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ロボット・AI分野 事業紹介

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May 2020(第1版)

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構ロボット・AI部〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎セントラルタワーTel 044-520-5241 Fax 044-520-5243https://www.nedo.go.jp/

ロボット・AI分野 事業紹介

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NEDOの概要

ロボット・AI分野 事業紹介2

NEDOの概要

NEDOのミッション

新エネルギーおよび省エネルギー技術の開発と実証試験等を積極的に展開し、新エネルギーの利用拡大とさらなる省エネルギーを推進します。さらに、国内事業で得られた知見を基に、海外における技術の実証等を推進し、エネルギーの安定供給と地球環境問題の解決に貢献します。

エネルギー・地球環境問題の解決

産業技術力の強化を目指し、将来の産業において核となる技術シーズの発掘、産業競争力の基盤となる中長期的プロジェクトの実施および実用化開発における各段階の技術開発に取り組みます。その際、産学官の英知を結集して高度なマネジメント能力を発揮することで、新技術の市場化を図ります。

産業技術力の強化

技術開発マネジメントによる成果の社会実装

研究開発型ベンチャーの育成

中長期技術開発の方向性提示

~ 第4期中長期計画に基づく3つの取り組み ~

NEDOとは● NEDOは、持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーショ

ンを創出する、国立研究開発法人です。● リスクが高い革新的な技術の開発や実証を行い、成果の社会実装を促進する「イノ

ベーション・アクセラレーター」として、社会課題の解決を目指します。

イノベーション・アクセラレーターとしてのNEDOの役割技術戦略の策定、プロジェクトの企画・立案を行い、プロジェクトマネジメントとして、 産学官の強みを結集した体制構築や運営、評価、資金配分等を通じて技術開発を推進し、 成果の社会実装を促進することで、社会課題の解決を目指します。

国・経済産業省

政策立案制度設計

競争力強化オープンイノベーション

実現

産業界

大学 公的研究機関

政策エビデンスの提供

評価・資金配分

体制構築・運営

政策・予算プロジェクト参画

技術戦略策定

プロジェクト企画・立案、マネジメント

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� NEDOの概要

� ロボット・AI分野 事業紹介 3

NEDOの概要

主な事業

技術シーズの発掘から中長期的プロジェクトの推進、実用化開発の支援まで、一貫した技術開発マネジメントにより、日本の技術力強化・エネルギー問題の解決を目指します。

※�主な事業を掲載しているため、予算総額と内訳の合計は一致しません。

予算 1589億円

(2020年度当初予算)

NEDOのあゆみ

1970年代に世界を襲った二度のオイルショック。エネルギーの多様化が求められる中、新エネルギー・省エネルギー技術開発の先導役として、1980年にNEDOが誕生しました。のちに産業技術に関する研究開発業務が追加され、今日に至るまでNEDOは、技術開発マネジメント機関として、エネルギー・環境技術、産業技術の開発・実証を推進し、イノベーション創出を後押ししています。

【技術内容】● 系統対策技術● 蓄電池等のエネルギー貯蔵技術● 水素の製造から貯蔵・輸送利用に関する技術● 再生可能エネルギー技術 等

エネルギーシステム分野 563億円

【技術内容】●ロボット・AI技術 ● IoT・電子・情報技術●ものづくり技術 ● 材料・ナノテクノロジー● バイオテクノロジー 等

産業技術分野 450億円

【技術内容】● 未利用熱エネルギーの活用技術 ● 環境調和型製鉄技術● 高効率石炭火力発電技術開発 ● 二酸化炭素貯留に関する技術●フロン対策技術 ● 資源選別・金属精錬技術等の3R技術● 国際実証、JCM 等

省エネルギー・環境分野 434億円

【技術内容】● 研究開発型ベンチャーの育成●オープンイノベーションの推進 等

新産業創出・シーズ発掘等分野 66億円

1980 ●� �「新エネルギー総合開発機構」設立

1988 ●� �産業技術研究開発業務を追加し、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」に改称

1996 ●� 石炭鉱害事業団と統合、石炭鉱害賠償等業務の追加

2003 ● �「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」設立

2006 ●� �京都メカニズムクレジット取得事業を追加

2007 ●�� 石炭鉱害復旧経過業務終了

2012 ●� 石炭・地熱業務をJOGMECに移管

2014 ●� 技術戦略研究センター設置

2015 ●� �「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」に改称

2016 ●� 京都メカニズムクレジット取得事業終了

2012年商用モデル実証水素ステーションを建設

1986年兵庫県六甲アイランドにて、初の大規模系統連系の実験を開始

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ロボット・AI部の紹介

ロボット・AI分野 事業紹介4

ロボット・AI部の紹介

ロボット・AI部のミッションと取り組み ロボット・AI分野においては、少子高齢化による労働力人口の減少や、作業負荷増大への対応、製品・サービスの質や生産性のさらなる向上の必要性等により、次世代のロボットやAI技術による安全・安心の確保、生産性の向上等に対する期待が一層高まっています。 NEDOでは、災害対応、サービス、ものづくりなど、社会のさまざまな場面で活用できる高度なロボットの研究開発を進めており、スマートな社会の構築に貢献します。また、人間を超越するまたは人間に匹敵する人工知能の実現を目指し、国内外の産学官の英知をひとつの研究拠点に結集するなど、長期的な視点によるハイリスクな研究開発に果敢に挑戦しています。 このパンフレットでは、こうしたロボット・AI分野を中心に、NEDOロボット・AI部の取り組みを紹介します。

ロボット・AI部の主な事業

◦�物流、インフラ点検、災害対応等の分野で活用できる無人航空機及びロボットの開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築および飛行試験等を実施

ドローン

◦�多品種少量生産現場をはじめとするロボット未活用領域においても対応可能な産業用ロボットの実現に向け、重要な要素技術の開発を支援◦�ロボット共通ソフトウエア技術の普及・促進に向け、人材育成講座を実施

ロボット

◦�ビッグデータ・AIを活用したサイバー・フィジカル・システムの社会実装を支援◦�自動運転の実用化・普及拡大によって、交通事故低減・交通渋滞削減、過疎地における移動手段の確保等の社会的課題解決に貢献し、安全・安心に移動できる社会を実現

*SIP:戦略的イノベーション創造プログラム� �(Cross-min ister ia l � Strategic� Innovat ion�

Promotion�Program)

SIP

◦�現在の人工知能・ロボット関連技術の延長線上に留まらない、人間を超越するまたは人間に匹敵する人工知能、センサー、アクチュエータ等の革新的な要素技術の研究開発を支援◦�産業化のロードマップに基づき、「空間の移動」「ものづくり」「サービス」「健康・医療」の各領域における研究により、豊かな社会を実現

AI

◦�国内の航空機産業の成熟を目指し、航空機システムの研究開発を支援航空機

※�上図の研究開発は日欧共同研究プロジェクト「Horizon�2020�VISION」の研究開発活動の一つとしても実施

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� ロボット・AI部の紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 5

ロボット・AI部の紹介

プロジェクト年表2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 202420232022

※SIP:戦略的イノベーション創造プログラム   �(Cross-ministerial�Strategic�Innovation�Promotion�Program)

■航空機用先進システム実用化 p.20航空機

ロボット■革新的ロボット研究開発基盤 構築事業 p.13

規制×

AI・ロボット

■規制の精緻化に向けた デジタル技術開発 p.15

SIP

ドローン

■ロボット・ドローンが活躍する省エネ ルギー社会の実現プロジェクト p.16

AI■人工知能技術適用による スマート社会の実現 p.26

■人と共に進化する次世代人工知能に 関する技術開発事業 p.14

■次世代人工知能・ロボットの中核 となるインテグレート技術開発 p.24

■安全安心なドローン基盤技術 開発事業 p.12

■ロボット活用型市場化適用 技術開発プロジェクト p.18

■次世代人工知能・ロボット 中核技術開発 p.22

■SIP第2期/自動運転 (システムとサービスの拡張) p.30

■SIP第2期/ビッグデータ・AIを 活用したサイバー空間基盤技術 p.28

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ロボット・AI部の紹介

ロボット・AI分野 事業紹介6

ロボット・AI部の紹介

国の政策とNEDOロボット・AI部の歩み

2014 2015 2016 2018 20202017 2019

2016.6「日本再興戦略2016」-第4次産業革命に向けて-

(閣議決定)

2014.4「ロボット・機械システム部」 設置

2015.3人工知能分野、ロボット分野技術戦略策定

2015.5「ロボット革命イニシアティブ協議会」イノベーションWG事務局担当

2016.4「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」公表

2018.10「World Robot Summit 2018」開催

2016.4「ロボット・AI部」に改称「AI社会実装推進室」 設置

2016.10「ロボット国際競技大会準備チーム」 設置

2017.11福島県とロボット・ドローンの検証に関する協定を締結

「World Robot Summit 2020」開催(2021年度に延期)

2014.9~ロボット革命実現会議

2015.5ロボット革命イニシアティブ協議会

2016.4~人工知能技術戦略会議第1回 3省合同AIシンポジウム

2019.4南相馬市とロボット関連人材育成などに関する協定を締結

2018.6「未来投資戦略2018」(閣議決定)

ロボット

2014.5~OECD閣僚理事会安倍総理基調講演

政 府

2015.2「ロボット新戦略」(日本経済再生本部決定)

2015.6「日本再興戦略改訂2015」-未来への投資・生産性革命-

(閣議決定)

2017.6「未来投資戦略2017」(閣議決定)

2019.6「統合イノベーション戦略2019」(閣議決定)

AI

2016.1「第5期科学技術基本計画」(2016年度~2020年度)(閣議決定)

2019.6

~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~

(小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会)

「空の産業革命に向けたロードマップ2019」

2016.4第5回 未来投資に向けた官民対話

(日本経済再生本部)

2017.3「人工知能技術戦略」策定

2019.3「人間中心のAI社会原則」(統合イノベーション戦略推進会議)

2019.6「AI戦略 2019~人・産業・地域・政府全てにAI~」(統合イノベーション戦略推進会議)

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トピック①

トピック① 主なプロジェクト成果

世界初、100:1 の減速比でも逆駆動可能なギヤを開発

世界初、顔データまで含めたコミュニケーション解析用データセットを公開

 NEDOと横浜国立大学は、減速機の構成要素を最適化することで動力伝達効率を飛躍的に高め、従来不可能であった100:1を超えるような高い減速比の減速機でも、逆駆動が可能となるギヤ(バイラテラル・ドライブ・ギヤ)を開発しました。 これは、ロボットの関節が外力に対して柔軟に動くことを可能とするだけでなく、エネルギー回生の効率化を図るとともに、モーター情報による負荷トルク推定を可能とし、小型軽量化・低コスト化・省エネ化を同時に実現できるため、今後、協働ロボット、アシストロボット移動ロボットなどの関節部材や、電気自動車(EV)の変速機などへの展開が期待できます。

 NEDOと東京電機大学は、グループコミュニケーション時の人の表情などの映像や音声、各種センサーによる体の動きなどのデータセット(コーパス)を作成し、大学や企業の研究機関向けに2019年2月7日より提供を開始しました。実験協力者の同意を得ることで、コミュニケーション行動の分析で重要な要素となる表情や視線などの顔データまで取り込めたほか、発話や行動のアノテーションを付与したことで、次世代AIシステムの設計に利用可能な世界初のグループコミュニケーションコーパスとなります。 本コーパスの活用により、人のコミュニケーション行動をより総合的に解析することが可能となるため、人と人との円滑なコミュニケ―ションを支援する次世代AIの研究開発の加速のほか、人のコミュニケーション能力向上のための研究促進が期待されます。

2019年1月

2019年2月

バイラテラル・ドライブ・ギヤの構造

逆駆動可能なバイラテラル・ドライブ・ギヤ

公開するコーパスのシーン例

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トピック①

トピック① 主なプロジェクト成果

ステレオ位相シフト方式で世界最小・最軽量・高精度 3D ビジョンセンサーを開発

世界最長 10m の超長尺多関節ロボットアームで、水平方向 10kg 保持を達成

 NEDOと(株)YOODS(ユーズ)は、小型・軽量・高精度でありながら、低価格を実現したロボットアーム用3Dビジョンセンサー「YCAM3D」を開発しました。独自の小型高出力プロジェクターの搭載と、ステレオ位相シフト方式の採用により、対象物の位置情報などを高精度で取得でき、同方式の3Dビジョンセンサーでは世界最小・最軽量を実現しました。 同センサーは、ロボットアームに直接取り付けることで、カメラとロボット間の座標変換のキャリブレーション(補正)が容易となり、部品の位置と姿勢を高精度に認識してピッキングすることが可能になります。ロボットアームの“目”となる3Dビジョンセンサーの製品化を通じて、ロボットアームの活用が拡大されることで、自動車や電子機器、物流など幅広い分野での生産性向上につながることが期待できます。

 NEDOと東京工業大学は、狭い場所に進入できる細くて長いロボットの開発に取り組み、世界最長となる全長10mの超長尺多関節ロボットアームを2018年9月に開発し、今回、アーム手先で10kgの物体を水平方向に保持できることを実証しました。 テコの原理が働くため、長いロボットアームが重量物を保持することは容易ではありません。そこで今回、複数の化学繊維ロープを関節の滑車に巻きかけ、荷重を分散して支えることによって、これを実現しました。今後は、水平方向の保持だけでなく、重量物の持ち上げや運搬の実現に向けた技術開発を進めていきます。

 今回、重量物の保持を実証できたことで、橋梁・トンネルなどの大規模構造物のインフラ点検作業などへの応用が期待できます。また、2019年度に日本原子力研究開発機構の楢葉遠隔技術開発センター(福島県)で、廃炉調査への利用可能性を検討する予定です。

2019年3月

2019年3月

超長尺多関節ロボットアームの全体アーム全長10m、直径20cm、重量300kg

(アーム部50kg、基部250kg)

3Dビジョンセンサー「YCAM3D」 「YCAM3D」のピッキング作業での活用イメージ

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トピック①

トピック① 主なプロジェクト成果

世界初、相対速度 100km/h での無人航空機の衝突回避試験を実施

AI を活用した児童虐待対応支援システムを開発

 NEDO、(株)SUBARU、日本無線(株)、日本アビオニクス(株)、三菱電機(株)、(株)自律制御システム研究所は、福島県、南相馬市、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構の協力のもと、7月24日から25日に、広域飛行空域(福島県南相馬市)で、相対速度100km/hでの中型の無人航空機の自律的な衝突回避試験を世界で初めて実施しました。 具体的には、カメラやレーダーなどを搭載した中型の無人航空機が40km/h程度で飛行し、正面から60km/h程度で前進飛行してくる有人ヘリコプターを探知し、自律的に衝突を回避する飛行試験を行いました。

 今後、衝突回避システムを確立することで、災害対応や物流などの分野における無人航空機の実用化を推進します。さらに、より小型の無人航空機への機能搭載を見据えた社会実装を推進します。  な お、 本 試 験 は、2017 年 11 月 22 日 にNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定に基づく取り組みの一環です。

 NEDOプロジェクトで、産業技術総合研究所は、児童相談所の職員向けに、日本初となるAIを活用した児童虐待対応支援システムを開発しました。さらに、本システムを三重県の児童相談所に導入し、実証実験を6月下旬から開始しました。 実証を通じて、虐待危険度などの総合的な予測をAIが行うことによる職員の業務負担軽減や虐待対応の迅速化などの効果を検証します。これにより質の高い虐待対応支援に貢献する技術開発とプラットフォーム構築にも取り組み、本システムの実用化につなげます。

2019年7月

2019年5月

児童虐待対応支援システムの画面イメージ 虐待対応支援システムの構成

衝突回避飛行試験のイメージ

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ロボット・AI分野 事業紹介10

トピック②

トピック② プロジェクト成果等の発信

主な展示会等2019.2

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/自動走行システム 「自動運転のある未来ショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」を開催

 自動運転技術を実際に利用する方々を対象に、自動運転の現状と未来を知っていただくため、

「自動運転のある未来ショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」を開催しました。

2019.7

「安全なドローン運航のための相互接続シンポジウム」の開催

 「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」 の研究成果の発表を行うとともに、ドローンの運航管理における相互接続の重要性について議論を深めるため、シンポジウムを開催しました。

その他

「AIポータル」 NEDOは「AIポータル」を開設し、関係府省・機関が連携して推進する次世代AIの研究開発等の取り組みや、関連情報等を集約し紹介しています。

「ドローンポータル」 「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の取り組みやドローンに関する最新の情報等を掲載しています。

2019.5

日米ロボットカンファレンス“The Rise of the Robots”を開催

 NEDO は、米国の SRI International およびSilicon Valley Roboticsと共同で、日米ロボットカンファレンス“The Rise of the Robots”をシリコンバレーで開催しました。

2019.12

「2019国際ロボット展」

 NEDO は 2019 年 12 月に「2019 国際ロボット展」に出展し、「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」「ロボット活用型市場化適用技術開発」の成果を紹介しました。

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� ロボット・AI分野 事業紹介 11

トピック③

トピック③ 社会実装に向けた取り組み

NEDO と南相馬市がロボット関連人材育成などに関する協力協定を締結

HONGO AI 2019

 NEDOと南相馬市は、2019年4月10日、福島ロボットテストフィールド※1などを活用したロボット関連人材育成などに関する協力協定を締結しました。NEDOと南相馬市は本協定を締結することによって連携を強化し、DRESSプロジェクトや福島ロボットテストフィールドを活用したロボット関連人材育成講座などで、国内外の優秀な人材が集う環境を同市に整備し、ロボット関連人材育成の推進やロボット関連産業の活性化を図ります。

 NEDOは、HONGO AI事務局とともに、アーリーステージの優れたAIスタートアップ企業を表彰するコンテストの最終選考会および授賞式「HONGO AI 2019」を10月2日に開催しました。事前の書類選考と面談選考によって選出されたHONGO AI AWARD受賞企業14社の中から、本選考委員が最終選考を行い、表彰しました。

HONGO AI BEST AWARDMI-6株式会社

経済産業省 産業技術環境局長賞インスタリム株式会社

https://hongo.ai/

※1 福島ロボットテストフィールド陸・海・空のフィールドロボットを主対象に、実環境再現下での研究開発、実証試験等が可能な拠点。福島県南相馬市および浪江町で2018年度から順次開所。

握手をする石塚理事長と門馬南相馬市長(右)

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ロボット・AI分野 事業紹介12

2020年度新規

プロジェクトの紹介

※PM:プロジェクトマネージャー

安全安心なドローン基盤技術開発事業

安全安心なドローン開発を通じて産業競争力を強化

事業期間 2020年度

予算額 16.1億円(2020年度)

PM 田邉 栄一(NEDO ロボット・AI部 専門調査員)

プロジェクト概要 災害時の被災状況の調査や老朽化するインフラの点検、或いは監視や捜索など、政府・公共部門を始めとするドローンの業務ニーズが拡大しています。こうしたニーズに対応するために、安全性や信頼性を確保した標準ドローンを設計・開発し、主要部品の高性能化やドローンの機体等の量産化への取組を支援することで、我が国のドローン産業の競争力を強化すると共に、関連するビジネスエコシステムの醸成を図ります。

PM のコメント 小型軽量のドローンは空飛ぶPCとも呼ばれ、今後急速なニーズの拡大が見込まれていますが、現在は外国製品に依存している状況にあります。本プロジェクトを通して、国内のドローン産業をけん引して行きたいと思います。

実施体制2020年度事業 公募中(2020年3月現在)

研究開発の内容1.�標準ドローンの設計・開発・ドローンの標準機体設計・開発・フライトコントローラー標準基盤設計・開発・高いセキュリティを実現する技術開発・実装

2.�ドローン関連の産業基盤強化・より高性能を実現する主要部品設計・開発支援・量産等体制構築支援

アジャイル開発による主要部品の高機能・高性能化

安全・高信頼な量産・運用体制

迅速でセキュアなサポート体制

【安全安心なドローン関連産業基盤】

高性能カスタム部品等の周辺産業

防災・損保リース等

のサービス産業

ドローンビジネス・エコシステム

高セキュリティ・低コストの標準機体とフライトコントローラの

標準基盤開発

安全・安心なドローン市場

標準ドローン

安全・安心なドローン周辺サービス市場

政府調達

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� ロボット・AI分野 事業紹介 13

2020年度新規

プロジェクトの紹介

※PM:プロジェクトマネージャー

革新的ロボット研究開発基盤構築事業

これからの産業用ロボットに必要となる革新的な要素技術の開発を支援

事業期間 2020年度~2024年度

予算額 2.5億円(2020年度)

PM 茂手木 敦史(NEDO ロボット・AI部)

プロジェクト概要 産業用ロボットは日本の産業を発展させていく上でも欠かせない基盤技術であり、これまで日本が世界をリードしてきた市場ですが、近年欧州や中国の追い上げにより、厳しい競争環境に晒されています。 本事業では、多品種少量生産現場をはじめとするロボット未活用領域においても対応可能な産業用ロボットの実現に向け、ロボティクスとは異なる分野も含めた幅広い大学研究者等との連携を図りつつ、産学が連携した研究体制を構築し、産業用ロボットにおいて重要な要素技術の開発を行います。

PM のコメント 日本の人口減少に伴う人手不足の問題は深刻です。飲食といったサービス分野を中心に、医療福祉、小売、製造業、物流など幅広い分野において、労働力人口が不足することが予測されています。 こうした社会課題の解決のため、今後ますますロボットの活用が求められると考えています。本事業を通じて革新的な要素技術の開発が進められることで、これまで製造業を中心に導入されてきた産業用ロボットの活用範囲が広がり、ロボット市場が拡大することを期待しています。

実施体制2020年度 公募予定(2020年3月現在)

研究開発の内容

③遠隔制御技術✓ 視覚、力覚、音声等を含む、安定した信号伝達規格

✓ 操作者違和感の解消

④ロボット新素材技術✓ 駆動部や構造部の樹脂化・複合材料化✓ 無線給電や自己発電を支える技術

①汎用動作計画技術✓ 動作やモノに関するデータベース構築✓ 最適な作業計画作成

②ハンドリング関連技術✓ 情報を取得するハンド✓ 不定形物等を対象とするエンドエフェクタ機構

産業用ロボットにおいて重要な要素技術開発

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ロボット・AI分野 事業紹介14

2020年度新規

プロジェクトの紹介

※PM:プロジェクトマネージャー

人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業

人と共に成長し進化するAIシステムを実現するための基盤研究開発

事業期間 2020年度~2024年度

予算額 29.3億円(2020年度)

PM 仙洞田 充(NEDO ロボット・AI部 主査)

プロジェクト概要 既に様々な分野やタスクにAI技術の適用が拡大されつつある一方で、製造・医療・交通といった社会的・経済的な影響が大きい分野やタスクについては、AI技術の適用は限定的となっています。これらの分野に対してもAI技術の適用を拡大していくためには、人とAIがそれぞれの得意領域において役割を分担して協働し、人とAIが共に成長・進化する「人と共に進化するAIシステム」の実現が重要となります。 本プロジェクトでは「人と共に進化するAIシステム」の基盤技術を開発します。また、それらの技術が円滑に社会に適用されるよう、AIシステムの評価・管理手法の確立、さらに、容易に構築・導入できる技術の開発も併せて行います。

PM のコメント 少子高齢化により労働生産人口が減少する中、労働生産性を向上させ、顕在化する様々な社会課題を解決する手段としてAI技術は有効です。本事業では、これまで人ではないとできないと考えられていた領域にAI技術を適用する基盤技術を開発し、AIならではの判断とその根拠から人が新たな気付きを得られると同時に、人の経験や知識をAIに導入することで人の感性に合ったより身近なAIシステムの実現を目指します。

実施体制2020年度事業 公募中(2020年3月現在)

研究開発の内容⼈と共に進化するAIシステムの基盤技術及びそれらAIシステムを社会に適⽤するための技術の研究開発を⾏います。

AIシステム 人

⼈とAIが共に成⻑

AIの推論結果と共に推論過程・推論根拠を提⽰

研究開発項⽬①「⼈と共に進化するAIシステムの基盤技術開発」

課題① AIの品質の評価・管理⼿法等はいまだ確⽴されておらず、AI技術を実社会に適⽤する際の障壁となっている。

課題② 取得できる学習⽤データが少ない分野や、データ取集に多額のコストがかかる分野の場合、AI技術の適⽤が難しい。

①-1 ⼈と共に進化するAIシステムのフレームワーク開発

「⼈と共に進化するAIシステム」を実社会に適⽤するため、以下の課題を解決する基盤技術も開発

①-2 説明できるAIの基盤技術開発

①-3 ⼈の意図や知識を理解して学習するAIの基盤技術開発

AIが⼈の意図や知識を理解し、データとあわせてAIが学習

研究開発項⽬②「実世界で信頼できるAIの評価・管理⼿法の確⽴」

研究開発項⽬③「容易に構築・導⼊できるAI技術の開発」

実社会に適⽤

研究開発に係るデータや研究開発成果の共有

研究開発に係るデータや研究開発成果の共有

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� ロボット・AI分野 事業紹介 15

2020年度新規

プロジェクトの紹介

規制の精緻化に向けたデジタル技術開発

デジタル技術の社会実装を踏まえた各種規制の精緻化に貢献

事業期間 2020年度

予算額 28.3億円(2020年度)

プロジェクト概要 AIやセンシング技術等、デジタル技術が進歩する中、これらを活用した事業活動を念頭に規制の見直しを推進し、既存の事業の合理化や新事業の創出を進めることが重要です。 本事業では、モビリティ、金融、建築の3分野において、AI等のデジタル技術の研究開発等を通じ、規制の精緻化に向けた議論に貢献します。

実施体制2020年度事業 公募中(2020年3月現在)

研究開発の内容

モビリティ分野

無人自動運転車における運行時に取得するデータの活用と安全性評価のための基礎システムの技術開発

AIを活用した自動車の完成検査の精緻化・合理化に係る調査

金融分野 プロ投資家対応・金融商品販売における高齢顧客対応に係る調査

マネー・ロンダリング対策に係るシステム開発及び調査

建築分野 ドローン等を活用した建築物の外壁の定期調査に係る技術開発

高精度センサーを用いたエレベーターの定期検査に係る技術開発及び調査

将来的な無人自動運転車に関する合理的な型式認証制度のあり方の検討に向けて、走行データの収集・分析、安全性評価のためのシステムの開発等を実施。

自動車の完成検査や型式指定監査を合理化するため、AIを活用した常時監視手法の開発等を実施。

プロ投資家や金融商品販売における高齢投資家の要件について、データを活用することで基準を導き出すためのアルゴリズムを開発し、画一的な要件(資産要件や年齢要件)の柔軟化を検討。

各金融機関が個別に取り組む、マネー・ロンダリングに関係する顧客リスク評価、制裁対象取引の検知といった業務につき、各社共同で取り組むことでの効率化を検討するため、AIを活用したシステムの開発等を実施。

建物外壁の調査につき、赤外線装置搭載のドローン等による調査手法を開発し、現状の打診等の検査と同等のものと位置付けられるか検討。

エレベーターのロープの劣化状況の検査につき、高精度センサーによる検査手法を開発し、現状の目視検査等と同等と位置付けられるか検討。

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介16

ドローン

ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト

同一空域を飛行する複数の小型無人機の運航を安全に管理する共通プラットフォーム等の研究開発

事業期間 2017年度~2021年度

予算額 40.0億円(2020年度)

PM 宮本 和彦(NEDO ロボット・AI部 主査)和佐田 健二(NEDO ロボット・AI部 主査)

PL

大隅 久(中央大学 教授)� 岡田 浩之(玉川大学 教授)原田 賢哉(JAXA 研究領域主幹)� 田所 諭(東北大学 教授)林 英雄((株)日刊工業新聞社)� 横小路 泰義(神戸大学 教授)� 江口 愛美(UC�SanDiego 准教授)

プロジェクト概要 小型無人機(ドローン等)の世界市場は2020年に約7,000億円、日本市場でも2030年には約1,000億円に拡大すると予測され、海外ではこれに伴う制度整備に係る議論や国際標準化への提案が活発化しています。 また、政府は「未来投資戦略2017」に戦略分野「移動革命の実現」を掲げ、小型無人機による荷物配送の実現を世界に先駆けて実証していくとして、2020年代に都市部での本格化を念頭に、補助者を配置しない目視外飛行に係る機体や操縦者等の要件の明確化を目標にしました。 この課題解決に向け、NEDOは2017年度に「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を始動しました。

本プロジェクトにおける運航管理システムは、情報提供機能、運航管理機能、運航管理統合機能から構成されるものとし、無人航空機の安全な運航をサポートする各種機能・システムを開発する。

(1)無人航空機の運航管理システムの開発(2017-2019)+(2019-2021)

無人航空機が地上及び空中の物件等を検知し、即時に当該物件等との衝突を回避し飛行するための技術を開発する。

(2)無人航空機の衝突回避技術の開発(2017-2019)

各種ロボットの連続稼働時間の向上等に資する高効率エネルギーシステム技術開発を実施する。

(2)省エネルギー性能等向上のための研究開発(2017-2019)

①ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発

②無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発

標準化を推進する国際機関や諸外国の団体等の動向を把握し、国際的に連携しながら検討と開発を進め、本プロジェクトの成果を国際標準化に繋げるための活動を実施する。

(1)デジュール・スタンダード(2017-2021)

技術開発スピードが速く、デファクトが鍵を握るロボットについては、世界の最新技術動向を日本に集め、日本発のルールで開発競争が加速する手法を推進する。

(2)デファクト・スタンダード(2017-2020)

(1)性能評価基準等の研究開発(2016-2017)+(2018-2021)各種ロボット(無人航空機、陸上ロボット、水中ロボット等)の性能評価基準を、分野及びロボット毎に策定する。

③ロボット・ドローンに関する国際標準化の推進

■小口輸送の増加や積載率の低下などエネルギー使用の効率化が求められる物流分野や、効果的かつ効率的な点検を通じた長寿命化による資源のリデュースが喫緊の課題となるインフラ点検分野等において、無人航空機やロボットの活用による省エネルギー化の実現が期待されている。

■本プロジェクトでは、物流、インフラ点検、災害対応等の分野で活用できる無人航空機及びロボットの開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築及び飛行試験等を実施する。

プロジェクト概要(2017-2021:5年間、2019年度予算:36億円)

無人航空機の運航管理システムのイメージ

情報提供機能

運航管理統合機能

運航管理

機能C

運航管理

機能B

運航管理

機能A

※PM:プロジェクトマネージャー、PL:プロジェクトリーダー

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 17

ドローン

研究開発の内容

PM のコメント このプロジェクトは「一度にたくさんのドローンが空を飛んだらぶつからないの?」の疑問に応えるために、技術領域/マーケット特性を慎重に俯瞰しながら、関連する基盤技術を集大成し、各分野で活躍する事業者が再結集することで、“勝てる技術にこだわった、統合的な研究開発”を3年間で集中的に取り組みます。 また、この研究開発成果の早期社会実装に向け、政府・事業者・各種ステークホルダーの皆さんと、オールジャパンでの協力体制を築き、システムアーキテクチャの構築、海外のプロジェクトとの整合性確保、国際標準化に向けた取組みに関する活動等を、並行して最大5年間を目途に推進します。

実施体制(2019年度事業分)①�(1)(国研)産業技術総合研究所/東京大学/(独)労働者健康安全機構� (株)自律制御システム研究所/イームズロボティクス(株)/(株)プロドローン (2)(株)プロドローン

②�(1)日本電気(株)/(株)エヌ・ティ・ティ・データ/(株)NTTドコモ/楽天(株)/(株)日立製作所/KDDI(株)/Terra�Drone(株)/(株)日立製作所/(国研)情報通信研究機構/スカパーJSAT(株)/(株)SUBARU/日本無線(株)/日本アビオニクス(株)/(株)自律制御システム研究所/三菱電機(株)/(株)ゼンリン/(一財)日本気象協会/(国研)宇宙航空研究開発機構/(国研)海上・港湾・航空技術研究所 (2)日本無線(株)/(株)SUBARU/日本アビオニクス(株)/(株)自律制御システム研究所/マゼランシステムズジャパン(株)/三菱電機(株)

③�(1)PwCコンサルティング合同会社 (2)(株)日刊工業新聞社/(国研)産業技術総合研究所/神戸大学/国際レスキューシステム研究機構/玉川大学

※実施体制は2019年9月時点のものです

③ ロボット・ドローンに関する国際標準化の推進(1)デジュール・スタンダード (2)デファクト・スタンダード

性能評価基準

運航管理システムアーキテクチャ

共通API

国際標準化

http://worldrobotsummit.org

World Robot Summit 2018 TOKYO2018年10月17日~21日@東京ビッグサイトWorld Robot Summit 2020 AICHI/FUKUSHIMA愛知県国際展示場福島ロボットテストフィールド

① ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発(1)性能評価基準等の研究開発

(2)省エネルギー性能向上等の研究開発

物流無人航空機

橋梁点検無人航空機

災害調査無人航空機

災害調査のための陸上ロボット

ダム・河川点検水中ロボット

【性能評価基準の策定】①ロボットの性能及び安全性の評価軸②評価軸に沿った性能レベル(数値)③これを評価するための標準的な試験方法

② 無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発(1)無人航空機の運航管理システムの開発

(2)無人航空機の衝突回避技術の開発

情報提供機能

運行管理統合機能

運航管理機能A

運航管理機能B

運航管理機能C

運航管理機能D

LTE

通信衛星

中継

準天頂衛星

3Dマップ気象情報電波情報その他

相対速度200km/H(大型無人航空機) 相対速度100km/H(小型無人航空機)

離島間物流のような、地上と無人航空機間の通信インフラが十分に整備されておらず、様々な状況の変化が想定される長距離飛行において、無人航空機が自律的に飛行経路を変更し、準天頂衛星システムを利用して、精密に飛行する技術を実装したシステムを開発する。

2時間以上の連続飛行を実現するための燃料電池を搭載した無人航空機

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介18

ロボット

ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト

ものづくり・サービス分野を対象にロボットのさらなる活用・普及を目指した技術開発

事業期間 2015年度~2019年度

予算額 5.8億円(2019年度)

PM 和佐田 健二(NEDO ロボット・AI部 主査)

PL 安藤 慶昭((国研)産業技術総合研究所 研究チーム長)

SPL 岡田 慧(東京大学�教授)琴坂 信哉(埼玉大学�准教授)

プロジェクト概要 自動車・電気電子産業(大企業向け)の溶接・塗装・ピッキング工程を中心に日本では他国に先駆けてロボット活用が進んできましたが、サービス産業や中堅・中小企業、大企業でもその他の産業や組み立て分野ではロボットの未活用領域が存在します。特に、人不足問題を抱える分野ではロボット活用による対策が強く望まれています。日本の労働生産性が停滞しているという課題もあります。 以上から一つの対策として、ものづくり・サービス分野を対象に、ユーザーニーズを基に特化すべき機能を選択し、集中した新規技術開発を実施しています。 また、委託事業では未活用領域でのロボット導入コストの2割削減を目標に、ソフトウェアの共通化、ハードウェア共通基盤化を推進し、各未活用領域でプラットフォームとなるロボットを開発します。

研究開発の内容

①ものづくり分野のロボット活用技術開発<助成事業>:15件

)②サービス分野のロボット活用技術開発<助成事業>:16件

柔軟物の変形状態を認識し作業するロボット

<ロボットビジョン> <ロボットハンド>

分岐結束

多本数のケーブルを整列させ、分岐・結束させるロボットシステム

ピースピッキングロボット多種多様なサイズの商品をパレタイジングするロボット

ロボットによるものづくりの自動化を促進し、生産の改善を実現するため、ものづくりを行う上で必要とされる対象物の認識や把持に関する技術、ものづくりを行う上で必要となる高度な対物作業を対象としたロボットシステム構築に関わる技術を開発します。 (配線、食材等の柔軟物、不定形物の認識・把持・組付など

サービス分野における対物作業のロボット活用を促進し、労働生産性の向上やイノベーションによる高付加価値化を実現するため、サービス分野の対物プロセスを行う上で必要となる作業を対象としたロボットシステム構築に関わる技術を開発します。 (物流・流通、外食・宿泊等でのロボット化)

※PM:プロジェクトマネージャー、PL:プロジェクトリーダー、SPL:サブプロジェクトリーダー

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 19

ロボット

③ロボットのプラットフォーム化技術開発(ソフトウェア) <委託事業>

④ロボットのプラットフォーム化技術開発(ハードウェア) <委託事業>今後、市場規模拡大が見込まれるロボット未活用領域に異なる複数の工程・作業に対して展開可能なハードウエアプラットフォームロボットを開発します。また、カスタマイズが容易で汎用的な作業をこなすことができる「Easy to use」な機能をプラットフォーム化により実現します。

複数の研究機関、企業等が連携してコンソーシアムを形成し、幅広い用途に 容易に導入可能な適用性の向上に資するソフトウェアのプラットフォームの開発を実施します。あわせて、ロボットおよびロボットシステムを導入する際に、人間の作業を単に置き換えるだけではなく適切な自動化が図られるよう、システムインテグレーター(SIer)等がユーザーの要望や作業を適切に分析しつつ、作業効率や生産性の向上と導入コストの削減等を両立できる、ロボット導入プロセス確立を目指します。

PM のコメント ロボットの活用分野拡大を目指し、物流倉庫でのピッキング自動化、自律移動する車椅子、パワーアシストスーツ、再生医療用細胞培養装置、エンジン搭載型の長時間飛行ドローン、蛇型の配管点検ロボットなど、多様なロボットの開発に取り組みました。 また、ロボットの初期導入コストを削減するため、誰もが使いこなせる「Easy�to�use」なロボットの開発やソフトウェアの共通化によって、それぞれの用途で最適なロボットシステムを容易に構成できる環境が求められていることから、ソフトウェアの共通化(プラットフォーム化)を推進し、各未活用領域でプラットフォームとなるロボットを開発しました。ロボットの導入が多様な分野に広がり、その結果としてロボットの市場規模が拡大することを目指していきます。

実施体制(2019年度事業分)③委託事業(ソフトウェアプラットフォーム技術開発)� イーソル(株)、(国研)産業技術総合研究所、(一社)東京オープンソースロボティクス協会、東京大学、(一社)日本品質保証機構

④委託事業(ハードウェアプラットフォーム技術開発)� 川崎重工業(株)、カワダロボティクス(株)、(株)セック、THK(株)、(株)東芝、日本電産(株)、パナソニック(株)、(株)hapi-robo�st、富士ソフト(株)、名城大学、(株)YOODS[※2019年度終了]①助成事業(ものづくり分野のロボット活用技術開発)� OMC(株)、(株)オートネットワーク技術研究所、(株)阪上製作所、Kyoto�Robotics(株)、シグマ(株)、スキューズ(株)、住友電装(株)、ダイキョーニシカワ(株)、(株)中日諏訪オプト電子、日本省力機械(株)、(株)ヒロテック、富士通(株)、(株)別川製作所、豊産管理(株)、(株)レクサー・リサーチ、(株)ワイテック、(株)クロイツ、三菱電機(株)②助成事業(サービス分野のロボット活用技術開発)� (株)IHI物流産業システム、(株)ATOUN、(株)アニマルステムセル、(株)石川エナジーリサーチ、永進テクノ(株)、カワダロボティクス(株)、(株)キュー・アイ、鉱研工業(株)、seven�dreamers� laboratories(株)、セブン・ドリーマー�ズ・ランドロイド(株)、(株)デンソーウェーブ、TEAD(株)、トーヨーカネツソリューションズ(株)、(株)ハイボット、パ�ナソニックプロダクションエンジニアリング(株)、プライムデリカ(株)、三菱重工業(株)、(株)MUJIN、(株)IHI、(株)IHIエアロスペース、パナソニック(株)

※実施体制は2019年9月時点のものです

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介20

航空機

※PM:プロジェクトマネージャー

航空機用先進システム実用化プロジェクト

次世代航空機向けの装備品開発で航空機産業の飛躍的成長の実現へ

事業期間 2015年度~2023年度

予算額 13.3億円(2020年度)

PM 嶋田 諭(NEDO ロボット・AI部 主査)

プロジェクト概要 航空機の機体構造(胴体や翼など)およびエンジンを除いた機器類は、総称して装備品(航空機システム)と呼ばれています。装備品は操縦系や空調系、電気系、油圧系、燃料系など多岐にわたり、航空機の機能や性能に直接関わる部分が多く、航空機の運航に必要不可欠な要素です。一方、航空機産業は今後20年間で旅客需要が約2倍になるなど大きな成長が期待が寄せられている中で、装備品は航空機価値構成の約40%を占めている非常に重要な分野でもあります。 本プロジェクトでは日本の装備品メーカーが持つ技術力を生かし、本格的な装備品市場への参入・市場拡大を図るために、2020年代半ば以降に市場投入される次世代航空機向けの、軽量・低コストかつ安全性の高い装備品の開発を行います。これにより、日本メーカーがシステムインテグレーターとしての能力を培いTier1メーカーとなることで、我が国航空機産業のさらなる発展に貢献します。

PM のコメント 普段航空機を見ても装備品はなかなか目に付きにくいためイメージしづらいかもしれませんが、技術的にも価格価値としても非常に重要な分野です。世界の装備品市場における日本のシェアは機体構造やエンジンに比べるとまだまだ低いですが、裏を返せば最も「伸びシロ」があると言えます。一方で、昨今航空機産業では、空飛ぶクルマのような小さな航空機から大型旅客機まで電動化が大きな技術開発テーマとなっており、例えば電機メーカー等、これまであまり航空機産業に従事してこなかったメーカーにも装備品市場に本格的に参入するチャンスが広がっています。本プロジェクトにより航空機市場への新規参入・市場拡大を実現し、航空機産業のさらなる発展に貢献します。

実施体制(2019年度事業分)①:住友精密工業(株) ②:住友精密工業(株)�   ③:横河電機(株) ④:(株)島津製作所⑤:東京航空計器(株) ⑥:(株)リコー、東京大学 ⑦:(株)IHI⑧:九州大学、産業技術総合研究所、(株)神戸製鋼所、大陽日酸(株)、SuperOx�Japan(同)、(株)GSユアサ

※実施体制は2019年9月時点のものです

航空機用先進システム実用化プロジェクトの研究開発項目

①次世代エンジン用熱制御システム、⑦次世代エンジン電動化システム、⑧次世代電動推進システム

②次世代降着システム

③次世代コックピットディスプレイ

④次世代空調システム

⑤次世代飛行制御/操縦システム

⑥次世代自動飛行システム

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 21

航空機

次世代エンジン電動化システム研究開発7

© IHI

電⼒マネジメント

サーマルマネジメント© IHI

エンジン内蔵型電動機

サーマル、電⼒マネジメントシステムのイメージ

次世代航空機で予想される電⼒需要の増⼤に対応できる、エンジン内蔵型電動機を中核とした次世代電動化システムの開発

次世代⾃動⾶⾏システム研究開発

航空機⽤画像処理による、GPS/ILS※ 異常時の⾃動着陸システム、舵⾯故障時の⾶⾏維持システムの開発(※) Instrument Landing System:計器着陸装置

©JAXA

次世代⾶⾏制御/操縦システム研究開発対気速度の計測に使⽤されるピトー管、エア・データ・コンピュータ(ADC)、アクチュエータ・コントロール・コンピュータ(ACC)、光通信(EO)、電動アクチュエータ⽤のモータコントローラから構成される、操縦バックアップシステムの開発

操縦バックアップシステムのイメージ

ADC/ACC

EO

モータコントローラ

配管

ピトー管

光ファイバー

次世代空調システム研究開発冷媒の蒸発/凝縮による潜熱を利⽤した、電⼦機器冷却⽤の⼆相流体熱輸送システム、および回転数を可変制御できる軸流ファンの開発

⼆相流体熱輸送システムのイメージ 軸流ファンのイメージ【適⽤アイデア例】

回転数指令

広作動範囲・高効率翼車

永久磁石モータ(アウターロータ・モータ)

モータ・ドライバ(内蔵)

電源・直流・交流

DC-DC/AC-DCコンバータ

タキシングシステムのイメージ

次世代降着システム研究開発2電気油圧式アクチュエータを⽤いた脚揚降システム、エンジン推⼒を使⽤せずに機体を地上⾛⾏させるタキシングシステムの開発

脚揚降システムのイメージ

次世代コックピットディスプレイ研究開発3©THALES iCockpitコックピットディスプレイに求められる安全性・耐環境性・市場競争⼒を

兼ね備えた⼤画⾯・シームレスディスプレイモジュールの開発、およびタッチパネル機能の開発

コックピットディスプレイのイメージ

次世代電動推進システム研究開発8航空機⽤電動推進システムを構成する、全超電導回転機(同期発電機・モータ)、超電導ケーブル、インバータ、冷却システム等に関する各要素技術の開発や、⾼エネルギー密度(Wh/kg)と⾼出⼒密度(W/kg)を両⽴させる、航空機⽤蓄電池の開発

推進⽤分散ファン

モータパワエレ発電機ターボファンエンジン

蓄電池

冷却システム

1 次世代エンジン⽤熱制御システム研究開発⾼効率で軽量コンパクトな熱制御システム、およびその構成要素であるASACOC※1、HFCOC※2、OFCV※3の開発(※1) Advanced Surface Air Cooled Oil Cooler︓

エンジンから取り込む空気を利⽤して、エンジン潤滑油を冷却する熱交換器(※2) Hybrid Fuel Cooled Oil Cooler︓

航空機に搭載している燃料を利⽤して、エンジン潤滑油を冷却する熱交換器(※3) Oil Flow Control Valve︓ エンジン潤滑油の流量を調節するバルブ

熱制御システムのイメージ AOHE :Air Oil Heat Exchanger

画像処理システムのイメージ

電⼒

電動推進システムのイメージ

研究開発の内容

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介22

AI

次世代人工知能・ロボット中核技術開発

人を見守る人工知能、人と協働するロボットの実現のための研究開発

事業期間 2015年度~2019年度

予算額 39.1億円(2019年度)

PM 渡邊 恒文(NEDO ロボット・AI部 専門調査員)

PL 辻井 潤一((国研)産業技術総合研究所 人工知能研究センター 研究センター長)

プロジェクト概要 本プロジェクトでは、経済成長の原動力となる次世代AIとロボットの革新的な中核技術の研究開発を産学官連携により行っています。その成果としてトップレベルの技術やデファクト化を目指すだけではなく、プラットフォームの構築やコンソーシアムの設立によりそれら技術を広く活用するための仕組みづくり、社会実装を促進するための企業とのマッチングや起業の推進など、プロジェクト後も継続的に成果を最大化するための取り組みを行っています。さらに、それら技術を社会実装(実用化・事業化)することにより、現代社会の課題を解決すべく取り組んでいます。このために、AI研究の先進国である米国から卓越した技術者の招聘等により研究開発を加速する取り組みや、AI技術活用のモデルケースとしての社会実装に向けた研究開発、AI技術を生かしたビジネスを展開するベンチャーを支援するためのコンテスト方式による企業発掘(AIコンテスト)などを実施しています。これらの取り組みにより、人を見守るAI�、人と協働するロボットを実現することを目指しています。

研究開発内容

V【研究開発拠点】産業技術総合研究所 人工知能研究センター(AIRC)人工知能分野の研究者の英知を拠点に結集

【次世代人工知能技術分野】

① 大規模目的基礎研究・先端技術研究開発脳型AIとデータ・知識融合型AIの研究開発

② 次世代人工知能フレームワーク研究・先進中核モジュール研究開発画像認識、音声認識等の要素技術をモジュール化し、再利用可能なフレームワークを構築して応用を加速

③ 次世代人工知能共通基盤技術研究開発次世代AIを評価するためのデータセットと標準問題設定AIの信頼性に関する技術開発

⑦ 次世代人工知能技術の社会実装に関するグローバル研究開発日本が抱える社会課題解決への貢献と、グローバルに通用するAI技術の確立

人を支援する社会の実現のため、 AI技術を研究開発しています。

※ AIコンテストAIベンチャー企業が有する革新的・挑戦的な技術の発掘と支援

⑧ 次世代人工知能技術の日米共同研究開発大学を中心とした研究機関に米国の大学や研究機関から卓越した研究者を招聘

※PM:プロジェクトマネージャー、PL:プロジェクトリーダー

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 23

AI

【革新的ロボット要素分野】

④ 革新的なセンシング技術(スーパーセンシング)的確に信号抽出ができる画期的な視覚・聴覚・力触覚・嗅覚・加速度センシングシステムやセンサーと行動を連携させて、検知能力を向上させる行動センシング技術等の研究開発

⑤ 革新的なアクチュエーション技術(スマートアクチュエーション)革新的なアクチュエータや革新的アクチュエータ制御、高度な位置制御やトルク制御を組み合わせてソフトウェア的に関節の柔軟性を実現する新方式の制御技術や機構等の研究開発

⑥ 革新的なロボットインテグレーション技術実環境の変化を瞬時に認知判断し、即座に対応して適応的に行動する技術や個別に開発された要素技術を効果的に連携させ統合動作させるシステム統合化技術等の研究開発

人とロボットの協働社会を実現させるため、ロボットが柔軟に行動を計画する技術等、必要であるが未達な技術を研究開発しています。

PM のコメント 本プロジェクトは、次世代AIとロボットの中核技術を研究開発する「基礎研究」と、次世代AI技術を利活用することで社会課題の解決を目指す「社会実装」の2つから構成されています。「基礎研究」においては、産業競争力の基盤となる世界と戦える技術、デファクトとなる技術、トップレベルの技術を創出することを目的とし、プロジェクト終了時点のみならず、終了後も広く世の中に影響のある成果を創出します。それらの成果は、新たな研究のシードとなることが期待される「次の技術」と、社会実装に利活用できる「使える技術」の2つの方向性を持っています。基礎研究として実施された複数の研究テーマの成果を拡大・融合することで「次の技術」のシードを創出します。また、技術的な観点に偏りがちな研究を、新規性・独自性を明確にした技術のポジショニングやユースケースを検討し実用化・事業化に近づくための「使える技術」を創出します。これに対し「社会実装」においては、社会課題の解決を起点にして、そこで必要なAI技術とビジネス戦略策定の2つの観点から研究開発を行うことにより、新たな成長市場の創出を目指しています。 また、プロジェクト終了後の継続性をにらんだ、企業とのビジネスマッチングの機会の提供、起業化の推進も積極的に行っています。さらに、プロジェクトに参画している研究者間の連携・融合を目指した情報交換の場を設け、それぞれの強みを持ち寄ることで、新たな価値を創出する「共創の場」となることを期待しています。

実施体制(2019年度事業分)【次世代人工知能技術分野】①②③(拠点採択):(国研)産業技術総合研究所①:(株)国際電気通信基礎技術研究所、(株)MOLCURE⑦:東京大学、(国研)産業技術総合研究所、東京大学/(国研)産業技術総合研究所/三菱電機(株)、東京大学/慶應義塾大学/千葉大学/東北大学/(国研)産業技術総合研究所/日本無線(株)/日本電気(株)/住友電気工業(株)/一般社団法人UTMS協会、京都大学

⑧:筑波大学、埼玉大学、名古屋大学、大阪大学、広島大学、東北大学①②③:(株)DeepX、PuREC(株)/名古屋大学、(株)MICIN、IDECファクトリーソリューションズ(株)/Rapyuta�Robotics(株)、MI-6(株)、(株)ロックガレッジ

③:横浜国立大学/東京医科大学/キユーピー(株)、中部大学、東京工業大学、(株)ゼンリン/大阪大学、(国研)産業技術総合研究所/BonBon(株)、大阪大学/電気通信大学、サスメド(株)、(国研)産業技術総合研究所

【革新的ロボット要素技術分野】④:東京大学/住友化学(株)/(地独)神奈川県立産業技術総合研究所、東北大学、熊本大学、豊橋技術科学大学、(国研)産業技術総合研究所、富山県立大学、九州大学

⑤:東京工業大学、信州大学/(国研)産業技術総合研究所、横浜国立大学、東北大学、豊田合成(株)/アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)、中央大学、名城大学、東京工業大学/北海道大学/北陸先端科学技術大学院大学

⑥:(株)国際電気通信基礎技術研究所、パナソニック(株)/早稲田大学、明治大学、(一社)日本ロボット工業会、(国研)産業技術総合研究所/慶應義塾大学/(株)ジェネシス、(国研)産業技術総合研究所、ダブル技研(株)/東京都立産業技術高等専門学校、東京大学/ブルーイノベーション(株)、慶應義塾大学、エアロセンス(株)

※実施体制は2019年9月時点のものです

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介24

AI

次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発

人工知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証と人工知能技術の適用領域を広げる研究開発

事業期間 2018年度~2023年度

予算額 17.0億円 (2020年度)

PM 柳本 勝巳 (NEDO ロボット・AI部 主査)

PL 樋口 知之(中央大学理工学部 経営システム工学科教授)

PL 堀 浩一(東京大学 大学院工学系研究科教授)

PMのコメント 本プロジェクトは、AI技術の早期社会実装が求められている「生産性」や「空間の移動」などの重点分野において、13件の研究開発テーマで、AI技術の導入期間を従来比10分の1へ短縮する研究開発・実証を行うとともに、AI技術適用領域の拡大や人間の発想などを支援する共通基盤技術の確立を目指します。これらをアジャイル型の開発手法で進め、社会実装を加速し、グローバル市場の獲得につなげます。AI技術が導入され、生産性が向上することにより省エネルギー化とCO2排出削減につながることが期待されます。

※PM:プロジェクトマネージャー、PL:プロジェクトリーダー

プロジェクト概要 AI技術等を活用した省エネルギー等のエネルギー需給構造の高度化に貢献する人工知能技術の社会実装を加速し、グローバル市場の獲得につなげます。

研究開発項目1. AIモジュールやデータ取得のためのセンサー技術、研究インフラを活用・インテグレートして、従来の人による管理では達成できないエネルギーの需給構造の高度化の効果を得るAI技術の社会実装をアジャイル型の開発手法等で加速する研究開発・実証を行います。研究開発項目2. 新たな領域へのAI技術導入の加速、AI技術の社会実装を業務効率化といった基礎的なレベルから、業務運営の方法・業務改善の施策・経営戦略の提案までの業務支援の高度化における課題を解決する�「人工知能技術の導入加速化技術」、�「仮説生成支援を行う人工知能技術」とものづくり現場の暗黙知をAIに適用できる体系化と熟練者の判断をモデル化する「作業判断支援を行う人工知能技術」の研究開発・実証までを行います。

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 25

AI

研究開発の内容

実施体制(2019年度事業)■生産性(プラント保全):� コニカミノルタ(株)、神戸大学■生産性(サプライチェーン経営):� 産業技術総合研究所、(株)ABEJA■生産性(土木建築):� 東北大学、(株)佐藤工務店、千葉工業大学■生産性(風力発電):� (株)日立製作所、東京大学、産業技術総合研究所■空間の移動(乗合交通):� (株)未来シェア、産業技術総合研究所、(株)NTTドコモ■生産性(生産支援ロボット):� スキューズ(株)、首都大学東京、静岡大学、東洋大学■生産性(太陽光発電):� ヒラソル・エナジー(株)■導入加速・仮説検証支援:� 産業技術総合研究所、(株)ABEJA■作業判断支援(設計):� SOLIZE(株)、(株)レトリバ、産業技術総合研究所■作業判断支援(製造):� 大阪府立大学、ジャパンマリンユナイテッド(株)■作業判断支援(製造):� 神奈川県立産業技術総合研究所、住友重機械ハイマテックス(株)■作業判断支援(製造):� 信州大学、富士紡ホールディングス(株)■作業判断支援(製造):� 東京大学、(株)レクサー・リサーチ、(株)デンソー、(株)岐阜多田精機、情報・システ�� ム研究機構国立情報学研究所、産業技術総合研究所、早稲田大学

※実施体制は2019年9月時点のものです

1.⼈⼯知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証

2.⼈⼯知能技術の適⽤領域を広げる研究開発

⽣産性(プラント保全) ⽣産性(⾵⼒発電)

⽣産性(⼟⽊建築)⽣産性(サプライチェーン経営) 空間の移動(乗合交通)

⽣産性(⽣産⽀援ロボット)⽣産性(太陽光発電)

事例・データ⽅法・ツール

導⼊加速・仮説検証⽀援

設計(⾃動⾞産業の設計⼯程)

製造(造船産業の曲げ加⼯) 製造(レーザー溶接加⼯)

製造(繊維産業の⽣産⼯程)

製造(組⽴・⾦型⽣産システム)

作業判断⽀援

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介26

AI

人工知能技術適用によるスマート社会の実現

あらゆる人が質の高いサービスを受けられるスマート社会を実現する人工知能技術の研究開発と実証

事業期間 2018年度~2022年度

予算額 19.5億円(2020年度)

PM 坂元 清志(NEDO ロボット・AI部 主査)

PL 辻井 潤一((国研)産業技術総合研究所 人工知能研究センター 研究センター長)

プロジェクト概要 人工知能技術戦略で定めた「生産性」、「健康、医療・介護」、「空間の移動」の重点分野において、AI技術の社会実装を推進する研究開発を実施します。具体的には、これまで研究開発、導入が進められてきたAIモジュールやデータ取得のためのセンサー技術、研究開発インフラを活用しながら、サイバー・フィジカル空間を結合した、スマートな社会を実現するための研究開発・実証を行います。 本プロジェクトでは、日本の得意分野にAI技術を応用することで競争優位性を確保するとともに、AI技術の有効活用に不可欠な現場データの明確化と取得・蓄積・加工のノウハウを確立し、AI技術の社会実装の先行的な成功事例を創出します。また、社会のさまざまなニーズにきめ細かく対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられる超スマート社会の構築を推進します。

※PM:プロジェクトマネージャー、PL:プロジェクトリーダー

実施体制(2019年度事業)【生産性分野】・�MyDataに基づく人工知能開発運用プラットフォーム:東京大学/星城大学/慶應義塾/(株)エングラフィア/(公財)未来工学研究所・�植物工場等バリューチェーン:(株)ファームシップ/東京大学・�スマートフードチェーン:(国研)産業技術総合研究所/(国研)農業・食品産業技術総合研究機構/(一財)日本気象協会【空間の移動分野】・�地理空間情報プラットフォーム:(国研)産業技術総合研究所・�移動のための三次元マップ:(国研)産業技術総合研究所/東京大学/パナソニック(株)【健康、医療・介護分野】・�生活現象モデリング:(国研)産業技術総合研究所・�IoT・AI支援型健康・介護サービスシステム:(国研)産業技術総合研究所/(国研)理化学研究所/(地独)東京都健康長寿医療センター/(国研)国立精神・神経医療研究センター/パナソニック(株)/キング通信工業(株)/美津濃(株)/(株)竹中工務店/東京大学/立命館大学/明治大学/セイコーインスツル(株)/foo.log(株)・�脳卒中予防システム:慈恵大学/東京理科大学/(株)マックスネット

※実施体制は2019年9月時点のものです

PMのコメント AI技術を人々に役立てるためには、適切かつタイムリーに収集した現場のデータをAI技術によって分析・解析し、適切かつタイムリーにフィードバックするサイクルを構築しなくてはなりません。 本プロジェクトでは、これまでに開発や導入が進められてきたAIモジュール、データ取得のためのセンサー技術、研究インフラを活用しながら、サイバー(仮想)とフィジカル(現実)の両空間が高度に融合した「スマート社会」を実現するための研究開発・実証を行うことにより、AI技術による社会課題解決を加速します。

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 27

AI

【空間の移動分野】• 実世界での⼈流、物流、交通流の最適化の実現のため、サイバー空間上に屋内外の情報を網羅した3次元マップ構築及び3次元データ構成技術、教師データ化や可視化等の技術開発を実施します。

• ⼈流、物流、交通流の最適化の実証実験及び3次元基盤技術の規格化と協調領域技術のオープンソース化により新たな産業基盤を確⽴します。

【⽣産性分野】• ⽣産から消費までの各段階のデータを共有し、これらを活⽤し、迅速・最適な需給マッチングを実現できるAI技術やセンシング技術の研究開発を実施します。

• バリューチェーン全体の最適化、市場拡⼤、新産業の創出を⽬指します。

MyDataに基づく人⼯知能開発運⽤プラットフォーム

地理空間情報プラットフォーム

⽣活現象モデリング

植物⼯場等バリューチェーン

スマートフードチェーン

移動のための三次元マップ

【健康、医療・介護分野】• 介護等の現場のビッグデータを⼊⼿し、出⼝産業と連携した⼤規模実証を実施し、省⼒的で利⽤者の個⼈特性に則したスマート地域介護・健康維持増進システムを構築します。

• 特定の⾃治体での実証実施、成果を国内他地域に普及展開し⺠間投資を促進します。

IoT・AI⽀援型健康・介護サービスシステム

脳卒中予防システム

研究開発の内容

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介28

SIP

※PD:プログラムディレクター、PM:プロジェクトマネージャー

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術

サイバー空間とフィジカル空間が融合し、ビッグデータを自由に活用することで、「人」と「AI」が協調する社会(Society5.0)を実現

事業期間 2018年度~2022年度

予算額 19.3億円(2020年度)

PD 安西 祐一郎(慶応義塾 学事顧問、同大学名誉教授)

PM 間瀬 智志(NEDO ロボット・AI部 主査)

プロジェクト概要 Society�5.0�として目指すべき社会では、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、ビッグデータと�AI�の活用から生まれたイノベーションにより、新たなサービスやビジネスモデルが誕生し、さまざまな分野で新たな価値が創出され、経済社会システムのパラダイムシフトが起こることが期待されています。Society�5.0を具現化するためには、サイバー空間とフィジカル空間とが相互に連携したシステム作りが不可欠であり、未ださまざまな開発要素・課題があります。 本課題においては、「サイバー空間基盤技術」の中で特に、人とAI�の協働に資する高度に洗練された「ヒューマン・インタラクション基盤技術」と、「分野間データ連携基盤技術」、「AI�間連携基盤技術」を確立し、ビッグデータ・AI�を活用したサイバー・フィジカル・システムを社会実装します。

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 29

SIP

(1)ヒューマン・インタラクション基盤技術(1-1)認知的インタラクション支援技術:人とAIの高度な協調を実現するための人の認知・行動に関わる非言語データを収集・構造化し、状況判断やコミュニケーションを個人に合せて支援する高度なインタラクション支援技術(1-2)高度マルチモーダル対話処理技術:人とAIが協働するためのマルチモーダルな記憶・統合・認知・判断を可能とする高度対話処理技術(1-3)学習支援技術:教育現場等から教師及び学生に係るビッグデータを取集し、AIと組み合わせることで教育、学習活動を最適化する技術(1-4)介護支援技術:介護現場から介護士及び被介護者に係るビッグデータを収集し、AIと組み合わせることで介護士・被介護者双方の負担を軽減する技術

(2)分野間データ連携基盤技術:分野を越えたデータ共有と利活用のための技術とこれらデータをワンストップで供給するプラットフォーム整備

(3)AI間連携基盤技術:複数のAIを自動的に協調・連携させるための技術

(4)アーキテクチャ構築:スマートシティ等分野において、分野・企業横断の相互連携等を可能とするアーキテクチャの構築

研究開発の内容

実施体制(2019年度事業)(1-1)認知的インタラクション支援技術:(国研)産業技術総合研究所/次世代化学材料評価技術研究組合/東京大学/東北大学/筑波大学//筑波大学/茨城県産業技術イノベーションセンター/(株)クリアタクト/エーテック(株)//(国研)理化学研究所/(国研)量子科学技術研究開発機構/計測検査(株)/(一社)社会基盤情報流通推進協議会(1-2)高度マルチモーダル支援技術:KDDI(株)、(国研)情報通信研究機構/NECソリューションイノベータ(株)(1-3)学習支援技術:東京大学/京都大学/日本電信電話(株)/エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)/エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ(株)//岡山大学//広島大学(1-4)介護支援技術:(株)エクサウィザーズ//(株)アルム/東京慈恵会医科大学/日本テクトシステムズ(株)/データセクション(株)//(株)aba(2)分野間データ連携基盤技術:情報・システム研究機構/(株)エヌ・ティ・ティ・データ/JIPテクノサイエンス(株)//(株)日立製作所/ソフトバンク・テクノロジー(株)/東京大学/日本電気(株)/富士通(株)(3)AI間連携基盤技術:日本電気(株)/沖電気工業(株)/東京農工大学/東京大学/豊田通商(株)//慶應義塾大学/(国研)理化学研究所/(国研)国立成育医療研究センター/佐賀大学(4)アーキテクチャ構築:アクセンチュア(株)/(一社)データ流通推進協議会/鹿島建設(株)/(株)日立製作所/(国研)産業技術総合研究所/日本電気(株)//アクセンチュア(株)/(株)アスコエパートナーズ/(株)ARISEanalytics/TIS(株)//慶應義塾/名古屋大学//日本電気(株)//日本電気(株)//(株)JTB//(株)つくばウエルネスリサーチ/(株)日建設計総合研究所/有限責任監査法人トーマツ//エブリセンスジャパン(株)/ソフトバンク(株)/日鉄ソリューションズ(株)//(株)日建設計総合研究所/綜合警備保障(株)//(一社)データ流通推進協議会//(株)エヌ・ティ・ティ・データ/大日本印刷(株)/富士通(株)//大阪大学//日本電気(株)//KDDI(株)//セイコーソリューションズ(株)/セコムトラストシステムズ(株)//(一社)社会基盤情報流通推進協議会/(株)価値総合研究所/(国研)産業技術総合研究所/東京大学

※実施体制は2019年9月時点のものです

PMのコメント 本プロジェクトは、総合科学技術・イノベーション会議が実施する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のひとつです。NEDOは管理法人として、安西プログラムディレクターのもと、プロジェクトの効果的・効率的な運営を行い、新たなAI技術の研究開発とサイバー・フィジカル・システムの社会実装を推進します。

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プロジェクトの紹介

ロボット・AI分野 事業紹介30

SIP

※PD:プログラムディレクター、PM:プロジェクトマネージャー

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/自動運転(システムとサービスの拡張)

自動運転の実用化を高速道路から一般道へ拡張自動運転技術を活用した物流・移動サービスの実用化

事業期間 2018年度~2022年度

予算額 31.2億円(2020年度)

PD 葛巻 清吾(トヨタ自動車㈱ 先進技術開発カンパニー フェロー)

PM 林 成和(NEDO ロボット・AI部 統括研究員)

プロジェクト概要 自動運転に対する関心は日に日に高まっており、自動車メーカーや部品メーカー等は積極的な研究開発への投資を行うとともに、国レベルでも研究開発プロジェクトや実証実験の誘致が盛んに行われています。また、日米欧を中心に実用化に向けた法整備や環境整備等も着実に進んでいます。 本プロジェクトでは、自動運転を実用化し普及拡大していくことにより、交通事故の低減、交通渋滞の削減、過疎地等での移動手段の確保や物流業界におけるドライバー不足等の社会的課題の解決に貢献し、すべての国民が安全・安心に移動できる社会の実現を目指します。NEDOは管理法人としてプロジェクト全体を支援します。

【自動運転の全体構想】

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� プロジェクトの紹介

� ロボット・AI分野 事業紹介 31

SIP

研究開発の内容

PM のコメント 世界中で自動運転の実現による社会変革への期待が高まる中、日本においては、その技術がSociety�5.0の実現に先導的な役割を果たすことが求められています。特に、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の機会を活用して、東京臨海部等でさまざまな事業者・自治体等を巻き込んだ実証実験を行うなど、実用化に必要なステークホルダー参加型の研究開発により、自動運転の実用化による新たな産業・サービス創出の実現を目指し、日本の自動運転技術を世界に発信します。

実施体制(2019度事業分)[委託先]パシフィックコンサルタンツ(株)/日本工営(株)/(株)ドーコン/(株)オリエンタルコンサルタンツ/(一財)道路新産業開発機構/(株)三菱総合研究所/名城大学/中部大学/金沢大学/(株)SOKEN/(株)デンソー/パイオニア(株)/日立オートモティブシステムズ(株)/京王電鉄バス(株)/(株)日本総合研究所/日本ユニシス(株)/三菱プレシジョン(株)/(株)OTSL/立命館大学/神奈川工科大学/(国研)理化学研究所/筑波大学/名古屋大学/同志社大学/東京大学/ダイナミックマップ基盤(株)/三菱電機(株)/(株)NIPPO/(株)住商アビーム自動車総合研究所/(株)コングレ/住友電気工業(株)/アイサンテクノロジー(株)/インクリメント・ピー(株)/(株)トヨタマップマスター/(株)ゼンリン/(株)パスコ/(一社)UTMS協会/日本信号(株)/オムロンソーシアルソリューションズ(株)/パナソニックシステムソリューションズジャパン(株)

※実施体制は2019年9月時点のものです

[Ⅰ]自動運転システムの開発・検証(実証実験) (1)東京臨海部実証実験のための交通インフラの整備及び実験の推進 (2)地方部等における移動・物流サービスの社会実装に関する実証実験 (3)自動運転に係る交通環境情報を中心としたデータ連携等に関する実証実験[Ⅱ]自動運転実用化に向けた基盤技術開発 (1)信号情報、車両プローブ情報等の交通環境情報の利活用技術 (2)仮想空間での安全性評価技術 (3)自動運転の高度化に則したHMI等に関する研究、 (4)新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究[Ⅲ]自動運転に対する社会的受容性の醸成 (1)市民等に向けた情報発信と理解増進 (2)自動運転技術による交通事故低減や交通制約者支援等の社会的課題解決に向けた調査[Ⅳ]国際連携の強化 (1)国際ワークショップの開催等を通じた情報発信及び共同研究の推進

〔東京臨海部実証実験内容〕

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ロボット・AI分野 事業紹介32

人材育成

NEDO特別講座

※OSS�:�Open�Source�Software

システム・インテグレーションを加速するロボット共通ソフトウェア技術を維持・普及・発展させていくための人材の育成・交流・研究の活性化に係る特別講座

OSSに基づくロボット共通ソフトウェア技術の活用拡大を推進するNEDO特別講座

2020年度事業 公募中(2020年3月現在)

実施体制

事業期間 2020年度~2022年度

予算額 0.3億円(2020年度)

プロジェクト概要 2019年度に終了した「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」において、ロボットのシステム・インテグレーションの効率化とコスト低減を目的として、OSS(Open�Source�Software)を活用したロボット共通ソフトウェア技術を開発しました。本講座は、この開発成果をプロジェクトに参加していないロボット技術者に広く活用いただくとともに、開発成果のソフトウェア技術を継続的に維持し、さらに向上させることを目的としています。本講座では、ロボット共通ソフトウェア技術の教育にとどまらず、ロボット共通ソフトウェアにかかわる人材の交流機会の創出や、技術の維持・向上を継続的に行う仕組みづくりも行います。

実施内容

人材育成の講座の実施

体系的なセミナー等を開催し、ロボット共通ソフトウェア技術を活用する人材を育成すると同時に、当該分野を将来にわたって支える人材育成の仕組みづくりを行う。また、プロジェクト終了後も継続的に教育を行うための講義・演習カリキュラムを作成する。

人的交流等の展開

関連する様々なステークホルダーの人的交流を実施することにより、ロボット共通ソフトウェア技術をユーザーとともに創り、育て、定着させるための新たな実用化・普及活動を実施する。また、日本の将来のロボット基盤技術を持続的に創り出すことのできる戦略を企画立案する。

周辺研究の実施

ロボット共通ソフトウェア技術に関する、機械学習等、ROS活用先進事例開発を含んだ教材を開発するとともに、ロボット共通ソフトウェア技術の維持・発展のため、成果ソフトウェアのメンテナンス作業、開発効率向上に関する定量的評価、継続的な保守運用の仕組みを構築する。

OSSによるロボットシミュレーションの例

 ロボット共通ソフトウェア技術を活用するユーザ団体と連携し、本講座の終了後も人材育成や人材交流活動を継続し、技術の維持向上を推進できる体制を構築し、ロボット共通ソフトウェア技術の活用拡大を推進する予定です。

今後の展開

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� ロボット・AI分野 事業紹介 33

性能評価

NEDO特別講座

NEDOプロジェクトを核とした人材育成、産学連携等の総合的展開/ロボット性能評価手法に係る特別講座

インフラ点検や災害対応分野におけるロボット活用加速や普及拡大を担う人材を育成

 本プロジェクトを通じ、性能評価手順書やRTFが継続的に利用され、当該分野のロボット活用加速や普及拡大を担う人材が育つという「好循環」を形成することを目指します。これにより、2030年に7000億円規模と期待されている社会インフラの維持管理・更新のためのロボット関連市場の創出にも貢献します。

今後の展開

(一財)製造科学技術センター※実施体制は2019年9月時点のものです

実施体制(2019度事業分)

事業期間 2018年度~2020年度

予算額 0.2億円(2019年度)

プロジェクト概要 インフラ点検や災害対応分野などにおいて活用が期待される各種ロボット(無人航空機、水中点検ロボット、陸上移動ロボット)について、その性能を実現場へ導入する前に把握するための性能評価手法の原案を取りまとめ、2018年5月に経済産業省とともに「ロボット性能評価手順書」として公表しました。また、福島ロボットテストフィールド(RTF)では、本手順書に基づいた各種ロボットの性能を測定するための試験設備および測定機器を備え、2019年度末に全面開所しています。 このような背景を踏まえ、NEDO特別講座の一環として、ロボット性能評価手順書とRTFの活用によるインフラ点検や災害対応分野におけるロボット活用加速や普及拡大を目指した人材育成事業を行っています。

(1)人材育成講座の実施 ロボットメーカーや将来のユーザーとなり得る方、また橋梁やダムなどを管理する地方公共団体などを対象に、ロボット性能評価手法およびRTFでの試験方法などに関する講座を実施します。2019年度は、3分野(橋梁・水中・陸上)毎に4地区(東京・名古屋・大阪・福島)において、四半期毎に座学等を開催しました。(2)人的交流等の開催 ロボット性能評価手順書の社会的認知の向上や社会受容性の醸成を目指し、シンポジウムやマッチングイベントを開催します。(3)周辺研究の実施 ロボット性能評価手法の見直しおよび改訂、RTFの試験設備や測定機器の適時改修などの課題の取りまとめの検討を実施します。

実施内容

ロボット性能評価に係るキックオフシンポジウム(2019.1.17)

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ロボット・AI分野 事業紹介34

World Robot Summit W

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 「World�Robot�Summit�(総称:WRS)」は、人間とロボットが共生し協働する世界の実現を念頭に、世界のロボットの叡智を集めて開催する競演会です。WRSでは、ロボットの競技会「World�Robot�Challenge」と、最新のロボット技術を展示する「World�Robot�Expo」を介して、世界中のロボット関係者が一堂に集まり、リアルな日々の生活、社会、産業分野でのロボットの社会実装と研究開発を加速させることを目的とします。

開催概要

ロボットの社会実装と研究開発を加速させる「World Robot Summit」の開催

RoboticsforHappiness

【展示会】

World Robot Expo (WRE)

4カテゴリーで叡智を競う○ものづくり ○サービス○インフラ・災害対応 ○ジュニア

【競技会】World Robot Challenge (WRC)

ロボット導入の事例を世界発信○国が主導する最新のロボット関連展示○一般出展エリア

【展示会】World Robot Expo (WRE)

【サイドイベント】

会場内外での参加型、体験型などのイベントを検討

【シンポジウム / ワークショップ】 【サイドイベント】

世界各国の有識者等によるフォーラム、協賛企業によるワークショップなど

会場内外での参加型、体験型などのイベント

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� ロボット・AI分野 事業紹介 35

World Robot Summit

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 日本では、高齢化に伴う人手不足の解消、生産性の向上といった課題に直面しており、その解決の鍵として、ロボットの活躍が強く期待されています。今後、他の国においても、日本と同様の課題を抱える国は増えることが想定され、世界中の課題解決のため、ロボットが貢献できる可能性は大きく、ロボット技術の発展は、世界の将来にとって重要です。World�Robot�Summitにおいて、ロボットに関わる技術やアイデアが競いながら発展し、イノベーションを起こす場となること、そして国を超えて世界の課題解決に立ち向かっていくきっかけとなることを期待しています。

PMのコメント

 NEDOは経済産業省とともに、2018年10月17日~21日の5日間、東京ビッグサイトでWorld�Robot�Summit�2018を開催しました。現在、WRS2018で得られた結果を基に、競技ルールや運営面の見直しを行っています。2020年8月、10月に開催されるWorld�Robot�Summitの本大会は、愛知県国際展示場と福島ロボットテストフィールドにおいて実施を予定しています。

※新型コロナウイルス感染拡大による影響のため2021年度に延期することが決定 しました(開催時期は調整中)。最新情報はNEDOホームページをご確認ください。

WRS2018開会式で挨拶をする世耕経済産業大臣(当時)

WRS2018表彰式

経済産業省(国研)�新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

WorldRobotSummit(WRS)運営事務局E-mail [email protected]

公式HPFaceBookYouTube

https://worldrobotsummit.org/https://www.facebook.com/worldrobotsummit/https://www.youtube.com/channel/UCPIi946f5n4X2ZRZdrWb8Ng

主催

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●本部〒212-8554神奈川県川崎市幸区大宮町1310ミューザ川崎セントラルタワー(総合案内16F)TEL : 044-520-5100(代表) FAX : 044-520-5103

●ワシントン1717 H Street, NW, Suite 815Washington, D.C. 2 0 0 0 6, U.S.A.TEL : +1-202-822-9298FAX : +1-202-733-3533

●シリコンバレー3945 Freedom Circle, Suite 790, Santa Clara, CA 9 5 0 5 4 U.S.A.TEL : +1-408-567- 8033FAX : +1-408-567-9831

国 内 拠 点

海 外 事 務 所

●欧州10, rue de la Paix 75002 Paris, France TEL : +33-1-4450-1828 FAX : +33-1-4450-1829

●ニューデリー15th Floor, Hindustan Times House, 18-2 0 Kasturba Gandhi Marg, Connaught Place,New Delhi 110 0 01, IndiaTEL : +91-11-4 3 51-0101FAX : +91-11-4 3 51-010 2

●北京2001 Chang Fu Gong Office Building, Jia-26, Jian Guo Men Wai Street, Beijing 100022, P.R.ChinaTEL : +86-10-6526-3510 FAX : +86-10-6526-3513

●バンコク8th Floor, Sindhorn Building Tower 2,130-132 Wittayu Road, Lumphini, PathumwanBangkok 10 3 3 0, ThailandTEL : +66 -2-256-6725 FAX : +66 -2-256-6727

●関西支部〒530-0011大阪府大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪 ナレッジキャピタル タワー C 9FTEL : 06-4965-2130 FAX : 06-4965-2131

May 2020(第1版)

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構ロボット・AI部〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎セントラルタワーTel 044-520-5241 Fax 044-520-5243https://www.nedo.go.jp/

ロボット・AI分野 事業紹介