CSA Japan Summit 2015 · クラウド導入事例 ....

ソニー銀行の考えるクラウド活用方式

～ハイブリッドクラウド環境におけるセキュリティの実装と運用構築～

2015年5月20日

ソニー銀行株式会社

システム企画部マネージャー基盤統括担当大久保光伸

CSA Japan Summit 2015

http://moneykit.net/index.html�

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企業概要

【事業概要】

個人向けインターネット銀行【開業】

2001年6月11日【資本金】

310億円【主な商品】

預金（特に外貨預金に特徴）住宅ローン投資信託

ソニー銀行の概要 0



企業理念

■ フェアである ■ 日本経済の新たな成長に貢献する ■ 資産運用ツールを提供する ■ IT技術を最大限活用する ■ 一人ひとりのお客さまのためのサービスを提供する ■ より有利な商品、よりよいサービスを提供する ■ インターネット・サービスのためのインフラを整備する ■ 自由豁達で愉快な業務環境を整備する




自己紹介「大久保光伸」


システム企画部マネージャー基盤統括担当

【主な担当業務】 ■ ITインフラ構造の全体最適化推進、クラウド基盤活用 ■ インフラ更改案件、個別案件の実施 ■ 先端技術（FinTech）の調査、活用検討

ミッション：ソニー銀行システムの安定稼働（24時間365日）

2009年12月入社（前職：株式会社電通国際情報サービス）特技：基盤と英語趣味：目黒『SUN＊MASTERS』（キッズフラッグフットボール）のコーチ

AWS Summit Tokyo 2014、FIT展2014、ISACA月例会、CSA勉強会、FIT東京フォーラム2015 公式スピーカー


１インフラアーキテクチャ戦略

２．セキュリティの実装と運用構築

３．クラウド導入事例

４．クラウド導入効果

５．今後の展望



ＩＴコスト構造改革の目的

インフラアーキテクチャ戦略

インフラ構築・管理、データセンタ運用・保守費用

お客様目線の新商品・新サービス開発費用

戦略的ITコスト

固定的ITコスト

【目的】限られたIT予算内で「固定的ITコスト」を減らし「戦略的ITコスト」を捻出



FY2014 FY2015 FY2016

ＩＴコスト構造改革の手段

Gartner Cloud Hype Cycle 2014 引用

01

02

03

インフラ標準化推進

OSS（Linux化）推進

ネットワーク基盤最適化

パブリッククラウド併用

共通設計書作成・インフラのコード化

キャリア閉域網活用・セグメント見直し

プラットフォームに依存しない構築管理自動化

ハイブリッドSDN （分散と集中の統合管理）

ハイブリッドクラウド（プライベートクラウドの統合管理）




クラウド移行方針


クラウド導入のスコープは、『一般社内業務システム』および『銀行業務（周辺システム）』



ハイブリッドクラウド構成

Internet VPN

AWS東京リージョン

動画

ワークフローシステム（Webコンテンツ）

ドキュメント管理ドキュメント管理

Internet VPN Direct Connect Internet

開発系本番系

エンドユーザ

キャンペーン

ガジェット

銀行系銀行系開発系銀行系一般系

銀行系開発系

一般系

ドキュメント管理

Internet

外部ベンダ（接続IPアドレス制限）

AWS統合監視

個別システム適用評価中

管理会計

Web/AP/DB 開発環境

白抜きは予定

銀行系VPC 一般系VPC WEB系VPC 開発系VPC 構築系VPC

電子マニュアル

ファイルサーバ

BIシステム

メール受信

シスログバックアップ

ログ監査

リスク管理

個別システム適用評価中

コンテンツ管理

その他評価環境

センタA メインセンタセンタB

本社

情報提供系一般社内業務銀行業務：周辺システム開発環境構築単体テスト環境



１．インフラアーキテクチャ戦略

２セキュリティの実装と運用構築






（前提）ＡＷＳ責任共有モデル

AWSの範囲

自社構築の範囲 ■ クラウド移行後もOSより上の構築管理は、従来通り監視・運用を含めメインベンダにて実施 ■ 本番作業申請、承認フローのついても同様 ■ データは利用者が個別に暗号化する

AWSのサービス提供範囲については、ISO 27001のセキュリティ基準に準拠した運用が行われており、 NRI、SCSK、ISIDの評価資料から、FISC安全対策基準への適合性も確認済み。また、当社所定の外部委託先チェックリスト（システムリスク管理）にて問題ないことも確認済み。

既存データセンタと専用線でセキュアに接続可能な「Iaas型」を選定しハイブリッド環境を構築

セキュリティの実装と運用構築 2



ハイブリッドクラウド環境におけるセキュリティの実装

暗号化

アクセスコントロール

予防

自動化

監査ログ




ＡＷＳマネージドで実装可能なセキュリティ対策




アクセスコントロール

AWS Webinar資料「利用者が実施するAWS上でのセキュリティ対策（スライド20）」より引用 http://www.slideshare.net/AmazonWebServicesJapan/aws-webinar-47323216

AWSマネージドサービスを用いた標準的なアクセスコントロール




操作証跡管理システム


本番作業端末の操作証跡（CLI/GUI）を記録し、監査を実施操作証跡はクライアントサイドで一時保存されるため、管理サーバの障害時も継続して記録可能



DB監査ログ管理システム


各データベースのAuditLog機能を有効化し、SQL通信の一元管理・監査を実施



予防（ネットワークセキュリティ強化）


日経コンピュータサミット2014「トレンドマイクロ隠ぺいされた脅威を見抜く方法とは」引用 http://special.nikkeibp.co.jp/as/201401/ncs2014_trendmicro/

クラウドと接続しているオンプレミスのイントラネット環境にネットワーク監視製品を導入することで、セキュリティを強化。システム内部の脅威や不正通信・ウイルスを広範囲に検知・可視化するためのセンサーであり、内部通信が通過するスイッチにミラーポート接続しパケットをモニタリング。



環境構築管理の自動化


■ Chefによるインフラ構築・管理の自動化は、効率化のみならず、パブリッククラウドのリスク（サービス解約通知）や人的リスク（内部不正）を緩和する技術要素として重要な位置づけ ■ 2014年1月にリリースしたキャンペーンサイトにおけるオートスケーリング機能の実装にて採用し、銀行系VPC環境へも導入済み




３クラウド導入事例





クラウド移行スケジュール

環境区分システム名称パッケージベンダ FY2013 FY2014 FY2015

3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

WEB 移設キャンペーンサイト－

WEB 移設動画・ガジェット－

一般系新規ワークフローシステム CTC

一般系移設電子マニュアル日本マイクロソフト

一般系移設その他イントラ系システム－

開発系検証 FinTech PoC ー

銀行系移設ドキュメント管理プリマジェスト

銀行系新規操作証跡エンカレッジテクノロジ

銀行系移設メール連携 Trend Micro

銀行系移設管理会計データフォアビジョン

銀行系移設ログ監査アクアシステムズ

銀行系改善バックアップ効率化－

銀行系移設ファイルサーバ－

銀行系移設不動産評価DB 東京カンテイ

銀行系移設 BIシステム SAP

銀行系移設リスク管理 NDFS

【AWS稼働保障】

Win2K3保守期限

★ ★

★

★

適用評価・方式検討

適用評価方式検討

クラウド導入事例 3



（ＷＥＢ系ＶＰＣ）キャンペーンサイト

■ 異なるAvailability Zoneに配置した複数台のWebサーバにAuto Scaling機能を設定 ■ 重いコンテンツ（壁紙）はCloudFrontに配置 ■ リリース方式の設計から構築・検証まで約1週間で実施（2014年1月リリース）




（一般系ＶＰＣ）文書管理ワークフロー

■ 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の「EIMANAGER」をAWS上に構築 ⇒ Webコンテンツのワークフローシステム（校正回覧） ■ インフラの設計・実装・検証期間は約２週間（2014年4月リリース） ■ 安定稼働しており、リリース後の障害発生件数は０件。性能面でも懸念なし。

※Office文書を開いて校正




（銀行系ＶＰＣ）ドキュメント管理システム


■ 株式会社プリマジェストのBPMツール「eFirstProcess」をAWSに移行（先行事例、2014年7月）

■ 口座開設申込書など一部電子化されていない紙媒体の文書について、専用スキャナでイメージ化し、 OCR機能を用いて効率的にデータベースに蓄積し管理するもの。当該イメージを参照するための Webサービスも提供する。（原本は遠隔地保管）



（銀行系ＶＰＣ）メール連携システム


■ お客様からのメールを受信し、Salesforceに連携するシステム（2015年6月リリース予定）

■ オンプレ同等のリスクコントロールを行うため、オンプレFW/アタック監視を経由する処理方式

■ ウィルススキャンは、AWSの稼働実績からトレンドマイクロ株式会社の「ウイルスバスター」を採用



（銀行系ＶＰＣ）管理会計システム


■ データ・フォアビジョン株式会社の管理会計パッケージ「BankMaster」をAWSに移行（先行事例）

■ 現在、開発環境における結合試験中であり、2015年7月頃のリリース予定



（開発系ＶＰＣ） FinTech検証環境






４クラウド導入効果




クラウド導入効果（システム管理）

「AWSの導入により、人が介在するオペレーションの自動化が進んだ」 ⇒ 環境設定・変更管理・操作証跡の可視化によるリスクの低減

■ AWS SDK： AWSの環境設定一覧（ネットワーク含む）をスクリプトで自動生成

今までネットワークの通信制御には専門知識が必要であったが、Security Groupの設定により必要最低限の通信要件を容易に適用することが可能となり、且つ、設定内容についても、スクリプトの実行により「システム監査担当者がリアルタイムに取得・確認」できるようになった

■ AWS Config：時系列の変更管理

機能を利用することでクラウド環境の変更履歴を時系列で管理できるようになった

■ Cloud Trail： Amazon API実行履歴（オペレーションログ）の取得

機能を有効化することでクラウド管理コンソールの操作証跡が自動的に記録されるようになった

4 クラウド導入効果



AWS SDKによる環境設定情報取得（サンプル）

■ Ruby Source Code ■ 環境設定一覧

【取得項目】 IAMユーザ/IAMグループ/IAM Role/Password Policy/VPC/Internet Gateway/Subnets/Route Tables/Network ACLs/Security Groups/Virtual Private Gateways/Customer Gateways/VPN Connections/EC2インスタンス/EBS/Auto Scaling Group/Scaling Policy/Launch Configurations/ELB/RDS/Parameter Groups/Option Groups/Subnet Groups/S3/SNS/SQS/CloudFront




AWS Configによる時系列の変更管理（サンプル）

時系列の変更履歴

変更の関連性




ＩＴコスト構造の分析

ドキュメント管理システム更改案件における5年間のコスト比較結果を元に、コスト構造の分析を実施。固定的ITコスト（インフラSE費用、サーバ機器費用、データセンタ費用）は計画通り削減になる見通し。

・ IaaSであり、AWSにシステムを構築しても影響を受けない部分

・表領域の暗号化を行うためOracle Enterpriseライセンスを追加調達・ AWS共通基盤環境に統合監視サーバ（Zabbix）構築し、一部の運用管理ソフトウェアが不要になり、ソフトウェア費用全体で減額

・ AWSへの初回移行につき、設計/テスト/移行フェーズで微増

・サーバ機器の設計/テスト/移行/バックアップが不要になり大幅減・今後、サーバ構築/管理の自動化を行い、更なる減額が見込まれる

・コスト減額のみならず、AWSに移行するだけで、可用性が高まり、システム障害時のダウンタイムも大幅に改善・年2回実施している固定資産の棚卸も不要

・削減効果が一番大きい費目（運用整備を行うことで更なる減額が可能）・テープ交換、機器の目視監視が不要になる等、運用面での効果大

・ AWS共通基盤の構築（インフラ共通設計、VPC/SG初期構築、 NW設計/構築、環境定義書作成等）に係った初期費用は、当該削減費用にて回収可能





３．導入事例

４．導入効果

５今後の展望



社会や企業から精神的に自立し、自分自身で投資判断を行う、または行おうとする個人

自立した個人のための資産運用銀行

ＭＯＮＥＹＫｉｔは“お金のための道具箱” 個人が自分自身で選べるだけの十分な商品と情報を提供

お客さま目線の商品・サービスを追求

【事業コンセプト・ミッション】

今後の展望 5


以上

ご清聴、ありがとうございました


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