NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5...

28
53 a) 加速度時刻歴波形 b) 加速度のオービット c) ボーリング柱状図 - 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所 ( 本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面 137.6 Gal L-36.0m 74.7 Gal EW成分 地表面 106 Gal L-36.0m 88.1 Gal UD成分 地表面 59.1 Gal L-36.0m 40.8 Gal 最大加速度 最大加速度 最大加速度 -300 -200 -100 0 100 200 300 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 加速度振幅(Gal) 時間(秒) GL-2m NS (gal) GL-36m NS (gal) -300 -200 -100 0 100 200 300 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 加速度振幅(Gal) 時間(秒) GL-2m EW (gal) GL-36m EW (gal) -300 -200 -100 0 100 200 300 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 加速度振幅(Gal) 時間(秒) GL-2m UD (gal) GL-36m UD (gal) 北から時計回りに263度回転 -300 0 300 -300 0 300 加速度振幅(Gal) 加速度振幅(Gal) N 北から時計回りに353度回転 -300 0 300 -300 0 300 加速度振幅(Gal) 加速度振幅(Gal) N GL-2.0 m GL-36.0 m

Transcript of NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5...

Page 1: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

53

a)加速度時刻歴波形

b)加速度のオービット c)ボーリング柱状図

図 - 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所 (本震 2011/3/11 14:46)

NS成分 地表面 137.6 Gal L-36.0m 74.7 Gal

EW成分 地表面 106 Gal L-36.0m 88.1 Gal

UD成分 地表面 59.1 Gal L-36.0m 40.8 Gal

大加速度

大加速度

大加速度

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-2m NS (gal)

GL-36m NS (gal)

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-2m EW (gal)

GL-36m EW (gal)

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-2m UD (gal)

GL-36m UD (gal)

北から時計回りに263度回転

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

N

北から時計回りに353度回転

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

NGL-2.0m GL-36.0m

Page 2: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

54

a)加速度時刻歴波形

b)加速度のオービット c)ボーリング柱状図

図 - 4.2.6 東京都港湾局のアレー観測データ 夢の島地震観測所 (本震 2011/3/11 14:46)

GL-88.0m

NS成分 地表面 120.6 Gal L-89.48m 57.7 Gal

EW成分 地表面 143.4 Gal L-89.48m 61.5 Gal

UD成分 地表面 60.6 Gal L-89.48m 27.9 Gal

大加速度

大加速度

大加速度

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-1.07m NS (gal)

GL-89.48m NS (gal)

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-1.07m EW (gal)

GL-89.48m EW (gal)

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

加速

度振

幅(G

al)

時間(秒)

GL-1.07m UD (gal)

GL-89.48m UD (gal)

北から時計回りに100度回転

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

NGL-1.07m

北から時計回りに272度回転

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

NGL-89.48m

Page 3: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

55

東京大学地震研究所提供資料より

a)加速度時刻歴波形

b)加速度のオービット 図- 4.2.7 東京大学地震研究所観測記録 高洲小学校 GL-14.0m (本震 2011/3/11 14:46)

東京大学地震研究所提供資料より

a)加速度時刻歴波形

b)加速度のオービット 図- 4.2.8 東京大学地震研究所観測記録 南小学校 GL-18.0m (本震 2011/3/11 14:46)

Max= 98.8 Gal

Max= -99.7 Gal

Max= -49.7 Gal

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleratio

n (gal)

time (sec)

高洲小学校本震NS

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleration

 (gal)

time (sec)

高洲小学校本震EW

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleration

 (gal)

time (sec)

高洲小学校本震UD

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

N

北から時計回りに302度回転

Max= 96.9 Gal

Max= 92.0 Gal

Max= -54.6 Gal

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleratio

n (gal)

time (sec)

南小学校本震NS

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleratio

n (gal)

time (sec)

南小学校本震 EW

‐150

‐100

‐50

0

50

100

150

0 100 200 300 400 500 600

acceleratio

n (gal)

time (sec)

南小学校本震UD

北から時計回りに335度回転

-300

0

300

-300 0 300

加速

度振

幅(G

al)

加速度振幅(Gal)

N

Page 4: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

56

4.3 余震の影響の整理 地震前の状況から余震後の浸水範囲の拡大までの状況を把握するため、入船中学校の防

犯カメラの画像の代表画像を時系列で整理して図 - 4.3.1 に示した。同図には、時系列で地

震の発生状況、確認された現象、画像番号を整理して併記した。 同図より、本震 30 分後の余震時には噴水・噴砂範囲が広がっている状況が確認できる。

また、噴水・噴砂が拡大している中でも車両が通行している状況が写真⑤から確認できる。

Page 5: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

57

出典:入船中学校 防犯カメラの画像 図 - 4.3.1 地震前の状況から余震後の浸水範囲の拡大までの状況

クラック 噴水・噴砂14:45

14:48 本震 揺れ始め

14:49

14:50

14:52 波動あり

14:54 揺れ収束

14:55

15:00

15:05 15:05 沈静化

15:10

15:15

15:16 余震 揺れ始め

15:17 揺れ収束 波動あり

15:20 15:20 活発

場所によって

徐々に15:25 沈静化

15:30 沈静化

平成23年(2011年)3月11日

画像

地震確認された現象

時間 ①① 地地震震前前のの状状況況

クラック

②② 本本震震にによよりりククララッッククがが発発生生

段差

③③ 本本震震にによよりり液液状状化化がが発発生生

クラック

波動が確認でき

④④ 余余震震後後にに液液状状化化がが発発生生

⑤⑤ 余余震震後後のの液液状状化化でで浸浸水水範範囲囲がが拡拡大大

Page 6: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

58

4.4 311 地震の再現計算 液状化危険度マップを作成する際、液状化危険度を判定する手法の妥当性が重要とな

る。このため、本検討で用いる再現計算手法が妥当であることを確認するため、311 地

震の再現計算を実施した。

4.4.1 再現計算手法

(1) 一次元地震応答解析

一次元地震応答解析には、等価線形解析法である DYNEQ4))を用いた。なお、DYNEQにおける有効ひずみの周波数依存の取り扱いについては「杉戸ら 5)」の方法に準じた。

(2) 液状化判定手法

液状化判定は、「道路橋示方書・同解説 V 耐震設計編 ,平成 14 年 3 月」に対して、以

下の点を変更して実施した。 ①水平震度

地震応答解析で得られた地表最大加速度を基に設定した。 ②液状化強度 (繰返し三軸強度比 RL)

311 地震後に実施した室内試験で得られた液状化強度 (RL2 0)を考慮できるよう、

1.5.3 に示した関係を用いて設定した。

ただし、上記のみでは 311 地震の実態を再現できなかったことから (巻末 -2 参照 )、311 地震の特徴である継続時間が長かったことを考慮して、液状化強度 (繰返し三軸強

度比 RL)として RL1 0 0 を採用した (Fs 層:RL2 0×0.819、As 層:RL2 0×0.781 表 - 1.5.1 参

照 )。 また、RL1 00 を考慮しただけでは実態を再現できなかったことから (巻末 -2 参照 )、さ

らにその他の影響 (スロッシング現象や余震等 )を考慮するための新たな係数 c を設定

し、以下のように係数 c を考慮して FL 値を算定した。なお、本検討では c=0.8 を採用

した。

LRc

LRF Lw

L (道路橋示方書による FL 値算定式 )

LRcc

LcRF Lw

L (本検討で用いた FL 値算定式 )

ここで、FL:液状化に対する抵抗率 R:動的せん断強度比 L:地震時せん断応力比 cw:地震動特性による補正係数 RL:繰返し三軸強度比

c:311 地震のその他の影響 (スロッシング現象や余震等 )を考慮した係

数 (本検討で新たに定義 )

本検討における 311 地震の再現計算に用いた動的せん断強度比 R の設定手順を図 - 4.4.1 に示した。

4) 吉田望 ,末富岩雄 :DYNEQ:等価線形法に基づく水平成層地盤の地震応答解析プログラム ,

佐藤工業 (株 )技術研究所報 ,pp.61-70,1996. 5) 杉戸真太 ,合田尚義 ,増田民夫 :周波数特性を考慮した等価ひずみによる地盤の地震応答

解析法に関する一考察 ,土木学会論文集 ,No.493/Ⅲ -27,pp.49-58,1994.

Page 7: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

59

図 - 4.4.1 311 地震の再現計算に用いた動的せん断強度比 R の設定手順

Page 8: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

60

4.4.2 入力地震動

再現解析を行う上では、浦安市域の工学的基盤位置における入力地震動が必要となる。 浦安近傍で観測された地震波形のうち、東京都港湾局のアレー観測データ (夢の島観測

所 )では、GL-1.07m と GL-89.48m において地震波形 (E+F 波 )が観測されている。このた

め、GL-89.48m の観測波形を工学的基盤位置まで一次元地震応答解析 (順解析 )を行うこ

とで、同位置における地震波形 (2E 波 )が算出可能である。なお、夢の島観測所において

は、既存文献によって地震応答解析に必要となる地盤モデルが把握できる。 本検討では、夢の島観測所における GL-89.48m の地震波形を入力として、工学的基盤

位置における地震波形を一次元地震応答解析 (DYNEQ6))によって求めた。なお、DYNEQにおける有効ひずみの周波数依存の取り扱いについては「杉戸ら 7)」の方法」に準じた。

(1) 地震応答解析に用いた地盤モデル

土層区分、単位体積重量γ t、せん断波速度 Vs については、既往文献 8)を基に設定し

た (図 - 4.4.2 参照 )。G/Go~γ、h~γ曲線は、土木研究所 9))の式を用いた。 地震応答解析に用いた地盤モデルを表 - 4.4.1 に示した。

表 - 4.4.1 地震応答解析に用いた地盤モデル

図 - 4.4.2 既往文献 8)の地盤モデル

6) 吉田望 ,末富岩雄 :DYNEQ:等価線形法に基づく水平成層地盤の地震応答解析プログラム ,

佐藤工業 (株 )技術研究所報 ,pp.61-70,1996. 7) 杉戸真太 ,合田尚義 ,増田民夫 :周波数特性を考慮した等価ひずみによる地盤の地震応答

解析法に関する一考察 ,土木学会論文集 ,No.493/Ⅲ -27,pp.49-58,1994. 8) KENJI ISHIHARA,TAKAHITO MUROI and IKUO TOWHATA:IN-SITU PORE WATER

PRESSURES AND GROUND MOTIONS DURING THE 1987 CHIBA-TOHO-OKI EARTHQUAKE,SOIL AND FOUNDATIONS,Vol.29,No.4,75-90,Dec.1989.

9) 建設省土木研究所 (1982) :地盤地震時応答特性の数値解析法-SHAKE:DESRA- ,土研

資料第 1778 号 .

材料No

地層記号

γt

(kN/m3)

Vs(m/s)

G/Go~γh~γ曲線

1 Bs1 18 230 土研-砂

2 Bs2 19.1 130 土研-砂3 As1 18.2 170 土研-砂4 As2 18.2 220 土研-砂5 Ac1 17 150 土研-沖積粘土6 Ac2 15 150 土研-沖積粘土7 Ac3 15 170 土研-沖積粘土8 Ac4 18.7 250 土研-沖積粘土9 Ac5 16.9 250 土研-沖積粘土10 Dg1 21 560 土研-砂11 Dg2 18.7 330 土研-砂12 Dg3 17.9 330 土研-砂13 Gr 21 560

Page 9: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

61

(2) 解析結果

GL-89.48m における観測波形 (E+F)を入力として地震応答解析を行い、GL-50.1m に

おける 2E 波を算定した。なお、地震応答解析は NS 成分及び EW 成分について実施し

た。

図 - 4.4.3 引き戻し解析のイメージ (左図 )および解析結果

200.0

-200.0

0.0

(gal)

0.0 200.0 400.0(sec)

-81.3 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

200.0

-200.0

0.0

(gal)

0.0 200.0 400.0(sec)

108.7*

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

NS 成分

EW 成分

算定結果 (GL-50.1m における 2E 波)

観測波形 (GL-89.48m における E+F 波)

NS成分観測波形_GL-89m_E+F.dat 200.0

-200.0

0.0

(gal)

0.0 200.0 400.0(sec)

-57.7 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

EW成分観測波形_GL-89m_E+F.dat 200.0

-200.0

0.0

(gal)

0.0 200.0 400.0(sec)

-61.5 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

NS 成分

EW 成分

基盤

GL-50.1m 2E波の算定

GL-89.48m 観測波形(E+F)

Page 10: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

62

4.4.3 代表地点における再現解析

(1) 再現解析実施地点

再現解析は、観測記録が近傍にあり、地震応答解析を実施するための地盤データが揃

っている「浦安市役所」「高洲小学校」の 2 地点において実施した。 再現解析は、以下の点に着目して実施した。 ・観測記録がある浦安市役所 (K-NET CHB008 地点の近傍地点 )及び高洲小学校 (東京大

学地震研究所観測地点 )に対して、加速度時刻歴、応答スペクトルを観測記録と解析

結果とで比較し、解析の妥当性を検証する。

代表 2 地点の位置図を図 - 4.4.4 に、地盤モデルを図 - 4.4.5 に示した。

Page 11: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

63

図 - 4.4.4 再現解析実施地点 図 - 4.4.5 代表 2 地点の地盤モデル (左:モデル図、右:地震応答解析に用いた土質定数 )

高洲小学校

(東京大学地震研究所観測記録)

N

浦安市役所

Bs

As1

Ac1

Nac

GL-

10

20

30

40

50

60

Fs

As1

Ac1

Nac

Bs

As2

Nas

地点名 浦安市役所孔口標高 T.P.m 2.54地下水位 GL-m 2.5

土層区分下端深度

(m)層厚(m)

γt

(kN/m3)

Vs(m/s)

2.5 2.5 17 1605.2 2.7 17 1107.2 2 18 150

10.8 3.6 18 16014.2 3.4 18 11023.7 9.5 16 11027.8 4.1 16 17036.8 9 16 14039.6 2.8 17 15042.8 3.2 17 180

Kys 19 300

Ac1

Bs

Nac

As1

浦 安 市 役 所 高 洲 小 学 校

地点名 高洲小学校孔口標高 T.P.m 3.82地下水位 GL-m 1.4

土層区分下端深度

(m)層厚(m)

γt

(kN/m3)

Vs(m/s)

Bs 1.1 1.1 17 932.75 1.65 18 934.05 1.3 18 1006.4 2.35 18 95

As1 13.1 6.7 18 124Ac1 30.4 17.3 16 133As2 31.75 1.35 18 161

35.8 4.05 17 19039.8 4 17 28948.2 8.4 17 188

Nas 49.75 1.55 18 388Kys 19 388

Fs

Nac

出典 地形図 25,000 分の一地形図、国土地理院

Page 12: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

64

(2) 一次元地震応答解析結果

浦安市役所及び高洲小学校地点における観測波形と解析結果について、加速度時刻

歴波形及応答スペクトル (トリパタイト )を比較して図 - 4.4.6 に示した。 また、各地点における最大応答値深度分布図を図 - 4.4.7 及び図 - 4.4.8 に示した。最

大応答値深度分布図のうち、最大せん断ひずみ分布を見ると、両地点において 1%未

満 (10-3 オーダー )の値となっており、等価線形解析の適用範囲であることが分かる。

●加速度時刻歴波形

a)浦安市役所 b)高洲小学校 ※高洲小学校の観測波形は東京大学地震研究所提供データ

●応答スペクトル(トリパタイト) 浦安市役所 高洲小学校

NS 成分

EW 成分

※高洲小学校観測波の応答スペクトルは東京大学地震研究所提供データを用いて算定した。

図 - 4.4.6 加速度時刻歴波形および応答スペクトル (h=5%)の比較

NS成分 GL-14m

Max= 98.8 Gal

EW成分 GL-14m

Max= -99.7 Gal

‐300

‐200

‐100

0

100

200

300

0 100 200 300 400 500 600

加速

度振

幅(Gal)

時間 (sec)

‐300

‐200

‐100

0

100

200

300

0 100 200 300 400 500 600

加速

度振

幅(Gal)

時間 (sec)

NS成分

EW成分

‐300

‐200

‐100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300

加速

度振

幅(Gal)

時間(sec)

‐300

‐200

‐100

0

100

200

300

0 50 100 150 200 250 300

加速

度振

幅(Gal)

時間(sec)

―:観測波形(K-NET CHB008)

―:解析結果 ―:観測波形 ―:解析結果

―:観測波形 ―:解析結果

―:観測波形(K-NET CHB008)

―:解析結果

0.1 1 10Period (sec.)

1

2

5

10

20

50

100

200

S V (c

m/s

)

2

5

10

20

50

100

200

S D (c

m)

200

500

1000

2000

5000

1000

0SA (cm/s

2)

―:観測波形

(K-NET CHB008) ―:解析結果

0.1 1 10Period (sec.)

1

2

5

10

20

50

100

200

S V (c

m/s

)

2

5

10

20

50

100

200

S D (c

m)

200

500

1000

2000

5000

1000

0SA (cm/s

2)

0.1 1 10Period (sec.)

1

2

5

10

20

50

100

200

S V (c

m/s

)

25

1020

50100

200

S D (c

m)

200

500

1000

2000

5000

1000

0SA (cm/s

2)

0.1 1 10Period (sec.)

1

2

5

10

20

50

100

200

S V (c

m/s

)

25

1020

50100

200

S D (c

m)

200

500

1000

2000

5000

1000

0SA (cm/s

2)

―:観測波形

(K-NET CHB008) ―:解析結果

―:観測波形 ―:解析結果

―:観測波形 ―:解析結果

Page 13: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

65

最大応答値深度分布図

No.88 浦安市役所 NS 成分

0

10

20

30

40

0 200 400 600

絶対加速度(Gal)

深 度

(m

)

0 5 10 15 20

相対変位(cm)

0 10 20 30

減衰定数(%)

0 50 100 150 200

せん断応力(kN/m2)

10-4 10-3 10-2 10-1 100 101

最大せん断ひずみ(%)

0 20 40 60 80

絶対速度(cm/sec)

0 100 200 300

せん断剛性率(MN/m2)

EW 成分

0

10

20

30

40

0 200 400 600

絶対加速度(Gal)

深 度

(m

)

0 5 10 15 20

相対変位(cm)

0 10 20 30

減衰定数(%)

0 50 100 150 200

せん断応力(kN/m2)

10-4 10-3 10-2 10-1 100 101

最大せん断ひずみ(%)

0 20 40 60 80

絶対速度(cm/sec)

0 100 200 300

せん断剛性率(MN/m2)

図 - 4.4.7 最大応答値深度分布図 (浦安市役所 )

Page 14: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

66

B-14 高洲小学校 NS 成分

0

10

20

30

40

0 200 400 600

絶対加速度(Gal)

深 度

(m

)

0 5 10 15 20

相対変位(cm)

0 10 20 30

減衰定数(%)

0 50 100 150 200

せん断応力(kN/m2)

10-4 10-3 10-2 10-1 100 101

最大せん断ひずみ(%)

0 20 40 60 80

絶対速度(cm/sec)

0 100 200 300

せん断剛性率(MN/m2)

EW 成分

0

10

20

30

40

0 200 400 600

絶対加速度(Gal)

深 度

(m

)

0 5 10 15 20

相対変位(cm)

0 10 20 30

減衰定数(%)

0 50 100 150 200

せん断応力(kN/m2)

10-4 10-3 10-2 10-1 100 101

最大せん断ひずみ(%)

0 20 40 60 80

絶対速度(cm/sec)

0 100 200 300

せん断剛性率(MN/m2)

図 - 4.4.8 最大応答値深度分布図 (高洲小学校 )

Page 15: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

67

(3) 液状化判定結果

一次元地震応答解析で得られた地表最大加速度を用いて、浦安市役所及び高洲小学

校地点で液状化判定を実施した。液状化判定結果を図 - 4.4.9 に示した。 図 - 4.4.9 に示したとおり、浦安市役所においては地下水位以下の Bs 層及び As 層の

一部で FL<1.0 となるものの PL は 5 未満となり、「液状化による影響は小さい」と判定

された。一方、高洲小学校においては Fs 層及び As 層の全層で FL<1.0、PL は 20 以上

となり「液状化による影響が非常に大きい」と判定された。

Page 16: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

68

a) 浦安市役所

b) 高洲小学校 図 - 4.4.9 液状化判定結果

箇所名

地点名

孔口標高(TP m) 3.82 PL値 25.358

Bs 1.00 0 17.0 しない 0.985Fs 1.80 10 31.3 6.1 0.0 する 0.231 0.80 0.185 0.973 0.239 0.772Fs 2.31 3 40.5 53.7 5.1 する 0.254 0.80 0.204 0.965 0.268 0.760Fs 3.28 0 57.9 66.4 12.6 する 0.216 0.80 0.173 0.951 0.304 0.570Fs 4.30 7 76.3 28.1 0.0 する 0.278 0.80 0.222 0.936 0.327 0.679Fs 5.30 8 94.3 39.1 する 0.371 0.80 0.297 0.921 0.341 0.871Fs 6.33 3 112.8 76.2 13.9 する 0.244 0.80 0.195 0.905 0.350 0.558As1 7.30 12 130.3 7.2 0.0 する 0.240 0.80 0.192 0.891 0.355 0.542As1 8.30 9 148.3 18.6 する 0.275 0.80 0.220 0.876 0.357 0.615As1 9.30 7 166.3 11.9 0.0 する 0.218 0.80 0.175 0.861 0.358 0.488As1 10.30 9 184.3 32.9 する 0.328 0.80 0.262 0.846 0.357 0.735As1 11.30 9 202.3 33.4 0.0 する 0.322 0.80 0.258 0.831 0.355 0.726As1 12.31 7 220.5 48.3 する 0.312 0.80 0.249 0.815 0.353 0.706As1 13.30 1 238.3 75.3 17.8 しない 0.801As1 14.30 5 256.3 61.9 8.9 する 0.284 0.80 0.227 0.786 0.346 0.656Ac1 15.30 2 273.4 77.6 16.6 しない 0.771Ac1 16.23 0 288.2 77.6 16.6 しない 0.757Ac1 18.33 4 321.8 77.6 16.6 しない 0.725Ac1 19.23 0 336.2 98.8 18.7 しない 0.712Ac1 20.27 0 352.9 98.8 18.7 しない 0.696

判定深度(m)

土質記号

FL判定 RL cw R rd LN 値

浦安市地盤調査業務

高洲小学校(B-14)

地下水位(GL-m)

水の単位体積重量(kN/m3)

1.47

10

σ v

(kN/m2)

Ⅲ種

0.22

地盤種別

設計水平震度

FC(%)

IP

0 50

N値(回)

0 1 2

FL

Bs

Fs

As1

Ac1

0

5

10

15

20

25

30

35

40

柱状図

Dep

th(m

)

0 50 100

FC(%)

0 50 100

IP

箇所名

地点名

孔口標高(TP m) 2.54 PL値 4.65

Bs 1.30 5 22.1 21.7 する 0.243 0.80 0.195 0.981 0.164Bs 2.30 7 39.1 28.8 する 0.296 0.80 0.237 0.966 0.162Bs 3.30 3 56.1 39.8 する 0.248 0.80 0.198 0.951 0.186 1.069Bs 4.30 3 73.1 26.5 する 0.219 0.80 0.175 0.936 0.208 0.844As1 5.30 5 90.2 35.1 する 0.294 0.80 0.235 0.921 0.223 1.053As1 6.30 2 108.2 61.2 する 0.267 0.80 0.214 0.906 0.234 0.915As1 7.30 23 126.2 5.0 する 0.450 0.80 0.360 0.891 0.240 1.496As1 8.30 27 144.2 9.0 する 0.899 0.80 0.719 0.876 0.245 2.934As1 9.30 5 162.2 41.4 する 0.293 0.80 0.235 0.861 0.248 0.946As1 10.30 18 180.2 7.7 する 0.268 0.80 0.214 0.846 0.249 0.859As1 11.30 8 198.2 30.5 する 0.292 0.80 0.234 0.831 0.250 0.936As1 12.30 7 216.2 28.6 する 0.275 0.80 0.220 0.816 0.250 0.880As1 13.30 3 234.2 59.6 する 0.269 0.80 0.215 0.801 0.249 0.864Ac1 14.30 1 252.0 しない 0.786Ac1 15.30 1 268.0 しない 0.771

Ac1 16.30 1 284.0 しない 0.756Ac1 17.30 1 300.0 しない 0.741Ac1 18.30 0 316.0 しない 0.726Ac1 19.30 0 332.0 しない 0.711Ac1 20.30 0 348.0 しない 0.696

σ v

(kN/m2)

Ⅲ種

0.167

地盤種別

設計水平震度

FC(%)

IP

2.5

10

浦安市

浦安市役所(No.88)

地下水位(GL-m)

水の単位体積重量(kN/m3)

判定深度(m)

土質記号

FL判定 RL cw R rd LN 値

0 50

N値(回)

0 1 2

FL

Bs

As1

Ac1

0

5

10

15

20

25

30

35

40

柱状図

Dep

th(m

)

0 50 100

FC(%)

0 50 100

IP

Page 17: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

69

4.4.4 浦安市全域の再現計算結果

図 - 4.1.3 に示した評価ポリゴン、4.1.2 解析モデルの作成方法の要領で作成した地盤モ

デル、4.4.3 代表地点における再現解析で実施した計算手法を用いて、浦安市全域で 311地震の再現計算を実施した。再現計算結果を評価するに当たり、本検討では以下の図を

作成した。

①地表最大加速度分布図 ②震度分布図 ③PL 値分布図 (PL 値の算定式は下式の「道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編 ,平成 14

年 3 月 .」に準拠 )

dxxFP LL )5.010)(1(0

20

ここで、FL:液状化に対する抵抗率 (4.4.1 再現計算手法参照 )

PL:液状化指数 x:地表面からの深さ (m)

地表最大加速度分布図、震度分布図及び PL 値分布図を図 - 4.4.10 に示した。

地表最大加速度分布図、震度分布図及び PL 値分布図ともに、311 地震の被害状況を概

ね再現する結果となった。このため、今回の液状化危険度評価手法は 4.4.3 代表地点に

おける再現解析の結果と併せて概ね妥当であると考える。

Page 18: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

70

【地表最大加速度】

【震度】

【PL値】

図- 4.4.10 311地震の再現計算結果

311地震

・311 地震以降に実施し

た室内試験で得られた

液状化強度(RL20)を考

慮 ・311 地震の特徴を考慮

→RL100を考慮 →その他の影響(スロッシング現象、余震等)を考

グレード3液状化マップにおける液状化の影響の程度と

液状化発生面積率(%)の関係の目安

(国土庁防災局震災対策課:液状化ゾーニングマニュアル,H11年)

これらの図は、地盤調査結果を基に浦安地域の地盤を

モデル化した上で想定地震による「液状化の影響の程

度」を計算で求めたものです。このため、想定した地

震が発生した場合でも各エリア内の全てが必ずここに

示すとおりになるとは限りません。また、地盤改良等

の効果については反映していません。

(レベル1地震動) (レベル2地震動)

(a)  液状化による 影響は小さい

0≦PL≦5 0≦PL≦5 2%程度

(b)  液状化による 影響が大きい

5<PL≦15 5<PL≦20 10%程度

(C)  液状化による 影響が非常に 大きい

15<PL 20<PL 20%程度以上

注1:「埋立地」が含まれる場合、液状化発生面積率は区分(c)で30%以上となる こともあり得る。

液状化発生面積率(%)

PL値区分

液状化の影響の程度

Page 19: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

71

4.4.5 再現計算結果に対する考察

以上の検討結果より、4.4.1 再現計算手法で提示した計算手法 (一次元地震応答解析手

法、液状化判定手法 )を用いることで、311 地震における強震記録、液状化による被害状

況を概ね再現できることが分かった。 このため、後述するとおり、4.5 液状化危険度マップにおける検討のうち、311 地震に

対する計算については 4.4.1 再現計算手法を採用することとした。

Page 20: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

72

4.5 液状化危険度マップ 4.5.1 想定地震及び震源モデル

想定地震については、構造物の供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度をもつ

レベル 2 地震動 (「内陸直下型地震」と「プレート境界型地震」の 2 種類 )、ならびに構

造物の供用期間中に発生する確率が高い地震動であるレベル 1 地震動を考慮することと

した。浦安市に影響を及ぼす上記に該当する想定地震を以下に整理した。

(1) 想定地震

浦安市では、「浦安市地震防災基礎調査 H17 年 3 月」において、浦安市直下 (震源

深さ 16km)の気象庁マグニチュード Mjma=7.3 を想定した地震 (1995 兵庫県南部地震の

再来 )を採用している。ただし、波形計算は行っていないことから、工学的基盤におけ

る波形データは存在しない。 一方、千葉県では「H19 年度千葉県地震被害想定調査 H20 年 3 月」において、図 - 4.5.1

に示すとおり 3 つの想定地震(「東京湾北部地震(Mjma=7.3)」、「千葉県東方沖地震(Mjma

=6.8)」、「三浦半島断層群による地震(Mjma=6.9)」)が設定されている。なお、これら

の想定地震に対しては、震源特性、伝播経路特性、サイト特性を考慮した強震動予測

を行っていることから、工学的基盤位置の波形データが 250m メッシュ毎に存在する。

これらのうち、浦安市を対象に考えれば「東京湾北部地震」の影響が最大となり、

浦安市地震防災基礎調査の想定地震と同規模となる。また、地震規模を鑑みると、浦

安市においては「千葉県東方沖地震(Mjma=6.8)」がレベル 1 地震動相当になるものと

考えられる。

このため、本検討ではレベル 2 地震動のうち内陸直下型地震については、「東京湾北

部地震(Mjma=7.3)」を、また、レベル 1 地震動としては「千葉県東方沖地震(Mjma=6.8)」

を想定地震とした。 また、首都圏に影響を及ぼすと考えられるレベル 2 地震動相当のプレート境界型地

震としては「関東地震の再来」が考えられる。 このため、本検討ではレベル 2 地震動のうちプレート境界型地震については、相模

トラフ沿いの地震として「1923 年関東地震(Mjma=7.9)」を想定地震とした。

図 - 4.5.1 千葉県の 3 想定地震の震源断層モデルの位置図 ※千葉県 HP より抜粋

(http://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/jishin/higaichousa/houkokusho.html)

Page 21: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

73

(2) 震源モデル及び工学的基盤位置の地震波形

各想定地震の震源モデルを図 - 4.5.2 に示した。 また、各想定地震の工学的基盤位置における地震波形の一例として、浦安市役所位

置における加速度時刻歴波形及び加速度応答スペクトルを図 - 4.5.3 に示した。なお、

図 - 4.5.3 には 311 本震の地震波形データを併記した。 相模トラフ沿いの地震 (1923 年関東地震 )については、公的機関から公開されている

浦安市における工学的基盤位置の地震波形データがなかったことから、 (独 )港湾空港

技術研究所からの提供データを使用した。

レベル2地震動

内陸直下型地震

東京湾北部地震(Mjma=7.3)

千葉県 HP より抜粋

プレート境界型地震

相模トラフ沿いの地震 (1923 年関東地震 )(Mjma=7.9)

(港湾空港技術研究所資料 No.1146 より )

レベル1地震動

千葉県東方沖地震(Mjma=6.8)

千葉県 HP より抜粋

図 - 4.5.2 各想定地震の震源モデル

Page 22: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

74

①311地震(本震):東京都港湾局のアレー観測データを用いた解放基盤波(夢の島地震観測所) ②レベル2地震動内陸直下型地震:東京湾北部地震(浦安市役所位置に該当するメッシュにおける工学的基盤の2E波)

③レベル2地震動プレート境界型地震:相模トラフ沿いの地震(1923年関東地震)

④レベル1地震動:千葉県東方沖地震(浦安市役所位置に該当するメッシュにおける工学的基盤の2E波)

図- 4.5.3 各想定地震の加速度時刻歴波形及び加速度応答スペクトル(h=5%)

東京湾北部\5339378213.NS 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

463.2 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

東京湾北部\5339378213.EW 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

-287.2 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

固有周期

固有周期

加速度応答スペクトル

加速度応答スペクトル

相模トラフの地震 NS 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

-193.7*

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

相模トラフの地震 EW 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

208.4*

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

固有周期

固有周期

加速度応答スペクトル

加速度応答スペクトル

東方沖\5339378213.NS 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

111.6*

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

東方沖\5339378213.EW 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

116.3*

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

固有周期

固有周期

加速度応答スペクトル

加速度応答スペクトル

夢の島 GL-50m NS 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

-81.3 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

夢の島 GL-50m EW 500.0

-500.0

0.0

(gal)

0.0 100.0 200.0(sec)

108.7 *

0.1 10.01

2000

0.2 0.5 1.0 2.0 5.0

2

5

10

20

50

100

200

500

1000

(s)

(gal) [Response]

固有周期

固有周期

加速度応答スペクトル

加速度応答スペクトル

Page 23: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

75

4.5.2 液状化危険度評価結果

液状化危険度を評価するに当たり、本検討では以下の図を作成した。

①地表最大加速度分布図 ②震度分布図 ③PL 値分布図 (PL 値の算定式は下式の「道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編 ,平成 14

年 3 月 .」に準拠 )

dxxFP LL )5.010)(1(0

20

ここで、FL:液状化に対する抵抗率

PL:液状化指数 x:地表面からの深さ (m)

地表最大加速度分布図を図 - 4.5.4 に、震度分布図を図 - 4.5.5 に、PL 値分布図を図 - 4.5.6

に示した。 以下に図 - 4.5.4~図 - 4.5.6 から分かることを整理して以下に列記した。 ・地表最大加速度、震度については、「レベル 2 地震動内陸直下型地震 東京湾北部地

震」を想定したケースが最も大きく、地表最大加速度で 600Gal 以上、震度で最大 6強を示す結果となった。次いで、「レベル 2 地震動プレート境界型地震 相模トラフ

沿いの地震」を想定したケース、「レベル 1 地震動 千葉県東方沖地震」の順であっ

た。なお、レベル 2 地震動に対する地震応答解析結果においては、発生するせん断

ひずみレベルが過大に評価されている可能性がある。

・液状化の影響の程度を示す PL 値については、「レベル 2 地震動内陸直下型地震 東

京湾北部地震」及び「レベル 2 地震動プレート境界型地震 相模トラフ沿いの地震」

を想定したケースで概ね同等の傾向を示し、両者ともに広範囲に及んで液状化の影

響の程度が大きくなる結果となった。次いで「レベル 1 地震動 千葉県東方沖地震」

の順であった。

・「311 地震」で液状化の影響がなかった元町地区においても、「レベル 2 地震動内陸

直下型地震 東京湾北部地震」及び「レベル 2 地震動プレート境界型地震 相模ト

ラフ沿いの地震」では液状化の影響の程度が大きくなっている。このことから、今

後発生の懸念される想定地震 (東京湾北部地震、相模トラフ沿いの地震 )による液状

化危険度は、浦安市全域において極めて高いことが分かった。

ただし、前述したとおり、液状化危険度評価に用いた各評価ポリゴンの地盤モデルは、

23,910m2~ 238,730m2 の評価ポリゴン中の代表ボーリング地点もしくは重心位置におけ

る想定地盤モデルを基に設定している。また、地盤改良等の効果については反映してい

ない。このため、評価結果と実態とが必ずしも合致しないことに留意する必要がある。

Page 24: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

76

図- 4.5.4 地表最大加速度分布図

レベル2地震動 プレート境界型地震 相模トラフ沿いの地震

レベル2地震動 内陸直下型地震 東京湾北部地震

レベル1地震動 千葉県東方沖地震

これらの図は、地盤調査結果を基に浦安地域の地盤を

モデル化した上で想定地震による「液状化の影響の程

度」を計算で求めたものです。このため、想定した地

震が発生した場合でも各エリア内の全てが必ずここに

示すとおりになるとは限りません。また、地盤改良等

の効果については反映していません。

Page 25: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

77

図- 4.5.5 震度分布図

レベル2地震動 プレート境界型地震 相模トラフ沿いの地震

レベル2地震動 内陸直下型地震 東京湾北部地震

レベル1地震動 千葉県東方沖地震

これらの図は、地盤調査結果を基に浦安地域の地盤を

モデル化した上で想定地震による「液状化の影響の程

度」を計算で求めたものです。このため、想定した地

震が発生した場合でも各エリア内の全てが必ずここに

示すとおりになるとは限りません。また、地盤改良等

の効果については反映していません。

Page 26: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

78

図- 4.5.6 PL値分布図

(レベル1地震動) (レベル2地震動)

(a)  液状化による 影響は小さい

0≦PL≦5 0≦PL≦5 2%程度

(b)  液状化による 影響が大きい

5<PL≦15 5<PL≦20 10%程度

(C)  液状化による 影響が非常に 大きい

15<PL 20<PL 20%程度以上

注1:「埋立地」が含まれる場合、液状化発生面積率は区分(c)で30%以上となる こともあり得る。

液状化発生面積率(%)

PL値区分

液状化の影響の程度

レベル2地震動 プレート境界型地震 相模トラフ沿いの地震

レベル2地震動 内陸直下型地震 東京湾北部地震

レベル1地震動 千葉県東方沖地震

グレード3液状化マップにおける液状化の影響の程度と

液状化発生面積率(%)の関係の目安

(国土庁防災局震災対策課:液状化ゾーニングマニュアル,H11年)

・311地震以降に実施

した室内試験で得

られた液状化強度

(RL20)を考慮

これらの図は、地盤調査結果を基に浦安地域の地盤を

モデル化した上で想定地震による「液状化の影響の程

度」を計算で求めたものです。このため、想定した地

震が発生した場合でも各エリア内の全てが必ずここに

示すとおりになるとは限りません。また、地盤改良等

の効果については反映していません。

・311地震以降に実施

した室内試験で得

られた液状化強度

(RL20)を考慮

・311地震以降に実施

した室内試験で得

られた液状化強度

(RL20)を考慮

Page 27: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

79

4.6 レベル 2 地震動に対する液状化危険度マップ レベル 2 地震動に対する液状化危険度マップを再度図 - 4.6.1 に示した。 同図に示したとおり PL 値分布図を見ると、中町、新町は、全域で“液状化の影響が大

きい~液状化の影響が非常に大きい”と予想される結果となった。また、元町は概ね“液

状化による影響は小さい~液状化の影響が大きい”と予想される結果となった。 ただし、元町を含めて地表最大加速度は大きく、建物の耐震性が低い場合には倒壊の

恐れがあり、これらの検討及び対策を十分に行う必要がある。

※PL 値の算定方法について 液状化判定は、以下の式により行っている。

LRc

LRF Lw

L

dxxFP LL )5.010)(1(0

20

ここで、FL:液状化に対する抵抗率 R:動的せん断強度比 L:地震時せん断応力比 cw:地震動特性による補正係数 RL:繰返し三軸強度比 PL:液状化指数 x:地表面からの深さ (m)

内陸直下型地震 東京湾北部地震 (以下、タイプⅡ )とプレート境界型地震 相模トラフ

沿いの地震 (以下、タイプⅠ )とで異なってくる点は、「L:地震時せん断応力比」及び「 cw:

地震動特性による補正係数」である。 「L:地震時せん断応力比」は、地表最大加速度 (以下、α s ma x)で決まる。タイプⅡの

α s ma x のほうが大きいことから、タイプⅡの L はタイプⅠと比較して大きくなる。 一方、タイプⅡでは「 cw:地震動特性による補正係数」を考慮するため、「R:動的せ

ん断強度比」がタイプⅠの 1.0~2.0 倍となる。 このため、 (タイプⅡのα s ma x)/(タイプⅠのα s ma x)が、 cw よりも大きい場合は、タイプ

Ⅱの FL 値の方が小さくなり、PL 値も小さくなる。一方、(タイプⅡのα s ma x)/(タイプⅠの

α s ma x)が、 cw よりも小さい場合は、タイプⅠの FL 値の方が小さくなり、PL 値も小さく

なる。

Page 28: NS成分 地表面 137.6Gal L-36.0m 74.7Gal 300 - Urayasu...図- 4.2.5 東京都港湾局のアレー観測データ 新有明地震観測所(本震 2011/3/11 14:46) NS成分 地表面

80

地表最大加速度分布図 震度分布図 PL 値分布図

レベル2地震動

内陸直下型地震

東京湾北部地震

レベル2地震動

プレート境界型地震

相模トラフ沿いの地震

図 - 4.6.1 レベル 2 地震動に対する液状化危険度評価結果

これらの図は、地盤調査結果を基に浦安地域の地盤をモデル化した上で想定地震による「液状化の影響の程度」

を計算で求めたものです。このため、想定した地震が発生した場合でも各エリア内の全てが必ずここに示すとお

りになるとは限りません。また、地盤改良等の効果については反映していません。

グレード 3液状化マップにおける液状化の影響の程度と

液状化発生面積率(%)の関係の目安

(国土庁防災局震災対策課:液状化ゾーニングマニュアル,H11 年)

グレード 3液状化マップにおける液状化の影響の程度と

液状化発生面積率(%)の関係の目安

(国土庁防災局震災対策課:液状化ゾーニングマニュアル,H11 年)

・311 地震以降に実施

した室内試験で得

られた液状化強度

(RL20)を考慮

・311 地震以降に実施

した室内試験で得

られた液状化強度

(RL20)を考慮

(レベル1地震動) (レベル2地震動)

(a)  液状化による 影響は小さい

0≦PL≦5 0≦PL≦5 2%程度

(b)  液状化による 影響が大きい

5<PL≦15 5<PL≦20 10%程度

(C)  液状化による 影響が非常に

大きい15<PL 20<PL 20%程度以上

注1:「埋立地」が含まれる場合、液状化発生面積率は区分(c)で30%以上となる こともあり得る。

液状化発生面積率(%)

PL値区分

液状化の影響の程度

(レベル1地震動) (レベル2地震動)

(a)  液状化による 影響は小さい

0≦PL≦5 0≦PL≦5 2%程度

(b)  液状化による 影響が大きい

5<PL≦15 5<PL≦20 10%程度

(C)  液状化による 影響が非常に

大きい15<PL 20<PL 20%程度以上

注1:「埋立地」が含まれる場合、液状化発生面積率は区分(c)で30%以上となる こともあり得る。

液状化発生面積率(%)

PL値区分

液状化の影響の程度