VER 17 第1章 SQL Server とは 「SQL Server 」はマイクロソフト 社が、開発 、販売...

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VER 1.1 エスケーコンピューター・ワールド有限会社 大分県中津市下宮永2丁目505-9 TEL :0979-22-0058 作成者:高内 章治 E-Mail:[email protected] 作成者/ お問い合わせ先 作成日:2011/11/03

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VER 1.1

エスケーコンピューター・ワールド有限会社

大分県中津市下宮永2丁目505-9

TEL :0979-22-0058

作成者:高内 章治

E-Mail:[email protected]

作成者/

お問い合わせ先

作成日:2011/11/03

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はじめに

小規模なシステムには、マイクロソフト社の、 「アクセス(Access) 」という「データベースソフト」が多く使用され

ています。

「アクセス(Access) 」は、 「データベース」を格納する「テーブル」から、データ抽出・加工する「クエリ」、画面

を作成する「フォーム」、レポートを作成する「レポート」などが含まれています。

1つのソフトで、 「小規模なシステム」を短期間に価格も安く開発することができます。

でも、デメリットもあります。

「アクセス(Access) 」で作ったシステムは小規模なシステム用ですので、通常は1人で使用するようになっていま

す。

現実的には、数人で使用することも可能です。

しかし、 「アクセス(Access) 」は、複数の人が同じデータにアクセスしたときの処理、排他制御があまり強くはあり

ません。

最悪の場合、 「データベース」自体が壊れる可能性があります。

壊れた「データベース」は、中のデータを取り出すことができなくなります。

また、「アクセス(Access)」はセキュリティやデータの信頼性に関して強くはありません。

「ユーザー」ごとにデータへのアクセスの権限を設定することが出来ません。

「アクセス(Access)」のソフトウェアがあれば、誰でもデータの中身を見ることができます。

データ量が多くなると信頼性が心配になります。

困りますね。

その為、複数の人がアクセスしたり、データが多くなった場合や「ユーザー」ごとのアクセス管理をおこないたい場

合には、堅牢な「データベース」を使用する必要があります。

マイクロソフト社の「SQL Sever」 (エスキューエルサーバー)やオラクル社の「データベース」などです。

一般的には、有償になっています。

しかし、マイクロソフト社の「SQL Server」には、「SQL Server 2008 R2 Express」という無償の「データベース」

があります。

そして、Windows のパソコンの「ODBC」というミドルウェアを使ってで簡単に「データベース」に接続すること

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ができます。

今まで、作った「アクセス(Access)」のプログラムの資産、 「クエリ」 、 「フォーム」 、 「レポート」などを継続して使用

することができます。

「クライアントサーバーシステム」を簡単に、短期間で構築することができます。

書店に行くと、 「アクセス(Access)」や、 「SQL Server」の書籍がたくさんあります。

しかし、無償の「SQL Server 2008 R2 Express」の説明やセットアップ方法を説明した書籍はありません。

また、「ODBC」の設定や「アクセス(Access)」から「SQL Server Express」への移行のやり方」 、 「ネットワーク

の設定方法」などを説明した書籍もありません。

この教材は、 「アクセス(Access)」の「データベース(テーブル) 」から堅牢な「データベース」 、「SQL Server」に移

行して今までの「アクセス(Access)」のプログラムの資産を使いたい方のために、 「アクセス(Access)」から「SQL

Server」への移行方法をわかりやすくまとめました。

無料の「SQL Server Express」と「ODBC」、「アクセス(Access)のプログラム」を使用することにより、安く、簡単

に「クライアントサーバーシステム」を構築することができます。

業務改善をおこなうことが出来ます。

この教材で、 「アクセス(Access)」の「データ(テーブル)」を、より堅牢な「SQL Server」に移行して安定した業務

システムを構築してください。

この教材が、あなたの業務の一助になれば幸いです。

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ソフトウェア名の記載について

この教材は、ソフトウェア名の記載は、次のように表記しています

ソフトウェア名 表記名 Microsoft Office Access 「Access」 Microsoft SQL Server 「SQL Server」 Microsoft Windows XP 「Windows XP」 Microsoft Windows 7 「Windows 7」 Microsoft Office Excel 「Excel」

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目次

第1章 SQL Serverとは·························································································································7 1.1 データベースの種類 ··················································································································8 1.2 AccessとSQL Severの比較········································································································9 1.3 何故、SQL Serverがよいのか··································································································· 10 1.4 SQL Serverの変遷 ················································································································· 12 1.5 ODBCとは··························································································································· 13 1.6 アクセスプロジェクト(アクセスADP)とは················································································ 14 1.7 サーバーを使うメリットとデメリット·························································································· 15

第2章 SQL Server 2008のインストール·································································································· 17 2.1 SQL Sever 2008 R2の種類······································································································· 18 2.2 SQL Server 2008 R2 Expressとは····························································································· 20 2.3 SQL Server 2008 R2 Expressのインストール··············································································· 23 2.4 「Microsoft SQL Server Management Studio」の使い方································································· 31 2.5 SQL Serverのフォルダー········································································································· 33

第3章 データベースの作成··················································································································· 35 3.1 データベースとは··················································································································· 36 3.2 Management Studioの立ち上げ································································································ 42 3.3 データベースの作成 ················································································································ 43 3.4 テーブルの操作方法 ················································································································ 47 3.5 テーブルの中のデータの操作方法 ······························································································· 51 3.6 リレーションシップの作成········································································································ 52 3.7 エクスポート/インポート/貼り付け······························································································ 60

第4章 ネットワークの設定··················································································································· 81 4.1 ネットワークの一般的な知識····································································································· 82 4.2 SQL Serverのネットワークの設定 ····························································································· 87 4.3 Management Studioのインストール························································································ 94

第5章 アップサイジング······················································································································ 97 5.1 ODBCの作成························································································································ 98 5.2 アップサイジングの使用方法····································································································104 5.3 リレーションシップの再設定····································································································111

第6章 Access からSQL Serverを使う ···································································································117 6.1 ODBCの作成·······················································································································118 6.2 Access からSQL Serverに接続する···························································································124

第7章 その他 ···································································································································131 7.1 ユーザーとセキュリティの管理·································································································132 7.2 Access でのセキュリティの確保 ································································································158

第8章 メールサポート························································································································159 8.1 メールサポート(ご質問)·······································································································160

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第1章 SQL Serverとは

「SQL Server」はマイクロソフト社が、開発、販売している小規模から、中、大規模システム用の「データベース」

です。

この章では、 「データベースの種類」から、 「AccessとSQL Serverの比較」 、 「ODBC」などについて説明します。

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第 1 章 SQL Server とは

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1.1 データベースの種類

「データベース」の種類と特徴です。

いろいろな「データベース」があります。

(1) データベースの種類

次のような「データベース」があります。

データベース名 使用環境 特徴 MS Access (マイクロソフト アクセス)

パソコンベース ・ マイクロソフト社が開発したパソコンベースでの小規模

システム用の「データベース」です。

・最新のバージョンは「Access2010」です。

・ 「Access2010」の安いものは12,000円くらいです。 FileMaker (ファイルメーカー)

パソコン及び

ネットワーク

・ファイルメーカー社が開発したパソコンベースでの 「デ

ータベースソフト」です。

・Filemaker Proが 50,000円弱です。 Oracle (オラクル)

ネットワーク ・オラクル社が開発したネットワーク用/大規模システム

用の「データベース」です。

・システム全体では、 現在、 一番使用されているようです。

以前は価格が高かったのですが最近はかなり安くなって

いるようです。

・Oracle Standard Edition oneの1nup(ライセンス)が 2万円弱です。

MS SQL Server (マイクロソフト エスキューエル

サーバー)

ネットワーク ・マイクロソフト社が開発したネットワーク用/大規模シ

ステム用の「データベース」です。

・現在のバージョンは「SQL Server2008 R2」です。

・Windows環境では一番多く使用されているようです。

・5ライセンスで10万円前後くらいです。 MySQL (マイエスキューエル)

パソコン及び

ネットワーク

・オープンソースの「データベース」です。

・Webとの親和性が高い。

・シンプルであり導入/運用しやすい。

・非常に高速に動作します。

・SQL言語をサポートしています。

・ODBCをサポートしています。

・ライセンスが柔軟です。

・日本語に対応しています。

・オープンソースのため入手も利用も無料です。

・Linux/Windows など多くのプラットフォームで動作し

ます。

・MySQLはPostgreSQLに比較して機能より速度を重視

した「データベース」です。

・セットアップはコマンドを使用する必要があります。 PostgreSQL 「ポストグレス」

「ポストグレエスキューエル」

「ポストグレエスキューエル」

「ポスグレ」

などと読みます。

パソコン及び

ネットワーク

・オープンソースの「データベース」です。

・UNIX系で動きます。

・C、C++、Perl、Java、Tcl/Tk、PHP、Python、Lisp がの言語が使えます。

・日本語も使用できます。

・ネットワークでも使用されます。

・ Unix/Windows/メインフレームなど幅広く使用されてい

ます。

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1.2 Access と SQL Sever の比較

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1.2 Accessと SQL Severの比較

「データベース」について、マイクロソフト社の「アクセス(Access) 」と「MS SQL Server(マイクロソフトエスキューエルサー

バー」と比較しました。

違いが理解できると思います。

(1) AccessとSQL Serverの比較

「Access」は、 「小規模システム用」の「データベース」です。

マイクロソフト社の「SQLServer」は、Windows のサーバーで使用されている商用の「データベース」としては、一番多く使用

されています。小規模から、中・大規模システム用まで使用されています。

現在のバーションは、「SQL Server 2008 R2」です。

比較項目 Access MS SQL Server 開発会社 マイクロソフト社 マイクロソフト社

バージョン Access 2010 2008 R2 価格 Access 2010は1万2000円くらいです。 5ライセンスで10万円弱です。

(Standard Edition) 複数アクセス 本来は1人で使用します。

複数で使用する場合でも4人程度が限界

です。

複数人数で使用することができま

す。(ライセンスで使用するユーザー

が制限されます。)

データベースの制限 2ギガバイト 件数、 要領などの制限はありません。

無料版の「SQL Server Express」は

制限があります。 10ギガバイトです。

セキュリティ管理 出来ません。

誰でも「テーブル」や「クエリ」を見る

ことができます。

パスワードはかけることができます。

可能

「データベース」別にユーザーのア

クセス管理ができます。

故障したときの修復 出来ません。

(必ずバックアップを取っておく必要が

あります。)

出来ます

排他制御(同時アクセス) 弱い 強い

その他 制限はありますが無料版が準備され

ています。(Express Edition)

大規模システム用の「データベース」は、複数の人がアクセスできますが、非常に高価です。

最近では、機能制限はありますが、無料版(SQL Server 2008 R2 Express Edition)もマイクロソフト社から提供されています。

複数のユーザーが「ネットワーク」で使用することができます。

小・中規模システムや開発用に使用されています。

開発費用を安くすることができます。

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第 1 章 SQL Server とは

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1.3 何故、SQL Serverがよいのか

何故、 「SQL Server」が他の「データベース」より良いのでしょうか。

次のような理由があります。

(1) 何故、SQL Serverがよいのか

何故、 「SQL Server」がよいのでしょうか

次のような理由があります。

まず、 「SQL Server」のように、小規模から大規模システムを構築できる「データベース」の特徴です。

①小規模から大規模システム用の「データベース」です。

小規模から、大規模システムまでの「データベース」として使用することができます。

②信頼性が高い。

複数の「ユーザー」が同時に「データベース」にアクセスしても壊れません。

③ユーザー管理ができる。

「ユーザー」や、 「データ」ごとに「データベース」にアクセスする権限を設定することができます。

④データの処理が、 「データベース」側でおこなわれる。

「ビュー」 (クエリ)や「ストアドプロシージャー」 (アクションクエリ)などの処理が、 「データベース」側でおこなわれ

ます。

「データベース」に、処理能力のあるサーバーを使用することにより、データの処理能力を向上させることができます。

クライアントのパソコンの処理能力はあまり必要ではありません。

⑤「インポート」や「エクスポート」の機能がある。

「Excel」などの外部のデータから「データベース」へ「インポート」や、外部への「エクスポート」の機能があります。

⑥「データベース」の管理ができる。

「データベース」の使用状況などの管理ができます。

⑦データのバックアップや復元、復旧する機能を持っています。

データのバックアップや、データの復元、復旧の機能を持っています。

⑧タスク管理ができます。

処理を定期的に実行することができます。

小規模から大規模システムとして、十分に耐える「データベース」です。

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1.3 何故、SQL Server がよいのか

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他にも、小規模から大規模システム用の「データベース」としては、 「オラクル」や「MySQL」などがあります。

次は、 、何故、 「オラクル」や、 「MySQL」を選ばすに、 「SQL Server」を選択したのかの理由です。

①無料の「SQL Server 2998 R2 Express」があります。

一番の理由は、 「SQL Server」には、無償版の「SQL Server 2008 R2 Express」があります。

いくつかの制限はありますが、無料で「SQL Server」の「データベース」を使用することができます。

②「ODBC」が使用できます。 Windowsのパソコンには、標準で、「ODBC」というミドルウェアがあります。

「SQL Server」に接続する「ODBC」のドライバーも標準でついています。

簡単に「SQL Server」に接続することができます。

③アップサイジング

「Access」には、 「Access」の「データベース」 (テーブル)から「SQL Server」の「データベース」を自動で作成して

データを移行する「アップサイジング」という機能があります。

簡単に、 「Access」の「テーブル」を「SQL Server」の中に作成・移行することができます。

④GUIがあります。

「SQL Server」には、「SQL Server Management Studio」という「GUI」(グラフィカル ユーザー インターフェース) があります。

「テーブル」などの追加、修正、削除など、 「SQL Server」のいろいろな追加、変更を画面を見ながら簡単に操作するこ

とができます。

⑤書籍が多い

「SQL Server」に関する書籍は、書店に行けばたくさんあります。

不明点などあれば、すぐに調べることができます。

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第 1 章 SQL Server とは

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1.4 SQL Serverの変遷

現在の、 「SQL Server」の最新版は、「SQL Server 2008 R2」です。

次のように変遷してきました。

(1) SQL Serverの変遷

目的 世代 名称 特徴

・Window NT統合 第一世代 SQL Server 6.5 (1995年)

・Sybase SQL Serverとの差別化

・レプリケーションの搭載

・TCO削減

・自動中ニング SQL Server 7.0 (1998年)

・DBエンジンの再設計

・自動チューニング

・Easy to Use ・クエリアナライザ

・インデックスチューニング

・より深いWindows 統合

・2ノードクラスタ

・OLAPとETLの標準搭載

第二世代

SQL Server 2000 ・16インスタンス構成

・Awe64Gメモリ

・4ノードクラスタ

・ログ配布

・データマイニング

・xmlデータ変換

・Itaniumサポート

・Notification Services ・Reporting Service

第三世代 SQL Server 2005 (2005年)

・x64サポート

・50インスタンス構成

・8ノードクラスタ

・データベースミラーリング

・オンライン操作

・レポート機能の統合

・OLAPエンジンの再設計

・ETLとデータマイニングの拡張

・.NET Framework統合

・ネイティブなXML対応

・信頼性とセキュリティの強化

・Business Intelligence機能の統合

・アプリケーションプラットフォーム

SQL Server 2008 ・16ノードクラスタ

・ポリシーベース管理

・データ操作の監査

・サーバー統合のための機能

・パフォーマンスデータコレクション

・変更データキャプチャ

・大規模データウェアハウスへの対応

・レポート機能強化

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1.5 ODBC とは

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1.5 ODBCとは

「ODBC」の設定方法については、後ほど詳細に説明します。

ここでは、概要について説明します。

「ODBC」がどのようなものか理解できればよいと思います。

(1) ODBCとは

「ODBC」(オーディービーシー)とは、 「Open DataBase Connectivity」の略です。

マイクロソフト社によって提唱された「データベース」にアクセスする「ミドルウェア」です。

この「ODBC」を使用することにより、 「SQL Server」だけではなく、 「オラクル」など、いろいろな「データベース」に簡単に

接続することができます。

もちろん、 「Access」からも使用することができます。

(2) ODBCのメリット

「ODBC」を使用するメリットについて説明します。

①「SQL Server」に接続することができます。

「ODBC」は、 「SQL Server」に接続することができます。

「Access」は、 「ODBC」を経由して、 「SQL Server」のデータ(テーブル)にリンクすることができます。

②「Access」で開発したプログラムの資産をそのまま使用することができます。

「Access」で開発したプログラム(クエリ、フォーム、レポートなど)をそのまま使用することができます。

「ODBC」で接続するメリットです。

③「Access」の「テーブル」のみを「SQL Server」に移動します。

作業としては、 「Access」の「テーブル」のみを「SQL Server」へ移動するだけです。

他の「クエリ」 、 「フォーム」 、 「レポート」は、 「Access」を使用します。

④「ネットワーク」で使用することができます。

それぞれの、パソコンに、 「ODBC」を設定して、 「SQL Server」に接続することにより、 「ネットワーク」で使用するこ

とができます。

「クライアントサーバーシステム」を構築することができます。

(3) ODBCのデメリット

もちろん、次のような「ODBC」のデメリットもあります。

①データの処理が、プログラム側で行われるため、大きいデータ処理では、クライアントのパソコンの処理能力に依存する

場合があります。

②また、 「Access」で作ったプログラムを使用する為には、パソコンごとに、 「ODBC」の設定が必要になります。

「デメリット」はありますが、 「メリット」の方が大きいと思います。

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第 1 章 SQL Server とは

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1.6 アクセスプロジェクト(アクセスADP)とは

「Access」のプログラムから、 「SQL Server」に接続する方法に「ODBC」という方法があるのがわかりました。

これ以外に、 「Access」のプログラムから「SQL Server」に接続する方法があります。

「アクセスプロジェクト」と呼んでいます。拡張子がADPなので「アクセスADP」とも言います。

「アクセスプロジェクト」について説明します。

(1) アクセスプロジェクトとは

「Access」は、データを格納する「テーブル」、データを抽出・加工する「クエリ」、画面を作成する「フォーム」、レポートを作

成する「レポート」などを持っています。

「Access」のソフトだけで、システム全体を構築することができます。

しかし、前述したように、 「Access」の「データベース(テーブル) 」は、セキュリティや排他性に弱いなどの理由で、中、大規模

の「データベース」としては、精度や信頼性が不足しています。

その為、 「Access」には、 「データベース」を、 「SQL Server」が使用できるように、 「アクセスプロジェクト」(アクセスADP)と

いうものがサポートされています。

「Access」の新規作成するときに、拡張子を「ADP」で作成します。

「アクセスプロジェクト」と呼んでいます。

この「アクセスプロジェクト」は、 「テーブル」と「クエリ」を持っていません。

「SQL Server」の「テーブル」と「ビュー」(選択クエリ)「ストアドプロシージャー」(アクションクエリ、パラメータクエリ)

を使用します。

「フォーム」と「レポート」は、 「Access」を使用します。

(2) アクセスプロジェクトの特徴

「アクセスプロジェクト」(アクセスADP)は、次のような特徴があります。

①「SQL Server」に直接、接続できます。

「アクセスプロジェクト」(アクセスADP)から、「SQL Server」に直接、接続することができます。

「ODBC」の設定は、必要ではありません。

②他の「データベース」への接続することは出来ません。

「オラクルや」 、 「MySQL」などの「データベース」へ接続することは出来ません。

③「SQL Server」側で処理が行われます。

データの抽出・加工する「ビュー」(選択クエリ)や、データを処理する「ストアドプロシージャー」(アクション

クエリ/パラメータクエリ)などは、 「SQL Server」側で行われます。

「SQL Serverのインストールされたパソコンやサーバーの処理能力が高ければ「データ処理」が早くなります。

④「ODBC」が不要です。

「ODBC」の設定は必要ではありません。

⑤「Access」の知識がある程度、使えます。

全く同じではありませんが、ある程度、 「Access」の知識が使えます。

⑥「アクセスプロジェクト」(アクセスADP)の書籍が少ない。

「アクセスプロジェクト」(アクセスADP)の書籍は、殆ど販売されていません。

学習する場合や、問題が発生したときに困ります。

「アクセスプロジェクト」もよいのですが、プログラムの作成方法が、通常の「Access」とは、若干やり方が異なっています。

開発にある程度の知識が必要になります。時間もかかります。

「SQL Server」側での、処理が必要な場合は、検討した方が良いかも知れません。

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1.7 サーバーを使うメリットとデメリット

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1.7 サーバーを使うメリットとデメリット

「SQL Server」を使うときは、普通のパソコンでも、構いませんが、一般的に、 「サーバー」を準備します。

「サーバー」を準備するメリットについて説明します。

(1) サーバーを使うメリット

「サーバー」を使用するメリットには次のようなものがあります。

①常時、使用状態にする必要があります。

「SQL Server」には、いろいろなデータが格納されています。

企業の多くの人が使用しますので、常時、使用状態にする必要があります。

その為には、別に1台、 「サーバー」が必要になります。

②セキュリティの管理が必要

データには、重要なデータもありますので、簡単に使用できないように、別の「パソコン」 (サーバー)にする必要があり

ます。

③データの信頼性が高い

「サーバー」 は、 「RAID」(Redundant Arrays of Inexpensive Disks、 または Redundant Arrays of Independent Disks:

レイド)を持っています。

「RAID」とは、 「複数台のハードディスクを組み合わせることで仮想的な1台のハードディスクとして運用する技術」で

す。

複数の「ハードディスク」で、データを管理することができます。

一方の「ハードディスク」が故障しても、他の「ハードディスク」を使用することができます。

データの信頼性をあげることができます。

④誤動作が少ない。

一般的に、 「サーバー」には、サーバー用の「OS」(オペレーティングシステム)と「SQL Server」など。最小限のソフト

のみインストールされています。

いろいろなソフトのインストールによる、誤動作などが少なくなります。

(2) サーバーを使うデメリット

当然、デメリットもあります。

①お金がかかります。

「サーバー」用の機器(パソコン)や「OS」(オペレーティングシステム)、 「無停電電源装置」などの費用がかかります。

②「サーバー」の管理が必要です。

「サーバー」を管理する人が必要になります」。

③「サーバー」の知識が必要です。

「サーバー」を使いこなす知識が必要になります。

でも、大事なデータですから、なるべく、 「データベース」を保存するための「サーバー」を準備することをお勧めします。

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第 1 章 SQL Server とは

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(3) サーバーを選択するポイント

「サーバー」を購入する場合に、いくつかの選択するポイントがあります。

①タワー型を選択する。

「サーバー」には、 「ラックマウント型サーバー」と「タワー型サーバー」の2つの種類があります。

「SQL Server」は、社内で使用しますので、 「タワー型のサーバー」を選択します。

②CPUの種類とCPUの増設

「SQL Server」の処理内容にもよりますが、想定している機能より少し上の機能の製品を購入します。

教材の、「SQL Server 2008 R2 Express」は、 「1CPU」しかサポートしていません。

「サーバー」が、 「2CPU」の「デュアルプロセッサ」でも、1つのCPUしか使用しません。

注意が必要です。

③「メモリー」 、 「ハードディスク」

「メモリー」 、 「ハードディスク」も、想定している機能より少し上の機能の製品を選択します。

④冗長機能

冗長機能は重要です。 「サーバー」の信頼性を向上させる必要があります。

「RAID」 (レイド、Redundant Arrays of Inexpensive Disk)と呼ばれています。

「RAID」 とは、 複数台のハードディスクを組み合わせることで仮想的な1台のハードディスクとして運用する技術です。

「RAID」のレベルは、少なくとも、 「RAID1」 (レイドワン)が必要です。 「ミラーリング」と呼ばれています。

複数の「ハードディスク」に対して、同じデータが保存されています。

1台の「ハードディスク」に障害が発生してもシステムは、稼動し続けることができます。

⑤騒音

「サーバー」によっては、かなりの騒音が出るものがあります。

騒音で業務に支障が出る場合もありますので、検討された方がよいと思います。

⑥メーカーのサポートがある。

メーカーのサポートがある、サーバーを購入した方がよいです。

ハードディスクに異常が発生したときは、メーカーの人が「サーバー」のある場所まで訪問して交換などをおこなってく

れます。 (オンサイトサポート)

⑦「サーバー」用のOSを選択する。

「サーバー」用のOSを使用します。

「サーバー」の管理や、 「RAID」の管理をおこなうことができます。 Windowsでは、 「Windows 2003」や「Windows 2008 Server」などがあります。

⑧無停電電源装置を使用する

停電などが起こっても、 「サーバー」がシャットダウンしないように、 「無停電電源装置」を使用します。

「サーバー」用のOSは、電源の停電などで電気が突然切れると、壊れる可能性があります。

⑨バックアップ装置

これは、難しいですが、データを定期的に保存する必要があれば、バックアップ装置を購入した方がよいと思います。

個人的には、中小企業では、必要ないと思います。

定期的に、 「Access」のプログラムから、 「SQL Server」の「テーブル」データを「Excel」や「CSV」にダウンロードし

て外部データに保存する必要があります。

⑩環境

これは、 「サーバー」ではありませんが、可能であれば、 「サーバー」をおく環境は温度が低く「ホコリ」の少ない場所に

おいてください。

「ハードディスク」は、温度があがると、故障の割合が急激に増加します。 「ホコリ」も嫌います。

最近は、 「サーバー」の価格もかなり下がりました。

機能と価格をよくみて選択してください。

「サーバーのメーカー」としては、 「デル」 、 「HP」 、 「NEC」 、 「富士通」などがあります。

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第2章 SQL Server 2008のインストール

「SQL Server 2008 R2 Express」のインストールについて説明します。

今回は、 「Windows7」のパソコンにインストールします。

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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2.1 SQL Sever 2008 R2の種類

「SQL Server」の最新バージョンは、 「SQL Server 2008 R2(リリース2)」です。

まず「SQL Server 2008 R2」の種類について説明します。

(1) SQL Sever 2008 R2の種類

マイクロソフト社のホームページから抜粋しています。

通常の製品には、次のようなものがあります。

種類 規模 内容 Datacenter 大規模 SQL Server 2008 R2 Enterprise を基盤とした SQL Server 2008 R2 Datacenter は、

高パフォーマンス データ プラットフォームを提供することで、 大規模なアプリケーショ

ンのワークロード、仮想化と統合、および組織のデータベース インフラストラクチャの

管理における最大レベルのスケーラビリティを提供しています。

組織はこれを使用することで、ミッション クリティカルな環境を高いコスト効率で拡張

できます。 Enterprise 中規模 SQL Server 2008 R2 Enterprise は、包括的なデータ プラットフォームを提供すること

で、組み込み型のセキュリティ、可用性、およびスケーラビリティを堅牢なビジネス イ

ンテリジェンス機能と共に実現し、ミッション クリティカルなワークロードに対して最

高水準のサービス レベルを可能にします。 Standard 小規模 SQL Server 2008 R2 Standard は、企業部門や小規模組織がアプリケーションを実行す

るための完全なデータ管理/ビジネス インテリジェンス プラットフォームを提供するこ

とで、 最小限の IT リソースで 「データベース」 を効果的に管理することを可能にします。

SQL Server Standard for Small Business には、 SQL Server Standard の技術的なコン

ポーネントと機能すべてが含まれ、75 台以下のコンピューターで構成される小規模なビ

ジネス環境で運用するためのライセンスが付与されています。

特別版の製品には、次のようなものがあります。

種類 規模 内容 Developer 開発用 開発者は、SQL Server Developer を使用して、SQL Server 上で動作するあらゆる種類

のアプリケーションを開発できます。

このエディションには SQL Server Datacenter の機能がすべて含まれていますが、 実稼

動サーバーとして使用するのではなく、開発およびテスト システムとしての利用に対し

てライセンスが供与されます。 SQL Server Developer は、 アプリケーションの開発およびテストを行うユーザーに適し

ています。SQL Server Developer は、実稼働環境用にアップグレードできます。 Workgroup 小規模 SQL Server Workgroup は、部門や支店の「データベース」の運用に適しており、セキ

ュリティで保護されたリモートでの同期機能や管理機能を備えた信頼性の高いデータ管

理およびレポート プラットフォームを提供できます。 Web Web用 SQL Server Web は、大小さまざまな規模の Web 資産に対応できるスケーラビリティ

や管理性を備えた Web ホストおよび Web サイト向けの総保有コストの低いオプショ

ンです。

・Express ・Express with Tools ・Express with Advanced Services

小規模 SQL Server Express データベース プラットフォームは SQL Server を基盤としてお

り、Microsoft Desktop Engine (MSDE) の後継でもあります。SQL Server Express と Visual Studio が統合されたことにより、豊富な機能を備え、記憶域のセキュリティが確

保され、迅速に配置できるデータ ドリブン アプリケーションの開発が容易になります。

SQL Server Express は無償で提供され、使用許諾契約書に基づいて、ISV による再配

布が可能です。 SQL Server Express は、学習や、デスクトップおよび小規模サーバー アプリケーショ

ンの開発に適しています。

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2.1 SQL Sever 2008 R2 の種類

19

このエディションは、独立系ソフトウェア ベンダー、アマチュアの開発者、クライアン

ト アプリケーションを趣味で開発する開発者などに最適です。

さらに高度なデータベース機能が必要な場合には、SQL Server Express を SQL Server の上位バージョンにシームレスにアップグレードできます。

・ Compact 3.5 SP1 ・Compact 3.1

埋め込み SQL Server Compact 3.5 は無償の埋め込み 「データベース」 で、 すべての Windows プ

ラットフォームのモバイル デバイス、デスクトップ、および Web クライアント用のス

タンドアロン アプリケーションや常時接続でないアプリケーションの開発に適していま

す。

この中で、Express(SQL Server 2008 R2 Express)は、無償で提供されています。

「SQL Server 2008 R2 Express」は、「小・中規模システム」には、最適ですので、この「データベース」の使用方法を説明して

ゆきます。

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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2.2 SQL Server 2008 R2 Expressとは

「SQL Server 2008 R2 Express」について説明します。

(1) SQL Server 2008 R2 Expressの制限

「SQL Server 2008 R2 Express」は無料で提供されていますので、通常版(有料)に比較して幾つかの制限があります。

「Standard」と比較します。

項目 Express Standard ●性能/スケーラビリティ

同時利用可能な物理プロセッサの最

大数 1基 4基

利用可能なメモリの最大容量 1Gbytes 64Gbytes データベースのサイズ上限 10Gbytes(2008 R2以降)/

4Gbytes(2008以前)

事実上無制限(512Pbytes)

64bitサポート ネイティブ (2008以降)/WOW (2005) ネイティブ

フェイルオーバー・クラスタリング × ○

データベース・ミラーリング ×(ミラーリングの監視のみ可能) ○

バックアップ時の圧縮 × ○

●仮想化のサポート

仮想マシンでの動作 ○ ○ Hyper­Vライブ・マイグレーション × ○

●レプリケーション

レプリケーション △(データの受け取りのみ可能) ○

●レポート機能(Reporting Services)

データ ・ ソースとして利用可能なSQL Server

Expressのみ すべてのエディション

レポート履歴や実行スナップショッ

ト、キャッシング

× ○

●管理機能

ポリシー・ベースの管理 ○ ○ PowerShellのサポート ○ ○ GUI管理ツール

(SQL Server Management Studio)

△(スケジュール管理タスクが使えない

など制限あり)

SQL Serverインポート/エクスポー

ト・ウィザード

○ ○

メンテナンス作業の定期的な自動実

行(メンテナンス・プラン)

× ○

DBエンジンからの自動的なメール送

信 (データベース・メールまたはSQL Mail)

× ○

DBエンジンのチューニング・アドバ

イザ

× ○

イベント監視・分析用 GUI ツール

(SQL Server Profiler)

× (Standard以上のエディションを使っ

た Express のエンジンのプロファイルは

可能)

●そのほか

フルテキスト検索 ○(with Advanced Servicesエディショ

ンのみ)

OLAP分析 × ○(制限あり)

データ・マイニング × ○(制限あり) Extract/Transform/Load(ETL) × ○(制限あり)

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2.2 SQL Server 2008 R2 Express とは

21

重要な点は、

①Expressは、CPUのプロセッサーが「1つ」(1CPU)しか使えません。

②メモリーは、 「1ギガバイト」です。

③「データベース」のサイズの上限は、 「10ギガバイト」です。

などです。

「データベース」のサイズの上限が、 「SQL Server 2008 R2 Express」で、 「10ギガバイト」になりました。

どのくらいか想像できませんが、例があります。

新聞の朝刊部数で、約2万6200部、テキストベースのBBS投稿に換算して、約440万投稿です。

使用する「データベース」の件数にもよりますが、小規模なシステムでは、十分な機能だと思います。

使用してみて、処理時間などや管理の問題が出るようであれば、 「Express」から「Standard」などにアップグレードできますの

で、その時点で検討してもよいと思います。

管理ツールとしてGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)があります。

「SQL Server Management Studio」です。

このGUIで簡単に、 「SQL Server」を管理することができます。

(2) SQL Server 2008 R2 Express Editionの種類

「SQL Server 2008 R2 Express Edition」 をインストールするためには、 次の4つの種類の 「インストールパッケージ」 (ソフト)

があります。

SQL Sever 2008 Expressの種類(インストールパッケージ) 内容 1 Microsoft SQL Server 2008 R2 Express SQL Severのデータベース 2 Microsoft SQL Server 2008 R2 Express with Management Tools SQL Severのデータベースと管理ツール

SQL Server 2008 R2 Management Studio Express(SSMSE)が付属していま

す。 3 Microsoft SQL Server 2008 R2 Express with

Advanced Services SQL Severのデータベースと管理ツール SQL Server 2008 R2 Management Studio Express(SSMSE)、フルテキスト

検索、 Reporting Serviceが付いています。 4 Management Studio Express 管理ツールの

SQL Server 2008 R2 Management StudioExpress(SSMSE)のみです。

ここで、重要なのは「SQL Server」をGUIで管理することのできる「SQL Server Management Studio」が付いているものを

選択する必要があります。

この中では、 「2」または、 「3」のソフトをインストールします。 RTMがついているものがありますが、 「Release To Manufacturing」の略で製品版という意味です。

「データベース」の作成は、 「SQL Server 2008 Management Studio Express」という「グラフィカル管理ツール」(GUI)を使

用します。

一般的には、「SQL Server Management Studio」と呼んでいます。

「ハードディスク」に余裕かあれば、「3」を選択します。

必要なものは、全部、含まれています。

「Microsoft SQL Server 2008 R2 Express with Advanced Services」です。

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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(3) SQL Server 2008 R2 Expressが動くシステム要件

「SQL Server 2008 R2 Express」が動く、 「システム要件」は次のようになっています。

つまり、次の「OS」(オペレーティングシステム)が入っていないと「SQL Server 2008 R2 Express」はインストール出来ません

よということです。

OS(オペレーティングシステム) ・Windows XP Professional(Service Pack3以降) ・Windows Vista ・Windows 7 ・Windows Server 2003(Service Pack2以降) ・Windows Server 2003 R2 ・Windows Server 2008(Service Pack 2以降) ・Windows Server 2008 R2

システム ・32ビットシステム

・64ビットシステム CPU ・Intel 1 GHzまたは同等の互換プロセッサを搭載したコン

ピュータ(2GHz以上を推奨)

・1.4GHz以上のプロセッサ

メモリー ・512MB以上のメモリ(2GB以上を推奨)

ハードディスク ・2.2GBのハードディスクの空き容量

(4) SQL Server 2008 R2 Expressが動くソフトウェアの要件

「Windows7」に、 「SQL Server 2008 R2 Express」をインストールする場合は、追加のソフトウェアのインストールは必要あり

ません。

しかし、 「Windows Server 2003」や、 「Windows XP」にインストールする場合は、次のソフトウェアのインストールが事前に必

要になります。

「SQL Server 2008 R2 Express」のインストールしている途中で、「セットアップサポートルール」が表示されて、追加で必要な

ソフトウェアが表示されます。

その時点で、必要なソフトウェアを、グーグルで検索してインストールしてもよいです。

マイクロソフト社のホームページからダウンロードしてインストールしてください。

「SQL Server 2008 R2 Express」に必要なソフトウェアは、次のようになっています。

コンポーネント 必要なソフトウェア

フレームワーク2 ・NET Framework 3.5 SP11 ・SQL Server Native Client ・SQL Server セットアップ サポート ファイル

ソフトウェア2 ・ SQL Server セットアップには Microsoft Windows インストーラー 4.5 以降のバー

ジョンが必要です。

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2.3 SQL Server 2008 R2 Express のインストール

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2.3 SQL Server 2008 R2 Expressのインストール

今から、「SQL Sever 2008 R2 Express」のインストールを始めます。

(1) SQL Server 2008 R2 Expressのダウンロード

①「インターネットエクスプローラ」や「ファイヤーフォックス」 、 「クローム」などのブラウザでグーグルの検索窓を表示

させます。

②検索で「SQL Sever 2008 R2 Express with advanced services」を入れて検索します。

③次のような画面が表示されます。

④「ダウンロード詳細 Microsoft SQL Server 2008 R2 RTM Express 」が上位に表示されます。

⑤クリックします。

⑥次の画面が表示されます。

③ ④

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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直接、次のホームページをクリックしてもよいです。

http://www.microsoft.com/downloads/ja­jp/details.aspx?FamilyID=E08766CE­FC9D­448F­9E98­FE84AD61F135

⑦プログラム(インストールパッケージ)には、次の2つの種類があります。

SQLEXPRADV_x64_JPN.exe 64ビットのパソコン用のプログラムです。 SQLEXPRADV_x86_JPN.exe 32ビットのパソコン用のプログラムです。

⑧ファイル名の下の「言語の変更」が「日本語」になっているのを確認してください。

⑨「SQL Sever」をインストールするパソコンに応じてダウンロードしてください。

⑩フォルダーに保存します。

(2) SQL Server 2008 R2 Express with Advance Servicesのインストール

「Windows7」 (32ビット版)に「SQL Server 2008 R2 Express with Advance Services」をインストールする方法について説明

します。

①ダウンロードした「SQLEXPRADV_x86_JPN.exe」をダブルクリックします。

②次の画面が表示されます。

「実行」をクリックします。

③ファイルの解凍が始まります。

④「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されます。

「次のプログラムにこのコンピュータへの変更を許可しますか」が表示されます。

プログラム名:SQL Sever 2008 R2 確認済の発行元:Microsoft Corporation を確認して、「はい」をクリックします。

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2.3 SQL Server 2008 R2 Express のインストール

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⑤次の画面が表示されます。

初めてですので、「新規インストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加します。」をクリックします。

⑥次のライセンス条項が表示されます。

⑦「ライセンス条項に同意する」にチェックをいれ「次へ」をクリックします。

<<注意事項>>

「Windows XP」や、 「Windows Server 2003」などの古いOS(オペレーティングシステム)では、セットアップルール

が表示される場合があります。

「SQL Server 2008 R2 Express」をインストールするのに必要な、ソフトウェアが不足している場合に表示されます。

「失敗」で表示されています。

「失敗」のソフトウェアについては、グーグルから検索して、ダウンロードしてインストールします。

全部、インストールしたら、再度「再実行」をクリックします。

問題がなければ、次の画面が表示されます。

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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⑧次のような「機能の選択」が表示されます。

全部チェックされているのを確認します。

「共有機能」もそのままでよいです。

⑨「次へ」をクリックします。

⑩「インスタンスの構成」が表示されます。

「インスタンス」とは、 「SQL Sever」の名前です。

複数作成することができます。名前を付ければその名前で、 「SQL Server」に接続することができます。

特に問題なければ、そのままでよいと思います。

セットアップの規定値の、 「インスタンス」は「SQLExpress」になっています。

⑪「次へ」をクリックします。

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2.3 SQL Server 2008 R2 Express のインストール

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⑫次の「サーバーの構成」が表示されます。

⑬このまま、「次へ」をクリックします。

<<注意事項>>

「Windows7」では、 「アカウント名」は、上のように規定値で、表示されましたが、 「Windows Server 2003」では、空

白になっていました。

上から順に、「NT AUTHORITY¥NETWORK SERVICE」「NT AUTHORITY¥LOCAL SERVICE」

「NT AUTHORITY¥LOCAL SERVICE」「NT AUTHORITY¥LOCAL SERVICE」に設定しました。

パスワードは何も入力していません。

⑭次の「データベース エンジンの構成」が表示されます。

⑮認証モードを「混合モード(M)(SQL Server認証とWindows 認証)」にします。

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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⑯次の画面になります。

⑰「SQL Server」の「システム管理者」 (sa)アカウントのパスワードを入力します。

「パスワードの入力」「パスワードの確認入力」にパスワードを入力してください。

このパスワードは重要ですので忘れないでください。

⑱「次へ」をクリックします。

⑲「Reporting Serviceの構成」が表示されます。

「ネイティブモードの既存の構成をインストールする」が選択されています。

⑳そのまま、「次へ」をクリックします。

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2.3 SQL Server 2008 R2 Express のインストール

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○ 21次の「エラーレポート」が表示されます。

○ 22そのまま「次へ」をクリックします。

○ 23インストールが始まります。

かなり時間がかかります。

○ 24セットアップが終了すると次の画面が表示されます。

「正常に完了しました」と表示されます。

○ 25「閉じる」をクリックします。

○ 21

○ 22

○ 24

○ 25

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第 2 章 SQL Server 2008 のインストール

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○ 26次の「SQL Serverインストールセンター」の画面も閉じます。

無事に「SQL Server 2008 R2 Express」のインストールが終わりました。

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2.4 「Microsoft SQL Server Management Studio」の使い方

無料レポートは、ここまでです。

いかがでしたでしょうか。

教材の雰囲気がお分かりいただけたと思います。

あなたにとって、この教材が業務改善の一助になれば幸いです。

宜しくお願い申し上げます。