SPECIAL - shiroyama-hsp.or.jp ·...

2
SPECIAL 場合によってはバイパス手術が必要になることもありま す。治療後、再発防止するには薬物治療を開始します。 心筋梗塞を起こした患者さんは、心臓の働きが弱くなっ ているため社会復帰までには時間がかかることが多いで す。患者さんのレベルに応じた運動プログラムなどを取 り入れながら、生活習慣の改善や社会復帰に向けた指導 を行うものが心臓リハビリテーションです。心臓リハビ リテーションを行い徐々に心機能を戻しながら、社会復 帰を目指すことになります。 危険要因と予防 心筋梗塞は生活習慣病から発症し、糖尿病、高血圧、 脂質異常、喫煙肥満が大きな危険因子で、家族歴も大き く影響します。冒頭で「心筋梗塞は突然死の主な原因で ある」と話しましたが、そうならないためにも危険因子 の厳格なコントロールと早期発見、早期治療が非常に大 切です。今は無症状の人も、危険因子に一つでも当ては まる方は、心電図や超音波検査や心臓CT検査の受診を 強くお勧めします。これらは外来で受ける事ができ、C T検査も当院でしたら近日中に予約が可能です。 心臓血管センターについて 「あらゆる心臓病、血管病に迅速かつ適切な治療を」 を目標に、当センターは柏原羽曳野藤井寺消防組合の管 轄内で唯一、循環器科、心臓血管外科、コメディカルが 一体となった24時間対応の循環器救急医療(緊急カテー テル治療、緊急心血管手術など)に取り組んでいます。 循環器医と心臓血管外科医、麻酔科、手術部、血管造影 を含む放射線部門、検査部門、リハビリテーション部 門、栄養部門など多種にわたるスタッフがチームになり 診察にあたっています。心臓のことで少しでも不安のあ る方はぜひ当センター外来 へ、もしくはお近くの専門医 のいる病院で受診されること をお勧めします。 外村大輔医師 心筋梗塞とは 心臓は、血液を全身に送る〝ポンプ〞の働きをして います。ポンプとして働くために、心臓の筋肉(心 筋)自身も、酸素や栄養を必要とします。その血液を 供給するのが、心臓を取り囲むように広がっている冠 動脈と呼ばれる血管です。この冠動脈で、血管壁が硬 くなる「動脈硬化」が進み、血管の内腔が狭くなるの が「狭心症」、完全に詰まるのが「心筋梗塞」です。 症状と治療 激しい胸の痛みが続きます。しかし、患者さんに よっては、みぞおちや肩、あご、肘が痛いと訴える方 がいます。以前、診察した患者さんは「歯が痛い」と 歯科医院に行かれて異常を知り、当センターに来られ たというケースもありました。また、普通は脂汗が出 るほどの痛みが生じるのですが、まったく痛みを感じ ずに発症する患者さんもおられます。治療は冠動脈の 閉塞部分を再び開通させるため、バルーンつきのカ テーテルを使った治療が一般的です。 心臓血管センター 循環器科副部長 日本救急医学会救急科専門医 日本脈管学会認定脈管専門医 日本内科学会認定内科医 日本心血管インターベンション 治療学会認定医

Transcript of SPECIAL - shiroyama-hsp.or.jp ·...

Page 1: SPECIAL - shiroyama-hsp.or.jp · り、脳梗塞や脳卒中、認知症などの病名がスライドに表示されると、皆さん真剣に聞き 入っておられ、メモを取る方や補聴器を合わせる方などを見ると、とてもタイムリーで

SPECIAL

「直前まで元気だったのに、突然亡くなられたとのこ

とで、驚きました。」こんな話を聞いたことがあるかと

思います。こうした突然死の原因の多くが、心臓疾患、

特に急性心筋梗塞です。発症すると病院搬送前に死亡さ

れる患者さんは約14%と言われています。心筋梗塞を

発症した患者さんの救急搬送および治療件数が大阪府下

でも上位に位置する城山病院心臓血管センターの外村医

師に、心筋梗塞について話を聞きました。

場合によってはバイパス手術が必要になることもありま

す。治療後、再発防止するには薬物治療を開始します。

心筋梗塞を起こした患者さんは、心臓の働きが弱くなっ

ているため社会復帰までには時間がかかることが多いで

す。患者さんのレベルに応じた運動プログラムなどを取

り入れながら、生活習慣の改善や社会復帰に向けた指導

を行うものが心臓リハビリテーションです。心臓リハビ

リテーションを行い徐々に心機能を戻しながら、社会復

帰を目指すことになります。

危険要因と予防 心筋梗塞は生活習慣病から発症し、糖尿病、高血圧、

脂質異常、喫煙肥満が大きな危険因子で、家族歴も大き

く影響します。冒頭で「心筋梗塞は突然死の主な原因で

ある」と話しましたが、そうならないためにも危険因子

の厳格なコントロールと早期発見、早期治療が非常に大

切です。今は無症状の人も、危険因子に一つでも当ては

まる方は、心電図や超音波検査や心臓CT検査の受診を

強くお勧めします。これらは外来で受ける事ができ、C

T検査も当院でしたら近日中に予約が可能です。

心臓血管センターについて 「あらゆる心臓病、血管病に迅速かつ適切な治療を」

を目標に、当センターは柏原羽曳野藤井寺消防組合の管

轄内で唯一、循環器科、心臓血管外科、コメディカルが

一体となった24時間対応の循環器救急医療(緊急カテー

テル治療、緊急心血管手術など)に取り組んでいます。

循環器医と心臓血管外科医、麻酔科、手術部、血管造影

を含む放射線部門、検査部門、リハビリテーション部

門、栄養部門など多種にわたるスタッフがチームになり

診察にあたっています。心臓のことで少しでも不安のあ

る方はぜひ当センター外来

へ、もしくはお近くの専門医

のいる病院で受診されること

をお勧めします。

外村大輔医師

心筋梗塞とは 心臓は、血液を全身に送る〝ポンプ〞の働きをして

います。ポンプとして働くために、心臓の筋肉(心

筋)自身も、酸素や栄養を必要とします。その血液を

供給するのが、心臓を取り囲むように広がっている冠

動脈と呼ばれる血管です。この冠動脈で、血管壁が硬

くなる「動脈硬化」が進み、血管の内腔が狭くなるの

が「狭心症」、完全に詰まるのが「心筋梗塞」です。

症状と治療 激しい胸の痛みが続きます。しかし、患者さんに

よっては、みぞおちや肩、あご、肘が痛いと訴える方

がいます。以前、診察した患者さんは「歯が痛い」と

歯科医院に行かれて異常を知り、当センターに来られ

たというケースもありました。また、普通は脂汗が出

るほどの痛みが生じるのですが、まったく痛みを感じ

ずに発症する患者さんもおられます。治療は冠動脈の

閉塞部分を再び開通させるため、バルーンつきのカ

テーテルを使った治療が一般的です。

心臓血管センター 循環器科副部長

日本救急医学会救急科専門医

日本脈管学会認定脈管専門医

日本内科学会認定内科医

日本心血管インターベンション

治療学会認定医

Page 2: SPECIAL - shiroyama-hsp.or.jp · り、脳梗塞や脳卒中、認知症などの病名がスライドに表示されると、皆さん真剣に聞き 入っておられ、メモを取る方や補聴器を合わせる方などを見ると、とてもタイムリーで

[城山病院のトピックス情報] TOPICS

平成30年10月25日、LICはびきので行われた羽曳野市老人クラブ連合会創立50周年

記念式典に参加させて頂きました。当院の脳外科島野先生が特別講師として、「脳

を守る、今すぐできること」というテーマでお話しされました。脳梗塞治療は早期

発見・早期治療が重要で、tPA(固まった血栓を溶かす薬)薬の投与や、カテーテル

治療(1~2mmのカテーテルを血管内にいれ、固まった血を吸い取って取り除く)に

より治療する事ができ、またそうなる前に、脳の血管の検査をすることの大切さに

ついても語られました。その際脳ドッグが例にあがり、検査をして病気が見つかれ

ば、何かされるのではないかと怖がって患者さんがなかなか検査を受けてくれない

などの話を交えつつ、検査を受けてから出来る治療法(経過観察や投薬治療)があ

ることも説明されました。認知症は、自覚症状の無いものが多く、特に高齢で一人暮ら

しとなるとかなり治療が遅れることを心配され、予防するためには、1日30分の有酸素運

動、中高年からの高血圧、高血糖、脂質異常症などに気をつける、バランスのとれた食

生活、家族・友人との社会的接触、読書やゲーム、コンピューターなどの知的活動や趣

味などが認知症予防に繋がるので積極的に行って欲しいと話されました。講演がはじま

り、脳梗塞や脳卒中、認知症などの病名がスライドに表示されると、皆さん真剣に聞き

入っておられ、メモを取る方や補聴器を合わせる方などを見ると、とてもタイムリーで

興味深い講演内容であったことが伺えました。また機会があれば、脳疾患についての話

をさせて頂きたいと島野医師も話しておりました。

脳卒中なんかに負けない はびきの市民大学の講座受講は、LICはびきのでお申込みください。

【受付場所】1階受付 9時00分~17時30分

【お申込み方法】LICはびきの 来館・電話・FAXにて受付

【TEL】072-950-5503【FAX】072-950-5650

【受講料】 各500円 【定員】60名

【お申込み期間】各講義日の前日までになります。 【講師】脳・脊髄・神経センター

センター長 島野裕史先生

「乳がんのこと、少し勉強してみませんか?」というテーマ

を元に、乳がんの基礎知識から最近話題のホットなニュース

まで、詳しくお話しをして頂きました。会場の受講者様は、

マンモグラフィー検査を受けられた方が9割だったり、他市か

ら参加された方など大変熱心な方も多く、かなり専門的なサ

ブタイプの話しや遺伝性乳がん診療の内容までしっかり聞か

れ、多数の質問を頂きました。受講者様からは「遺伝子検査が知れてよかった」「今後も

こうしたがんの勉強会には参加したい」といった声を頂き、大変好評でした。

がんサロン『白鳥の会』も、12月で8回目を迎えます。毎回、患者

様・ご家族様と一緒に、様々なテーマを取り上げて、楽しいひととき

と過ごしております。次回は、『自宅でできるセルフケア&セルフエ

クササイズ』です。専門的にリハビリをすることも大事ですが、自宅

で自分のペースで軽い運動を取り入れることは、体にとってもこころ

にとっても大事なことです。皆さま、ぜひご参加ください。

乳がんに罹患しやすい年齢は、30歳代後半から増えてきて、40歳代後半にピークがあり、70歳を過ぎても認められ

ます。そのため乳がんの早期発見のためにも、視触診をはじめ、マンモグラフィや乳房超音波検査が必要でありま

す。当院は、乳癌学会の認定施設として精度の高い乳がん検診を実施しております。

乳がんドック受診ご希望の方は、 ご来院又はお電話(072-958-1000)で乳がんドック係までお申し込み下さい。

※乳がんドックの料金は、10,000円(税抜き)になります。 ※平成30年11月1日現在の料金になります。

当院では、乳がんの早期発見には乳がんドックをおすすめします。

がん性疼痛看護認定看護師 河野 恵

がん相談支援センター

消化器・乳腺センター外科部長

緩和ケア対策室長

新田敏勝先生