかっているとい

うことを知ったらどうでしょう。それほどかかるなら、図書館

の代わりに地域限定の図書券の配布や減税すべきという意見が

出たり、市民で運営を分担して効率化しようという運動もおき

るかもしれません。責任ある市民参加です。PPPはこうした客観

的情報を与えることで、建設的議論を可能にします。

Q 効率性一辺倒では夢のない地域になってしまいます。

 PPPは収入を増やすノウハウの集大成でもあります。利用者を

増やす、人口を増やす、企業に立地してもらう、地域のブランド

を引き上げるなど、多くの知恵が集まっています。きっと、地

域に夢をもたらしてくれることでしよう。

Q 海外の事例が多いが、日本では参考にならないのではないですか?

 自分たちの地域社会を効率的かつ豊かにすることの重要性に

国境はありません。本専攻は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、

世界各国で展開されるPPPの事例研究を調査するとともに、日本

への応用可能性を視点に入れながら、学術的な立場から日本全

国の地方自治体のPPPに貢献しています。

Q PFIとPPPの違いは何ですか?

 PFI(民間の資金を活用した公共施設の整備や運営の手法)は、

さまざまなPPPの手法の一形態です。PPPには、法律によって規

定された公共施設・インフラの建設や管理の手法だけでなく、自

治体とNPOや市民、ボランティアとの協働なども含まれます。

東洋大学PPPについて

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実務

民間

理論

公共

・PPPケーススタディ・PPPプロジェクト演習・PPPデザイン論

・民間プロジェクト論・PPP プランニング論・PPPビジネス論

・公共プロジェクト論・地域リーダー論

・財政学基礎・財政システム論・地方行財政論

・金融論基礎・PPPファイナンス論・財務計画論

・PPP 総論 1・PPP 制度手法論・海外 PPP 制度手法論

・財務分析論 ・知的財産論・起業とPPP・技術経営論

〔行財政〕

〔PPP制度手法〕

〔公共プロジェクト〕

〔事例研究〕

〔民間プロジェクト〕

・経済学基礎 ・公共経済学・PPP 経済理論 ・政策評価論

〔経済理論〕

〔経営〕

〔金融〕

プロジェクト企画、政策立案

経済学研究科 公民連携専攻

修士号の取得については、具体的

な問題解決に取り組んだ「特定課

題研究」の成果を修士論文の代わ

りにすることもできます。

<東洋大学PPPスクール10の特徴>東京駅・大手町駅から徒歩5分圏内

夜間・土曜日開講で忙しい方も通学可能

ウェブ会議システムにより遠隔地・海外からも受講可能

地域再生支援プ口グラムにより本物のプ口ジェクトに参加

実践を意識した科目と知識体系で実践力が身につく

最新事例・最前線で活躍する人材による教育

専門機関との連携でグローバルな情報を提供

東洋大学大学院

カリキュラムには、「官」と「民」それぞれの立場の発想や行動様式を深く理解すべく、経済理論、行財政、金融、経営、公民連携制度・手法、公共プロジェクト、民間プロジェクト、事例研究の8カテゴリーを用意。幅広い分野の知識を体系的に学べる機会を用意しています。

カリキュラム

1 実務に直結した特定課題研究にて修了可能

PPPリサーチパートナーとして継続的に研究に参画可能

院生、教授、講師との幅広い人脈が築ける

8

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6

7

院生・修了生のメッセージ

●公立美術館における公民連携モデルと手法選択の提案●自治体病院PFIにおける役割分担のあり方●公民連携領域の理論的検討●貧困削減に焦点を当てたビジネスとその促進のための公民連携のあり方●過疎地域における公民連携のあり方●エリアマネジメントとその財源確保策についての検討●バランスシートと決算カードによる自治体財政評価

過去の論文テーマ例●自治体における企業会計的手法を活用した公共サービス領域の可視化とガバナンス●ホームレス問題に挑戦する公民連携●公共サービス包括委託と公有財産活用の連携による都市経営のあり方●自治体資産の可視化とPPP活用によるPRE戦略の研究●公共施設マネジメントによる公共施設老朽化対策の検討とPPPを利用した改善策の提案●富山市の新しい公共交通システム構築に向けての提言

●文化創造街づくりによる都市再生に関する一考察●自治体ポータルサイトと公民連携●辺境県境地域における道路行政と地域振興●企業誘致に関するPPPユニットについて●民間事業者主体の「地域経営プラットフォーム」の研究●将来の医療費削減を目指す公民連携による健康増進事業●「市民ベンチマーク」による市民と行政の共通認識について

東洋大学大学院 経済学研究科 公民連携専攻

プロの講師陣、アクティブな仲間とのネットワーク。大学院修了後も新たな発見があり、日々自分を奮い立たせてくれます。

歌舞伎町寄席企画に始まり専攻内カップル結婚式主催に終わった大学院生活。これだけ幅広く実践させてくれるのはほかにありません。

紙田 直子さん地方公務員

稲田 誓子さん家裁調停委員

The体育会系。院生・修了生の仲間と「トイレ清掃隊」を結成し、被災地の仮設トイレを掃除してきました。プロジェクトへの参加が“PPP体幹”を鍛える近道です。イバラの道ですが…

奥田 早希子さんジャーナリスト

様々なバックグランドをもつ院生のパワーと知恵が結集し、優れた研究成果が生まれます。宮代町の研究はその典型。成果が町を動かし、書籍に書かれ社会に広がってゆくダイナミズムは公民連携専攻ならでは。

少子高齢、人口減少社会が現実となる中、将来世代にツケを回さず市民生活を守るためには、これ(PPP)しかありません!!

吉川 清志さん地方公務員

PPPの背景、基礎、理論、実践を、経験豊富な教授陣、多彩な講師そして院生の仲間から一体感をもって学べます。ここで得た知識と出会った人が仕事に生き、立川市のプロジェクトの落札につながりました。

公民連携専攻で人のつながりの大切さを知った。人のつながりがPPPを創り出す。公民連携専攻が日本を変える!

地域再生、図書館の指定管理、自治体の公民連携推進。5年で3つ の 仕事と2度 の転 居。PPPで人生が変わりました。

寺井 素子さん地方公務員

本学で培った学びと人脈を原動力に、公民連携による「健康職場づくりプロジェクト」を推進しています。

吉谷 真治さん国家公務員

私たちは、公民連携専攻(PPPスクール)に学び、日本の将来に続く一筋の希望の道しるべを見出すことができました。

恒例の公民連携事業提案をチームで競う演習、我がチームは募集要項作成に選ばれながら、提案審査では惨敗。創意工夫を引き出す条件づくりと、評価されるアイデア出しの差を実感しました。

菅野 元衛さんゼネコン

PPPは、世の中を変える。PPPで世の中を変えなければならない。子供たちのために。それを学んだ。

水嶋 啓さんコンサルタント

PPPの 基 礎 を 学 び、PPPの 奥 深 さを 知り、PPPで社会に貢献したいと思った。そして、今、それを実践している。

白銀の中のオイスタースクールをみた。日本でもできることだと思った。やるか、やらないか、それだけの違いだ。

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多彩な教授陣根本 祐二(専任)

政投銀出身・専攻主任。「朽ちるインフラ」で

PPPの可能性を拡大。

八巻 節夫(専任)

専門は財政学。「受益と負担の一致」が研究テー

マ。

松原 聡(専任)

国際公共経済学会事務局長。民営化などメディ

アで積極的に発言。

加賀見 一彰(専任)

専門はミクロ経済学(応用)。経済学とPPP理

論の架け橋構築中。

サム 田渕(特任)

国連PPP推進局副理事長を兼務。国内自治体

との連携プロジェクトも手がける。

金谷 隆正(客員)

日本経済研究所。日本を代表するPPP/PFIア

ドバイザー。

林原 行雄(客員)

シティグループ。銀行(旧第一勧銀)役員として

の経験と人脈を活用。

美原 融(客員)

三井物産戦略研究所。草創期から日本のPPP

政策に関与。

中村 賢一(客員)

兵庫県加西市で先進的PPPに取り組む。専攻

修了生。

山田 肇(専任)

NTT出身。全員参加の情報社会実現のため

PPPが果たす役割を研究。

中北 徹(専任)

元外務省。金融・国際経済が専門で上水道も研

究。

ティモシー・ニューフィールズ(専任)

PPP標準語の英語を用いたコミュニケーショ

ン能力開発。

宮崎 智視(専任)

専門はマクロ経済学・財政学。自治体財政の研

究実績も豊富。

清水 義次(客員)

商業・まちづくりが専門。廃校舎プロジェクト

「3331アーツ千代田」を企画主導。

南 学(客員)

元横浜市。現神奈川大学特任教授。行政経営が

専門で事業仕分けでも大活躍。

関 幸子(客員)

三鷹市出身のスーパー公務員。全国の地域産業

おこしを支援。

佐藤 真良(客員)

東京共同会計事務所。PPPに必要な財務のノ

ウハウをレクチャー。

片桐 徹也(非常勤)

専門のインフラの他多摩市を拠点にPPPを展

開。専攻修了生。

済済[担当カテゴリー]

…経済理論 財財 …行財政 金金 …金融 営営 …経営 制制 …制度・手法

公公 …公共プロジェクト 民民 …民間プロジェクト 事事 …事例研究 ゼゼ …ゼミ

ゼゼ事事済済

ゼゼ財財

ゼゼ済済

済済

ゼゼ事事

ゼゼ制制金金

営営民民

制制

公公

ゼゼ営営

ゼゼ金金

営営

ゼゼ財財

ゼゼ民民

財財

ゼゼ財財

営営

事事

東洋大学大学院 経済学研究科 公民連携専攻

本専攻に関してよくいただく質問Q 平日はなかなか仕事を抜けられないのですが。

 社会人院生は皆同じ状況にあり、平日は平均すると1、2日の履

修です。土曜日だけの履修でも2年間で必要単位を修得すること

は可能です。また、出張等で出席できない事情も十分理解して

運営しています。

Q 入学試験は何の勉強をすればよいでしようか?

 社会人は面接のみです。お仕事の内容、大学院入学後に力を

入れたいことをお尋ねします。

Q 経済学部卒業でなくても大丈夫ですか?

 多様な人材に挑戦していただきたいと考えております。実際、

工学部、法学部、文学部卒の方が多いぐらいです。経済学系の

科目は初歩から行いますので、基礎知識は不要です。

Q 4年制の大学を出ていないのですが受験できますか?

 事前審査により、大学院の出願資格を認める制度があります。

お早めにお申し出ください。

Q 年齢、職業などの傾向はどのような感じですか?

 20歳代から60歳代まで幅広い年齢層です。職業は自治体・国の

機関、議員、建設、不動産、コンサルタント、金融、メーカー、

情報、広告代理店、NPO活動など幅広い分野の院生が集まって

います。講義、ゼミ、プロジェクト、懇親会等を通じて、院生同士、

修了生、講師・教授陣との懇親の場やネットワークも生まれます。

Q 卒業後の進路はどうなっていますか?

 ほとんどの人が所属する組織の中でPPPに関する業務・プロ

ジェクトに関わっています。また、最近では急増するPPPのニー

ズに応えて転身する例も出ています。例えば、岩手県紫波町の

PPP専門機関マネージャー、国立大学法人アセット(資産)マネー

ジャーなどです。

Q 理論と実務のどちらに力点がありますか?

 両方です。最終的には実務に応用できないと意味がないと考

えており、実務的に必要とされる知識や手法を用いた院生参加

型のビジネススクール的講義を中核にしています。一方、とも

すれば実務の現場では忘れてしまいがちな理論を体系的に学ぶ

ことで、今までに無い新たな発想が芽生える機会を提供します。

Q 公共政策研究科との違いは何ですか?

 公共政策研究科は法学、行政学の観点から行われています。

これに対して、公民連携専攻は、経済学に基礎をおいています。

これは、社会的な費用対効果や受益と負担を考えながら政策を

決めていくことが求められているからです。この分析は経済学

の使命です。

Q 首都圏以外から通えますか?

 土曜日だけの履修でも可能なため、遠隔地からの通学も可能

です。また、インターネットを活用した遠隔教育システムによ

り国内外からでもリアルタイムで履修することも可能です。ブ

ロードバンドに接続されたPCであれば、自宅でもオフィスでも

受講可能です。経常的な費用はブロードバンドの利用料だけで、

院生である限り、システム使用料の自己負担は発生しません(PC

や回線のスペックにより使用できない場合がありますので事前

に事務局にご確認下さい)。

Q ビジネススクールとの違いは何ですか?

 国や地域を経営するという観点から見ると公民連携専攻もビ

ジネススクールの-種です。ただし、単に一つの企業のビジネス

が成り立てば良いとは考えていません。税金の使い道、規制や規

制緩和、行政の役資の波及効果などの妥当性や具休的方法といっ

た大きな命題を解明して、社会全体を豊かにしていく必要があ

ります。経済学がもっとも得意とする領域です。

Q どういう人材を求めていますか?

 科学的な根拠に基づいて思考できる冷静な頭脳と、地域や社

会を良くしていこうという熱い志(こころざし)の両方に関心の

ある方を求めています。