Light scattering UV absorbance...Light scattering...

1
AAV2/8 empty/full キャプシド混合物を用いた 蛍光、光散乱およびUV吸収検出器のキャリブレーションプロット INTRODUCTION RESULT CONCLUSIONS B. Goricar, S. Peljhan, P. Gagnon, A. Strancar BIA Separations d.o.o., Mirce 21, 5270 Ajdovscina, Slovenia AAVは通常、empty粒子(DNAを含まない)とfull粒子(DNAを含む)のヘテロな混 合物です。 full empty AAVの比率を推定するにあたっては様々な分光光学的手法 が使用できますが、両者の不完全な分離や、不純物とのオーバーラップによる複雑な光学 的挙動などにより、正確な empty/full 比の特定はしばしば妨害を受けます。 empty fullキャプシドそれぞれの物理化学的な特性の差を考慮することにより、分光光学的手法 によるempty/fullキャプシド比測定における制約を克服することができます。 empty-full AAV2/8キャプシドのクロマトグラフィ分離は、CIMac AAV empty/full ナリティカルモノリスを用い、 pH9.0 NaCl リニアグラジエントによる HPLC システムにより実 施することができました。直列した 3 種の異なる検出器によるシグナル強度を解析しまし た。:蛍光(励起280 nm 、発光348 nm )、光散乱(LS 90° )および UV 吸収 260 nm および 280 nmFluorescence Light scattering 混合比全域での直線的な相関が、蛍光検出器(生データ)、光散乱検出器 (重みづけデータ)、およびUV検出器(重みづけデータ)より得られました。 empty/full 比は、蛍光シグナルによるピーク高さからデータ補正なしに直接求め られました。非補正のUV吸収・光散乱のピーク高さでは、full AAV粒子量は明ら かに過大評価されます。 光散乱では、emptyfull AAV粒子のモル質量差を勘案した補正係数が必要 です。 0% empty 50% empty 100% empty 100% full 50% full 0% full full AAV粒子は、粒子のモル質量に寄与する一本鎖DNAssDNA)を内包して います。光散乱では、補正係数はfull/emptyのモル質量比と定義できます。 光散乱と同様に、 UV 検出器で empty/full 比を推定するには、補正係数が必要と なります。UV強度は、emptyおよびfullキャプシドそれぞれの分子吸光係数に依存し ます。本ケースでは、補正係数は、full/emptyのモル吸光係数比と定義されます。 光散乱およびUV吸収に対する補正係数は、上記式を用い、蛍光検出のデータに近 似することで逆算しました。近似による、光散乱に対するf 値は1.65となり、UV 260 nm280 nmそれぞれに対する値は6.5および3.3、と求められました。 UV吸収では、同様に、emptyfull AAV粒子の分子吸光係数の差を勘案した 補正係数が必要です。 蛍光検出ピーク高さから、用いた初期サンプルの実際の純度は、empty91%full AAVサンプルでは92%でした。同サンプルのクライオTEM解析による結果では、 emptyサンプル中のempty85%full AAVサンプル中のfull73%でした。 この実験では、タンパク質や他の不純物がAAVの保持時間に共溶出していないこ と、ダメージを受けた・不完全な内包がなされたキャプシドが含まれておらず、 emptyfull2種類のみの混合物であることを仮定しています。 精製済み empty および full キャプシドを、一定の容積比で混合し、各混合物の emptyおよびfull 由来のクロマトグラムのピーク高さ(H)に基づき、検量線をプロット しました。 AAV キャプシド測定の偏りを避けるために、 UV 吸収および光散乱には補正係数 f )を適用しました。 UV および光散乱それぞれ補正係数は、 empty および full AAVキャプシドに対する吸光係数、および分子量の差を考慮したものです。fullキャプ シドの定量値は、各相関係数を考慮した下記計算式によって求めました。 UV absorbance 蛍光検出によるデータは、全ての混合比の範囲で生データ自体により直線的な相関 が得られ、蛍光検出は、emptyfull 粒子それぞれに対応するピーク高さの比から単 純にempty/full比を求めることができる最も簡便な方法です。 光散乱とUV検出では、直接的なピーク高さの比較では直線的な相関は得られず、 fullキャプシドの過大評価を生じます。UV検出では特に過大評価が顕著です。レスポ ンスの直線性は、固有の相関係数を各分光モデルに適用することにより達せられます。 特定成分の濃度に対応する光散乱強度は、構成分子の物理的サイズとモル質量に 依存します。empty AAV粒子とfull AAV粒子の粒子サイズが同じであると仮定す ると、モル質量のみが変数と見なされるため、empty AAV粒子とfull AAV粒子のモ ル質量の違いを考慮した補正係数を適用しました。 © 2019 BIA Separations. All rights reserved. % = Full Full + Empty

Transcript of Light scattering UV absorbance...Light scattering...

  • AAV2/8 empty/full キャプシド混合物を用いた蛍光、光散乱およびUV吸収検出器のキャリブレーションプロット

    INTRODUCTION

    RESULT

    CONCLUSIONS

    B. Goricar, S. Peljhan, P. Gagnon, A. StrancarBIA Separations d.o.o., Mirce 21, 5270 Ajdovscina, Slovenia

    AAVは通常、empty粒子(DNAを含まない)とfull粒子(DNAを含む)のヘテロな混合物です。fullとemptyのAAVの比率を推定するにあたっては様々な分光光学的手法が使用できますが、両者の不完全な分離や、不純物とのオーバーラップによる複雑な光学的挙動などにより、正確なempty/full比の特定はしばしば妨害を受けます。emptyとfullキャプシドそれぞれの物理化学的な特性の差を考慮することにより、分光光学的手法によるempty/fullキャプシド比測定における制約を克服することができます。empty-full AAV2/8キャプシドのクロマトグラフィ分離は、CIMac AAV empty/full アナリティカルモノリスを用い、pH9.0、NaClリニアグラジエントによるHPLCシステムにより実施することができました。直列した3種の異なる検出器によるシグナル強度を解析しました。:蛍光(励起280 nm、発光348 nm)、光散乱(LS 90°)およびUV吸収(260 nm および 280 nm)

    Fluorescence Light scattering

    混合比全域での直線的な相関が、蛍光検出器(生データ)、光散乱検出器(重みづけデータ)、およびUV検出器(重みづけデータ)より得られました。

    empty/full比は、蛍光シグナルによるピーク高さからデータ補正なしに直接求められました。非補正のUV吸収・光散乱のピーク高さでは、full AAV粒子量は明らかに過大評価されます。

    光散乱では、empty、full AAV粒子のモル質量差を勘案した補正係数が必要です。

    0%empty

    50%empty

    100%empty

    100%full

    50%full

    0%full

    full AAV粒子は、粒子のモル質量に寄与する一本鎖DNA(ssDNA)を内包しています。光散乱では、補正係数はfull/emptyのモル質量比と定義できます。

    光散乱と同様に、UV検出器でempty/full比を推定するには、補正係数が必要となります。UV強度は、emptyおよびfullキャプシドそれぞれの分子吸光係数に依存します。本ケースでは、補正係数は、full/emptyのモル吸光係数比と定義されます。

    光散乱およびUV吸収に対する補正係数は、上記式を用い、蛍光検出のデータに近似することで逆算しました。近似による、光散乱に対するf値は1.65となり、UV 260nmと280 nmそれぞれに対する値は6.5および3.3、と求められました。

    UV吸収では、同様に、empty、full AAV粒子の分子吸光係数の差を勘案した補正係数が必要です。

    蛍光検出ピーク高さから、用いた初期サンプルの実際の純度は、emptyで91%、full AAVサンプルでは92%でした。同サンプルのクライオTEM解析による結果では、emptyサンプル中のemptyは85%、full AAVサンプル中のfullは73%でした。

    この実験では、タンパク質や他の不純物がAAVの保持時間に共溶出していないこと、ダメージを受けた・不完全な内包がなされたキャプシドが含まれておらず、emptyとfullの2種類のみの混合物であることを仮定しています。

    精製済みemptyおよびfullキャプシドを、一定の容積比で混合し、各混合物のemptyおよびfull由来のクロマトグラムのピーク高さ(H)に基づき、検量線をプロットしました。

    AAVキャプシド測定の偏りを避けるために、UV吸収および光散乱には補正係数(f)を適用しました。UVおよび光散乱それぞれ補正係数は、emptyおよびfullAAVキャプシドに対する吸光係数、および分子量の差を考慮したものです。fullキャプシドの定量値は、各相関係数を考慮した下記計算式によって求めました。

    UV absorbance

    蛍光検出によるデータは、全ての混合比の範囲で生データ自体により直線的な相関が得られ、蛍光検出は、empty、full粒子それぞれに対応するピーク高さの比から単純にempty/full比を求めることができる最も簡便な方法です。

    光散乱とUV検出では、直接的なピーク高さの比較では直線的な相関は得られず、fullキャプシドの過大評価を生じます。UV検出では特に過大評価が顕著です。レスポンスの直線性は、固有の相関係数を各分光モデルに適用することにより達せられます。

    特定成分の濃度に対応する光散乱強度は、構成分子の物理的サイズとモル質量に依存します。empty AAV粒子とfull AAV粒子の粒子サイズが同じであると仮定すると、モル質量のみが変数と見なされるため、empty AAV粒子とfull AAV粒子のモル質量の違いを考慮した補正係数を適用しました。

    © 2019 BIA Separations. All rights reserved.

    𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹 % =𝐻𝐻Full

    𝐻𝐻Full + 𝐻𝐻Empty � 𝑓𝑓

    スライド番号 2